何とか3回目に到達し、連載ぽくなりました。毎回コワい鬼編集長から次はまだかと催促がきます。
ダイエットとプロセス改善 みなさん、ダイエットしていますか、もしくはしたことがありますか? ここで言う「ダイエット」は、日本で一般的になっている意味、食事や運動を含めた、「やせるための取り組み」という意味だと思ってください。
仕事柄、ソフトウェア開発プロセス改善を主業務もしくはご自分の重要な関心事として捉えている(アジャイル開発の導入もそのひとつです)方とお話することが多いですが、プロセス改善とダイエットって似ているな、と思っています。
ダイエットは本来続いてこそ成功です。例えば無理な絶食や極端な食事で一時的に体重を落としても、元の食事に戻れば、あっという間にリバウンド。一生懸命運動をして筋肉をつけても、運動をやめれば筋肉は落ちていきます。 ダイエットは、続けられる食事/続けられる運動を続けて、初めて成功といえます(あぁ、自分で書いていてグサグサくる...)。
プロセス改善もそうです。よく間違われるのですが、何かしらのプロセス改善(例えば、品質向上をしたい、ISOなどの規約に則りたい、アジャイルを導入したい、などなど)は、導入時だけツールを導入し、ガイドラインを作成し、教育を行っただけでは、決して(繰り返します、絶対に!)成功しません。 導入後、実プロジェクトに即してガイドラインを改善し、ツールの使い方を見直し、新しく入ってきたメンバーへの教育をする、これを続けていく必要があります。逆に言うと、これを続けられる体制を整えて、初めてプロセス改善の初期段階が終わったといえます。
続けることの難しさ ところが、この「続ける」が難しい。物事を「始める」こと、「終わらせる」こと、「続ける」こと、どれが一番難しいだろうかと、弊社内のコンサルと議論したことがあります。それぞれに難しさはあるのですが、「続ける」が、一番軽視されがちで、なおかつ難しいというのが、私の持論です。
さらにタチの悪いことに、導入時の担当者は、ツール導入・ガイドライン作成をすることで、達成感を覚えます(ガイドラインを「完成」させることで、「自分の仕事が終わった」感が出ることは、本連載1回目ともつながります)。ダイエットも、何か今までと違う食事や運動を始めようとする時の高揚感、徐々に体重や体脂肪率が落ち始めた時の達成感がありますよね。 でも、その食事や運動をやめればリバウンド、プロセス改善でも改善を続けなければ実プロジェクトに合わないツールは使われなくなり、ガイドラインは棚ざらし。こんなガイドラインや標準プロセス、ツールの亡霊が、みなさんの近くにもありませんか?
最近読んだ本の中に、"Improvement is a journey, not a destination." という言葉があり、とても共感しました。調べてみると、この「ほげほげ is a journey, ~」という言葉は、いくつかあるようですね。Life、Love、Happiness、Success…
DevOpsというキーワードが出てきて久しいですが、DevとOpsの壁は、もしかしたら、プロジェクトとして開発をしてしまえば完了だと思っているDevと、ずっとそのシステムを運用していかなければならないOpsとの感覚の違いなのかも、などと妄想しています。
※転載元の情報は上記執筆時点の情報です。 上記執筆後に転載元の情報が修正されることがあります。