「女性」だから失ったと痛感してしまったあの瞬間
起業から3年が経ったとある日。出産を数ヶ月後に控え、長期にわたって契約更新をいただいていた大手企業に、メンバーと一緒に引き継ぎのご挨拶をしにいきました。数年間、ずっと契約を更新いただき、非常に満足度も高いクライアントでした。
結果は、突然の解約。そのタイミングで私たちが何か大きな失敗をしたこともなく、タイミングは私の出産と完全に重なっていました。直接的な言葉はありませんでした。でも、理由は明白でした。
その機会損失は、数千万円にのぼります。
私たちが何か失敗をして、契約が終わってしまうなら、とても納得できます。しかし、今回のことは、なにも落ち度がない。私が出産をするだけ。
今は思っていませんが、当時は「私が男性だったら、私が旦那側だったら、こんなことは起きていない。やはり、女性だからこんなことが起きたのだ」と、自分の性を責めずにはいられませんでした。
産後3日で仕事復帰
創業期だった私たちにとって、そのクライアントからの売上は非常に大きく、会社自体が危機に陥りました。会社の役員は雇用保険というものがないので、そもそも「産休育休制度」の対象外ということもありましたが、会社がそんな状態になっている以上、休んでいる暇はありません。
出産当日にも2件会議が入っていて(こちらは流石にリスケしました笑)、出産が終わって3日後には、病室で仕事を再開しました。医者や看護師のみなさんには、散々怒られましたが、そんなことを気にしている暇もありません。
なぜこんなことが起きたのか?自問自答する日々
私自身が経験した、この強烈な出来事は、私たちの会社とそのクライアントだけの問題でしょうか?妊娠中に動けない間、この問題の本質はどこにあるのか?というのを、自分自身に問い続けました。そして1つの答えとしてできたのが、
「日本の社会構造」
でした。「妊娠出産=キャリアの停滞」「育休入るなら昇進はなし」「育児で時短の人は重要な仕事を任せない」という日本に強く根付く、社会全体の問題です。驚くべきことに、米国の企業では、育休に入る直前でもマネジメントへの昇進が言い渡されたりします。
日本はあらゆる面で欧米諸国から遅れをとっていると言われますが、ことダイバーシティ経営や女性活躍という側面において、私はまるで旧石器時代を生きているような感覚です。
「女性活躍推進法」が制定されてから10年ほど経ちましたが、日本は変わっているのでしょうか?諸先輩方の努力もあり、変わっている部分もあります。が、あまりにもスピードが遅すぎます。もう私たちの次の世代に引き継ぐ時が、そこまで迫っているのに、この社会課題はいまだに放置されたままです。
企業が成長するために「女性」の力は必要不可欠
ある程度の企業規模になると、性別だけでなく、ジェネレーション(年齢)など、さまざまな多様性がなければ、イノベーション(革新)は起こしていけません。そこで私たちは「企業の成長」と「社員の成長」どちらも実現する、次世代の女性リーダーを育成する「SHEVolution」を立ち上げました。
そして、そのプログラムの発信の場所として、同時期に企業のサスティナビリティを表彰し、そのベストプラクティスを社会実装する「ESG WOMEN'S AWARD」も立ち上げました。
肩書きに、「女性」のない世界を、あたりまえに。
私たちは日本社会の多くの次世代の女性リーダーを輩出することで、「女性管理職」「女性役員」「女性社長」という言葉がない世界を目指しています。「女性社長」「女性役員」「女性管理職」。
いまはまだ、「女性」とつけなければ見えない不均衡があります。ライフステージと向き合いながら、自分の力でキャリアを切り拓く。 そんな人材が、次世代のリーダーとして、これからの企業成長、そしてその先の社会の発展を大きく加速していきます。
私たちのビジョンを実現するため、メンバーを募集しています。ご興味のある方は、ぜひお話ししましょう!
代表取締役 田口 利奈