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僕が「鳥取県でキャンプ場」を始めた本当の理由

僕は鳥取県でアウトドア6拠点10事業の会社を経営しています。もともとは結婚式屋です。

先日、氷ノ山(鳥取・兵庫・岡山にまたがる国定公園の中核の山)でのアウトドアツーリズムをスタートするリリースをして、またギアを上げていこうとしているところです。

自然の宝庫・氷ノ山を鳥取アウトドアツーリズムの3県にまたがるゲートウェイに!わかさ氷ノ山3施設の運営を10月1日スタート 中一&スマイルカンパニー株式会社のプレスリリース(2023年10月5日 09時42分)自然の宝庫・氷ノ山を鳥取アウトドアツ prtimes.jp

「アウトドアツーリズム」とはなにか?

それは、鳥取県氷ノ山では冬はスキー・スノーボード、春から秋までは登山やキャンプ、さまざまなアクティビティによって、西日本では珍しい樹氷や固有種を含む動植物など、豊かな大自然を誰もが年間を通して気軽に楽しむ旅行のことです。

鳥取でキャンプ場を運営している僕らが描いているのは「鳥取の自然と遊ぼう」という世界観。

日本屈指の名峰・大山と氷ノ山。清流で知られる日野川や浦富海岸などを代表とする日本海。大自然がある鳥取に「アウトドアツーリズム」という流れをつくって、鳥取の自然をもっと楽しむために、県外や海外からも旅行にくる状態がつくれたら素敵だな、と思っています。

「官民一体」を実現する

僕たちが運営するキャンプ場やアウトドア事業で特徴的なのが、「官民一体で」取り組んでいくところ。企業が町や市と「ともに」運営するのです。

代表的なものだと「指定管理者制度」や「PFI事業」がこれにあたります。

キャンプ場は市の施設だったり、無料の公園のイメージが強いと思いますが、具体的にどんなふうに運営されているのかは、これまでほとんど知られていなかったのではないでしょうか?

僕は2007年に起業して以来、ずっと「マーケティング」をやってきました。ホテル再生事業から始まり、名古屋で「ブライダル」のサービスを立ち上げました。今では神社での「神話婚」を鳥取や島根の山陰中心にご結婚式をサポートさせていただいています。

「結婚式の次に、おじさんになった自分に何ができるかな?」

そう考えた結果、出てきたのが「アウトドア事業」でした。もともとキャンプや山登りが好きで、自分の好きなことでチャレンジしてみよう!と思ったのがきっかけです。

ここまで約5年間、鳥取県内でキャンプ場をはじめ6拠点10事業を展開していますが、まだまだやれることがあるので(日々やりたいことが溢れています笑)、もう少し丁寧に説明させていただきたいなと感じました。

そこで今回のnoteでは、鳥取県でのアウトドア事業が、どういうビジネスモデルで、どういう未来を目指しているのか?について詳しくお話ししたいと思っています。

鳥取の大自然の立ち位置は、どこなのか?

みなさんは鳥取県に訪れたことはありますか?

鳥取県と言われたら、何を思い浮かべるでしょうか?

「砂丘?

…以上。」

たいていの鳥取へのイメージです。すこし詳しい方だと大山や、空港の名前にもなっているゲゲゲの鬼太郎の作者の水木しげるさんの出身地であることが思い浮かぶかもしれません。

そう、鳥取の立ち位置は”それくらい”なんです。くわえて鳥取県は日本で一番人口の少ない県です(約54万人)。

これらはけっしていいことではないでしょう。人が少ない上に、なかなか人が思い出しづらく足を運ぶきっかけが思い浮かばないことは大きな問題でもあります。でも本当はもっとたくさんの魅力があるんです。

それが最初にもお伝えしたとおり「大自然」なわけです。

運営する「わかさ氷ノ山キャンパーズヴィレッジ」がある若桜町は、人口約2,700人しかいない小さな、小さな町です。でもそんな小さな町のキャンプ場に現在年間約5000人が訪れていて(キャンプ場前年比200%以上)、その約半数が「大阪府」や「兵庫県」など関西圏からのお客様です。

ここに鳥取の大自然のポテンシャルがあるわけです。

「年間を通して鳥取の自然で遊ぶ」というご提案

そこで、こう考えてみるのはどうでしょうか?

コロナが拍車をかけた昨今のキャンプブーム、ある程度落ち着いてきてはいますが、若者の間で流行ったことで、小さいころからキャンプやアウトドアの楽しさを知る子どもたちは少なくありません。運営するキャンプ場も若者やファミリーキャンプがメインです。

人口減少が叫ばれ、地方の若者が減っている事実はなかなか変えられませんが、それでも大人になって家族ができたときに、子どもと一緒にキャンプをしようと思う人もいるでしょう。

僕らが提案しているのは「普段は都会で過ごしながら、年間を通して鳥取の自然で遊びにまた訪れる」ということです。

たとえば若桜町にあるわかさ氷ノ山キャンパーズヴィレッジではだいたい4月から10月まで標高900mのキャンプ場で、夏でも比較的涼しくキャンプができる。

12月〜3月までは雪が積もり、スキーやスノーボードをして遊べる。ということは、年間を通してずっと自然の中でのアクティビティを楽しめることになります。

もちろん同じキャンプ場やスキーに一年のうちに何度も行くことにはなりにくいですが、「夏休みの旅行と、年末年始の冬のアクティビティ」で考えると来年もまた訪れる場所になる可能性は高いと思うのです。

「サードプレイス」としてのキャンプ場

しかし運営するキャンプ場は、若桜町の「わかさ氷ノ山キャンパーズヴィレッジ」一ヶ所だけではありません。他にも南部町の「緑水湖オートキャンプ場」、琴浦町の大山の国立公園内にある「一向平キャンプ場Nature Sauna」、日野町の「鵜の池公園キャンプ場リバーサイドひの日野川キャンプスクエア」、米子市の「弓ヶ浜BBQPark」など鳥取県内各地にキャンプ場やアウトドア施設があるので、また違う場所や自然の中で、違った雰囲気のアウトドアを楽しむことが可能です。

仮に何年間か同じキャンプ場に行ったとしても、「次はあそこのキャンプ場に行ってみようか」となったり、「今シーズンはもう一ヶ所にも行ってみよう」と楽しみを増やすこともできます

また最近ではキャンプ場の運営をやってみたいと会社員をしながら週末に副業でアルバイトをする人や、自身の出身地でも同じようにキャンプ場を開きたいという想いを持った仲間も増えてきています。

僕たちができることは、また訪れたくなるサードプレイスをつくる※ことと、大自然がある鳥取県がただの旅行地ではなく「再訪する場所になる」という新しい価値をつくることかなと思っています。

(※僕らのアウトドアチームにいる仲間については、また今度別の記事にまとめて書きたいと思います。)

キャンプ場が単なる場所ではなく、「また次も来ようと思える場所」。多くのキャンプ場や拠点があることで選べる選択肢をつくっていきたいです。

結婚式場としてのホテルやオフシーズンのビジネスモデルを再考する

僕はホテル再生事業とブライダル結婚式の会社を経営してきたので、その中でホテル経営にも携わることがよくありました。

くわえてアメリカで過ごした経験もあり、キャンプカーでのキャンプなどとにかくアウトドアが大好きなんです。

そこで気づいたのが、キャンプ場のランニングコスト。

ものすごく当たり前なホテルの前提ですが、とにかく綺麗であることが求められています。特に日本は徹底したベッドメイキングや接客などのホスピタリティが高く評価されています。本当に素晴らしいし、僕も見習わないとなと身が引き締まります。

対してキャンプ場は…?と考えてみるとどうでしょう。

もちろん運営するキャンプ場でも徹底して清掃をしています。綺麗で清潔であることはホテルであっても、キャンプ場であっても、気持ちのいいことです。

ただ圧倒的な違いは、キャンプ場は自然の中にあるということです。土もあれば、草も生えています(夏の草刈りは大変です、、)。バッタも、カエルもいます。風も吹けば、雨も降りますから、多少の汚れや落ち葉があることが当たり前なんです。

もうひとつは、経営体制についてです。

先にもお伝えしましたが、キャンプ場は公営であることが多いです。いわゆる市や町が団体や民間企業に委託して運営をしている状況です。

ただ実質的に「経営されている」と言われる場所は少なく、管理棟やトイレも何年も前からの古いものばかりだったり、利用者数も数える程度しかいなかったそうです。

ここで「もったいない」と直感したんです。

ホテルを通して改めてキャンプ場のビジネスモデルを見てみると、どうしても「もったいない」部分が出てきてしまう。地方には、都会にはない自然という魅力があるなら、これを感じてもらわないともったいないと思いました。

「もったいない」日本文化や神社仏閣に通じる和の心

僕が経営するブライダル会社の神話婚について、少しだけお話しさせてください。そこの宮司さんとのお話です。

「こんな素敵な神社があるのに、結婚式ができたらどれだけいいだろう。もったいない。」

そう思って、この神社で結婚式をしませんか?と神社の宮司さんにお話に行くわけです。僕たちは神社で結婚式をしたいというご夫婦のために、神社で結婚式をするサポートが仕事ですから、いい神社があれば、ここでやりたいと営業をするのは当然のことです。

でもみんな、すぐに宮司さんに営業をしてしまう。もしかしたら営業とは一番かけ離れた方たちかもしれないのに。

だからまず、ちゃんとお参りさせてもらうんです。和の心を大事に、まずは神社にお参りをして、話はそれから。

「都築くん、ありがとう。君になら任せたいと思うよ。」

もったいない。けれど、いつだってその前に、和の心。キャンプ場の運営にも生きている部分です。

いきなりキャンプ場の指定管理者は任せてもらえなかった

ブライダル事業をしながら、僕は僕でアウトドア事業を始めよう!と思ったわけですが、その時点でキャンプ場が運営できるわけではありません。

そこで市役所や自治体の出している公募に応募します。つまり複数の応募団体の中から、自治体所有のキャンプ場を運営する団体が選ばれるということです。

徹底的に数字を計算して、より届くようにPR方法を考えたプランだったのですが、蓋を開けてみれば落選。そのときに「なるほど、ここは地方。関係性がとっても大事な場所。地方には地方のやり方があるんだ」と気づきました。

最初の公募はダメでしたが、「琴浦町の緑水湖オートキャンプ場の指定管理者の公募があるみたいだよ。」とご縁でお声がけいただけました。

ただ公募を決める自治体の委員会の方々からは「結婚式屋がキャンプ場運営?なぜ?」「キャンプ場を結婚式にするらしいぞ」などいろいろと思われていたようです。

だからこそ余計に、まずはここからだと思ったので、南部町に法人を起こしました。その地域に少しでも還元していこうと思ったのです。

いまでは鳥取県内に6拠点ありますが、どの地域にもそれぞれに新たに法人を起こしていますし、JV(ジョイント・ベンチャー)のスタイルを取ったのも、愛知県から来た部外者でも、結婚式屋でもなく、地域の企業と一緒に進めていくことで、町の人と一緒につくる姿勢、町の人たちも訪れたくなるような応援してもらえる場所にしたいと思ったからでした。

「民間だけ」じゃダメなのか?

指定管理者としてキャンプ場を運営するビジネスモデルを説明すると「自治体に頼らずに、民間でやればいい」と言われることもあります。

でも指定管理者も、かなり運営は大変です。施設が古かったり、そもそもHPなど検索して来てもらえる導線設計もないことがほとんどです。行政の建物や持ち物だとなかなか建て替えたり手を加えることができないケースも多くあります。

それでも指定管理者として運営することの良さはなんなのか?

それは、自治体が町のためにおこなう「公益性」と、僕ら民間企業が持っているPRノウハウや運営オペレーションを用いて生まれる「利益性」が掛け合わさることで、一企業、一自治体では成し得ないスケールでの遊休資産を活用した”地方創生”や”関係人口の増加”を実現できます。

実際ほとんどのキャンプ場で前年比200%の利用者数に増加していて、日本最大級のキャンプ場検索・予約サイトの「なっぷ」でも口コミ総数300件を記録。中国・四国エリアキャンプ場で最多口コミを獲得しました。見つけてお越しくださる皆さまに本当に感謝しております。

指定管理者制度を活用し官民一体となって協働することで、自治体としては関係人口の増加、それに伴う町内施設(宿泊所や道の駅など)への流入が増え、僕たち企業としても円滑に運営ができ、お客様としても新たなアクティビティの選択肢と、自然の中で過ごす有意義な時間を得ることができます。

まさに「三方よし」なんです。

地方が賑わうためには「再創出」です

一つ指定管理者としてのキャンプ場の成功事例ができると「うちのキャンプ場も運営しませんか?」と自治体からお声がけいただけることも増えていきます。

ただし、どこであってもうまくいくわけではけっしてありません。

民間企業である僕たちも本気で取り組むのだから、担当者をふくむ自治体の方々と一緒になって取り組んでいく必要があります。

大事なことは、再創出です。

地域にあるものを見つめ直し、いいものを、より良い状態にして見えるようにして魅せる。新たな価値を再創出していくわけです。

今回は「古いキャンプ場に、国立公園内初となるフィンランドサウナをオープン。予約200組待ちの施設へ。」することができました。

事業自体がうまくいかなっかり、時にぶつかったり大変なこともありますが、地域に訪れる人の笑顔が増えることが巡り巡って、2021年の地方公務員アワードで鳥取県内初受賞者が生まれたのです。

『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2021』、全国から10名の地方公務員が受賞 株式会社ホルグのプレスリリース(2021年8月17日 08時40分)『地方公務員が本当にすごい!と思う地方公務員アワード2 prtimes.jp

アウトドアと地方が好きな人に届けたい

ついビジネスの話が多くなってしまいますが、本当に見てもらいたいことは「大自然」です。

夏の山も、海も最高に気持ちがいいですが、冬の鳥取の山の壮大さに圧倒されるはずです。鳥取には何もないのではなく、鳥取には大自然を楽しむアクティビティがある。そこを感じてくださる方に、何度も訪れていただきたいと思っています。

いま鳥取のアウトドアに興味を持って頂いてる方たちは、「本当に自然が好き」といったみなさんです。

都会や海外、綺麗なホテルもいいけれど、鳥取だからこそ味わえる自然もいい。キャンプやスキー、そのほかにもサウナやBBQ、自然体験プログラムなど充実したアクティビティを感じてもらえれば、他にはない魅力であるとわかってもらえるはずです。

実際にキャンプ場がまた新しく生まれ変わって、たくさんの人たちにご来場いただけました。「これならまた来たくなるな」と感じてもらえている。

今冬はスキー場も始まります。ぜひ冬の氷ノ山にもお越しいただいて、大自然を楽しんでいただきたいです。

僕らが考えるこれからの地方の生き方

鳥取県を、また来たくなる場所に。

それが僕らのつくりたい未来の地方です。

ひとつのキャンプ場に来れば、他にもある、あっちも行ってみようと「選択肢」が生まれます。

普通は、同じところに行きがちですが、同じテイストでありながらまた違った雰囲気を味わえるキャンプ場を楽しんでもらえます。

こうやって次はどこでキャンプしようかな?と考えるだけで週末が楽しみになってしまいます。

今は鳥取県内ですが、いずれは今ともに働いている仲間たちが、各々の地元ややりたい場所でキャンプ場をつくることになるかもしれません。そしたら僕は鳥取だけでなく、日本中のキャンプ場の住民になれちゃうなと妄想しています。

同じようにお客さんの中でも、鳥取のキャンプ場の人が、あそこでキャンプ場を開いたみたい!と、また行きたい場所が増えるわけです。

また行きたい場所になるためには、協働が必要

少し長くなりましたが、ここまで読んでくださりありがとうございます。

僕が「鳥取でキャンプ場」を始めた本当の理由。

きっかけは「アウトドアが好きだから」ですが、それだけではなくて、これからの地方の生き方、地方の魅力、そのものをつくっています。

そして、そこには「協働」が必要です。

県や市、町が抱える問題をともに解決する仕組みが必要だった。それは決して「企業が利益を得るため」ではなく「生かさないのは、もったいない。地方の魅力を引き出し、賑わいをもたらすため」です。

「自治体と民間企業がともに地域の魅力を見つめ直し、ともに届けていく」という仕組みが続いていかないと人はもう訪れない。そうでないと、地方はどんどんと人がいなくなり、町自体がなくなってしまいます。「お互いができることをする」ことが、地方が存続することにつながる仕組みがあるから、賑わいが実現できる。

利益性と公益性はけっして矛盾しません。というより、利益性があるから、地方の賑わいが実現できると考えています。

何もせずに待っていても人は減り、町はなくなってしまう。自分たちが儲かることだけを目指しても、また訪れたいと思える場所にはならない。地方が思い描く未来と、企業だからできる魅せ方が両立してこそ、新しい地方の生き方が生まれる。鳥取県の大自然を今日も感じながら、まずはここ氷ノ山でアウトドアツーリズムの波を起こしていきます。

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とっとりキャンプでは、「鳥取の自然で遊ぼう」をミッションに、一緒に働く仲間を大募集中です。詳しくは下記リンクからご連絡ください。

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【11月15日~】自然豊かな日野町の宿泊施設&キャンプ場で働きませんか⛺? 基本的には宿泊施設、キャンプ場のお仕事のお手伝いになります。 午前中は宿泊施設の掃除や草刈り、昼は宿泊施設(リバーサイドひ otetsutabi.com高原の宿氷太くん・スキー場・キャンプ場 2023年春、時代のニーズに合わせリブランドを実施したキャンプ場。 氷ノ山(ひょうのせん)は鳥取県若桜町と兵庫県養父市の県 otetsutabi.com鵜の池公園キャンプ場 鵜の池 は鳥取県日野町の山間、標高420mの地点にたたずむ古来の自然池。 この静かな湖畔のキャンプ場をキャンプのプロが運営 otetsutabi.com一向平キャンプ場 2020年6月にリニューアルオープンしたキャンプ場です。 名峰大山(だいせん)のふもとにあり、海も山も近いロケーション。 otetsutabi.com


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