2021年に開業したHOSTEL ALA。人口1万人の過疎地、観光資源もない宮崎県都農町で宿泊施設をつくるのはとってもむずかしい〜。
最初から、一般的な観光客は期待せず、自分たちが実践しているまちづくりをテーマに、町内外の交流拠点としたくてコンセプトは「まちづくりホステル」に。
とはいえ、株式会社として利益を出さなければ生きていけないため、無人オペレーションやADDressさんとの提携をはじめ、あの手この手で収益確保し、開業以来、黒字はキープ。
ただし、ちょろっと儲かるだけのことに意味があるはずもなく。
もっと町にとって、ぼくらにとっても存在価値を高められるよう、すぐできるチャレンジをはじめています。
1.リモートワーカーの居心地
一つめのチャレンジは、安定収入ほしさに賃貸住宅としてしていた部屋を、攻めの客室、ツインルームにセルフ改装して販売開始。
ALAを経営して、予想外に多かったのが家族連れや2人連れ。
もともとドミトリーを中心に構成していたので、2人連れ以上の方はトレーラーホテルしか選択肢がありませんでした。
プチ改装の予算はないに等しかったので、家電や家具など、ぼくをはじめ社員の持ち込み品を中心に。インテリアや内装は、建築士の社員と建築学科の大学生インターンで完全内製化。
1泊1室で8,000円なので、2人で泊まれば1人4,000円。
ウィークリープランで6泊だと24,000円。1人2,000円になる計算。
いま、日常的なALAのゲストは、ADDress会員さんがメイン。
3泊以上する方も多く、ぼくらや町の人とも親しくなりやすいので、もっとリモートワーカーが来てくれるのが理想。
ぼくらが平日、ほぼ毎日対応している中学生の「まちづくり部」の中学生たちにも引き合わせるとお互い新鮮な刺激があってWin-Winな感じが。
2.町のリアルを体験するスタディツアー
ALAの大きな収益源となっている「まちづくりスタディツアー」。
探究を強化している東京の新渡戸文化高校や、京都市立日吉ヶ丘高校は、すでに3回、都農町に来ていただいています。
新渡戸文化高校の高校生は、1人で3回連続来訪。
地元の南国プリンを好きになりすぎて、東京の文化祭でなんとなんと1,000個も販売してしまうほどに。
今年度は、はじめて企業の新規事業研修で、サントリーや三菱重工グループなど、大企業の社員さんたちがALAに滞在、廃校を活用したサーキュラーエコノミーの新規事業について、話し合いと提案を実施しました。
都農町の小中学生も一緒に入って、小さなカオス。
ふだん大都市の大企業につとめている人たちにとって、1万人の過疎地で事業を創るのははじめての経験。普段と違う脳みそを駆使して心地よい疲労感も。
来年度からは企業に加えて、教職員向けのプログラムを企画し新たなチャレンジにしていきます。
昨年、教職員向けのプラットフォーム「先生の学校」で、高校の先生に取材、記事にしていただいたことがきっかけの一つ。
年明け早々、取材いただいた高校の先生がALAに泊まりに来てくださり、探究やこれからの教育について、話が尽きませんでした。
ぼくらが都農町で実践している中学校の総合・探究学習や、地域クラブ「まちづくり部」やゼロカーボン推進チーム「GreenHope」の取り組みをコンテンツに、先生たちと話し合いを深められると、ぼくらにとってもありがたい場になるなと確信しています。
高校・大学から、企業、教職員と、ぼくらの実務に接点があることを共通項に、より多くの町外の方々に都農町へ来てもらうことを目指します。
3.泊まりがけであそびたくなる環境
さらに、春からは、5,000㎡の敷地の魅力を最大化できるよう、町外から泊まりがけで遊びにきてもらえる仕掛けを毎月していこう!と、ただいま絶賛企画中。
(仮称)「ALAパーティー」と題し、夜ピク、BBQ、上映会、Dr.サウナ、プチ座談会、夜ヨガ、焚き火など、どこでもできるようでいて、意外にきっかけがない軽めの飲みや遊びを泊まりがけで楽しんでもらおうと考えてます。
都農町はもちろんのこと、宮崎県内でも気軽に外で飲み食いできたり、都市でいう「ビアガーデン」の類いが少ないなと、暮らしてての実感。
飲食店でもないぼくらができることに限りはありますが、まさに持ち込み可のピクニックスタイルであれば、毎月続けられるかなと。
移住したての子育て世代や、町内の20代、30代は、気軽に町外の人と話せる場を求めるニーズは確実にあります。
車社会の地方だからこそ、1泊3千円台で泊まれるホステルが果たすべき役割は、代行呼ぶぐらいなら泊まりがけで飲んでしゃべれる環境の提供かなと。
酒を一滴も飲めないぼくが言うのもなんですが。。
シラフでしっかり運営に集中します 笑。
4.まちづくりホステルの意味
前職でホテルを20件近く企画設計して運営していました。その観点からすると、HOSTEL ALAは宿泊施設としては市場・事業的に成立しない感じ。
ただし、それはあくまで建物の中でどれだけ部屋の稼働率を高め、客室単価をあげられるかという方程式において。
過疎地でつくりたいホステルは、稼働率と客室単価以上に、その敷地内で、町内外の人がどれだけ出会えて楽しく過ごせたのかを指標にしたいです。
さらに具体的には、都農町の子どもたちが、日ごろ自分の行動半径にはいない町外の人と楽しく話せて、刺激を受けられたら、まちづくりホステルを経営する意味がある!ということが当面の目標です。
以上の企画を実現させるために、大学生インターンの力が必要です!ぜひ!
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