「出会い」と「成婚」。
一言でそう言えても、その背景にある想いも、抱える課題も、描く理想も、タイミングも―すべてが一人ひとり異なります。
同じ出会いも、同じ成婚も、ひとつとしてありません。
だからこそ、サービスに“完成形”はない。
もっとご納得いただける成婚を。
心から「この人でよかった」と思える出会いを、届け続けたい。
その一心で、TMSホールディングス(以下、TMSグループ)はお客様と向き合ってきました。
2005年に起業し、現在当グループが運営する結婚相談所ネットワークは、業界第2位の規模へと成長し、所属する結婚相談所は2,000店舗以上、会員数は68,000名を超えるまでになりました。
しかし、事業の目的は「拡大」や「業界ナンバーワン」になることではありません。
原点にあるのは、創業以来変わらない想い。
「この仕事が大好きだ。
このサービスを、もっと多くの人に届けたい。」
という、純粋な情熱です。
今回は、当グループが創業以来どのようにお客様と向き合い、サービスを磨き続けてきたのか。そして、その積み重ねがなぜ現在の成長へとつながっているのか。
代表取締役 吉末の言葉をもとに、TMSグループが成長し続けてきた4つの理由を紐解いていきます。
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[インタビュー・執筆・編集]ストーリーテラーズ編集部 高野 美菜子
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理由① 出会いの「本質」を理解し、仕組みを構築できる立場にいたから
吉末:私がこの業界に入った2002年頃、結婚サービスは大きく二つに分かれていました。
コンピューターマッチングやデータベース検索を活用して異性を紹介する「結婚情報サービス」と、専任カウンセラー(仲人)がマンツーマンで伴走し、出会いから成婚までを支える「仲人・結婚相談サービス」です。
この頃からインターネットの普及により、これまでは結婚情報サービスが主に提供していたデータベース検索からの申し込みも仲人・結婚相談サービスでも導入されていきました。
これにより異性紹介における利便性は高まりましたが、その変化の中で新たな課題が浮かび上がってきました。
それが、「登録しても、そもそも出会えない」という課題です。
出会いは、あくまで双方向で成立するもの。
自分が良いと思っても、相手が良いと思ってくれなければ成立しません。
ところが、データベースを自由に検索できるようになった瞬間、人はまるで“自分に選択権がある”かのような感覚を持ってしまうのです。
私はよくピラミッドで例えるのですが、これまで何度も恋愛を経験されてきた方でも「モテ度を三層に分けたピラミッドで、自分はどこにいると思いますか?」と尋ねると、多くの方は「自分は、真ん中くらいでしょうか…」と控えめに答えます。
しかし検索画面を開いた途端、異性側の頂点の層にマッチングの申込みをしてしまう。
人の心理とは、不思議なものですよね。
しかも私が独立する以前は、「月にマッチングを申し込める人数が10名まで」といった制限が一般的でした。
限られた枠だからこそ、「どうせなら上位層へ」と考える。その結果、上位層同士しか出会いが成立せず、「入会したのに出会えない」という不満が業界全体で起きていました。
そこで私が2005年にフィオーレを立ち上げたときに掲げたのが、「きちんと出会える結婚相談所にする」ということでした。
そのために導入したのが、「無制限申し込み」の仕組みです。
申し込み自体は制限しない。ただし同時に通知する件数は5件まで。お断りがあれば次が自動的に繰り上がる。この仕組みを、自社エンジニアとともに独自開発しました。
すると次第に、自分の立ち位置や相性が見え、自然と適切なゾーンに落ち着いていく。
無理に抑え込むのではなく、体験を通じて理解してもらう設計。
これは業界で、現在も当社のみが実現している仕組みです。
人はどのように感じ、どう動くのか。その心理を踏まえ、どこに人のフォローを入れるべきかまで考え抜いた上で設計しているからです。
そしてもう一つ大きかったのは、連盟事業をM&Aしたことで私たちが連盟の運営側となったことです。
この業界では、各相談所は連盟のルールのもとで運営されます。どれほど優秀な事業者でも、その枠組みの中でしか動けません。
しかし私たちは、連盟を運営する立場となったことで、ルールを作れる側に変わった。だからこそ、自分たちのアイデアを業界全体の仕組みとして反映することができたのです。
理由② 徹底的に「お客様の痛み」に寄り添ったから
婚活で、もっとも気持ちが落ちる瞬間。
それは、まだ会ってもいない段階での「お断り」です。
無制限申し込みの仕組みを導入したことで、出会いの数は増えました。
けれどその一方で、「プロフィールを見られただけで断られ続ける体験」は、想像以上にモチベーションが削られるものです。
実際に会ってみて合わなかったのなら、まだ納得できる。
でも、会う前に否定される感覚は、傷つきますよね。
そこで次に考えたのが、「いいね(お気に入り)」の仕組みです。
申し込む前に「気になる」という意思表示ができ、相手からも同じリアクションが返ってきた時点でマッチングが成立する。そしてマッチングしたお相手にだけお申し込みをおこなう。
このワンクッションを挟むことで、一方的に断られる心理的ダメージを大きく減らすことができました。
ただ、良い出会いが増えれば、別の課題も生まれます。
複数の相手と同時並行で関係が進むことで、比較のループに入ってしまうのです。
「Aさんはここが良かった。でもBさんには別の良さがある。Cさんにはまた違う魅力がある……」
すると、“すべてを兼ね備えた理想の人”を探し続ける状態になり、なかなか結婚まで進めなくなる。
これは、現代のマッチングアプリでも起きている構造と同じです。
ですから当グループでは、一定期間が経過した段階で、カウンセラーが絞り込みを促す仕組みを設けました。
最終的な決断はお客様自身のものです。けれど、背中を押すタイミングや視点の整理は、人が介在しなければ難しい部分でもあります。
まさに、その部分にこそ人の価値があるわけです。
結婚情報サービスの紹介方法をアップデートさせた無制限紹介と、仲人・結婚相談サービスの丁寧な伴走。
両者の良さを掛け合わせた“ハイブリッド型”へと進化させていった当グループのサービスですが、その根底にあるのは、ただ一つ。
お客様の心の痛みをできる限り軽くしたい。
そして、「この人と結婚したい」と納得して思える成婚を届けたい。
その一心なのです。
理由③ 可能性に蓋をしない+データに基づいた「誠実な確率論」
「その層へのアプローチは、無理ですよ」と言うのは簡単です。
でも、人の可能性はゼロではありません。
たとえば、「年収3,000万円以上の男性と出会いたい」という女性側からのご希望があったとします。
「その条件の方はほとんどいませんから難しいですね」と一蹴することもできるでしょう。
でも私たちは、可能性がゼロではないのだから、そのお客様の意思を否定したくない。
まずは、挑戦しようという想いを尊重したいと考えています。
ただし、同時に伝えるべきことがあります。
それは「その条件での成立確率は数%程度である」という事実です。
現実の数字は、きちんとお伝えする。
その上で申し込むのであれば、たとえ結果が伴わなくても、ご本人の中で納得が生まれる。
それが、私たちの基本姿勢です。
なぜなら、自分で選び、自分で理解しながら進める婚活こそが、最終的な成婚につながると考えているからです。
極端な例を挙げましたが、すべてにおいて同じことが言えます。
「可能性はゼロではない。しかし、現実にはこういうデータがあります。」
その両方をフラットに提示すること。
それがこの業界における誠実さだと思っています。
そのために、当グループでは3ヶ月ごとにお客様に「活動レポート」を発行しています。
自分のデータ、同世代会員の平均データ、そして実際に成婚された方の平均データ。
この三軸で比較することで、自分の現在地を客観的に把握できる仕組みです。
さらに、最近リリースしたのが「温度感システム」。
交際中の男女それぞれの気持ちの温度感を可視化する仕組みで、デート当日の状況などをアプリに入力すると、双方の温度差が見えてくる仕組みです。
これにより、カウンセラー側が「今は押すべきか、引くべきか」を判断できると同時に、会員様も「自分の気持ちと相手の気持ちのギャップ」に気づき、軌道修正することができます。
「出会いの数」=「成婚」ではありません。
マッチングアプリのように出会いが増えても、「なぜうまくいかなかったのか」が分からなければ、次に活かせない。
私たちはそれをロジカルに可視化し、「どの行動が、どの結果につながっているのか」を一緒に振り返る。そしてPDCAを回しながら、成婚まで伴走する。
「その人の可能性」と「データ」の両立こそが、私たちの強みだと考えています。
理由④ 源泉にある「業界とこの仕事への深い愛」
私が担当して最初に成婚されたお客様から、いまも毎年、葉書が届きます。
今年は「子どもが成人しました」と書かれていました。
男性側も女性側も、私が担当していたお二人。
そうした葉書を手にするたびに思います。
「ああ、これが私の原点だな」と。
成婚していただき、感謝され、こちらも嬉しくなる。
対価をいただいて終わりではなく、ご縁が続いていく。
「あの出会いをつくれてよかった」と心から思える。
この仕事には、そういう心が震える瞬間があります。
全国展開を始めた頃、当連盟事業への加盟をご検討されている結婚相談所に向けて、「成婚率を高めるための当社のノウハウをお伝えする説明会」を各地で行いました。
現場の皆さんが漠然と感じている課題を言語化し、私自身がこの仕事が大好きだという気持ちでワクワクしながらお話した結果、立ち見が出る会場もあり、3ヶ月で150社に加盟いただいた時期もあります。
けれど、それは「加盟店を増やそう」という営業発想から生まれたものではありません。
ただ、
このサービスは本当に価値がある。
もっと多くの人に知ってもらいたい、使ってもらいたい。
そう信じていただけです。
私はこの業界に入って20年以上になりますが、いまでもこの仕事が大好きです。
新しい仕組みを考えている時間は楽しいですし、成婚の報告を聞けば、純粋に嬉しい気持ちでいっぱいになります。
この業界で、現場からスタートし、一定規模まで事業を育ててきた経営者は多くありません。だからこそ、現場を知り、心から好きでいる立場で、新しい仕組みを生み出し、業界のスタンダードを更新してこられたのかもしれません。
源泉にあるのは、戦略でも拡大志向でもなく、この仕事への、深い愛だと思っています。
目指すのは、「成婚率 圧倒的ナンバーワン」
「成婚率90%を目指す。」
これは、先日の経営合宿でボードメンバーと掲げた目標です。
ただ、数字そのものを追いかけたいわけではありません。
目指しているのは、一人ひとりのお客様が納得し、「この人と結婚してよかった」と心から思える成婚を増やすことです。
その結果として、成婚率が上がる。
そして、そのやり方を業界の当たり前にしていく。
私は、成婚率は“気合い”で高めるものではなく、仕組みで高めるものだと思っています。
人の心理を理解し、データを活かし、そこに人の伴走を重ねる。その積み重ねが、確率を上げていく。
この挑戦は、簡単ではありません。
けれど、私たちは必ず、成婚率90%を実現させます。
それが実現できれば、業界の景色は変わる。
そして、そのスタンダードをつくるのは、私たちだと本気で考えているからです。
この挑戦にワクワクしてくれる人。
ブライダルや婚活の世界に可能性を感じている人。
そんな新しい仲間と、これからも出会っていけることを楽しみにしています。