今回は、次回に引き続きクラフトディレクター岡田さんのインタビューです。クラフトディレクター職で入社した社員第一号である岡田さんから、NineCraftとクラフトディレクターの面白さと、難しさ、そしてどのような人が活躍できるのかについて、詳しくお話を伺いました。
------Head of Craft Director 岡田 将孝
- 株式会社博報堂プロダクツ(2012年4月〜2018年6月)
- CM制作事業本部 ➔ 統合プロデュース部(博報堂出向)
- 株式会社サイバーエージェント(2018年7月〜2021年12月)
- インターネット広告事業本部 ブランドクリエイティブ部
- ラクスル株式会社(2022年 ノバセル事業部が子会社化)(2021年1月〜2024年9月)
- クリエイティブプランニングG
NineCraftでの働き方 - 「ソリューションが決まっていない」面白さ
ー 代理店時代と比べて、仕事の仕方に違いはありましたか?
岡田: はい、大きな違いは、ソリューションが決まっていないところですね。
NineCraftでは、「問題定義、課題設定し、そこからアイディアを出していく」という一連の工程が商品なので、別に手段は何でもいいんです。例えば、今ブランドの問題として、在庫が足りないならそれに向き合っていくし、経費削減ならそれに対応するし。そのやり方が決まっていないのが、すごくいいなと思っています。スポット的な「広告」だけの関わりではなく、ブランドと組織にピュアに向き合っていくんです。
その分、何が一番良いアイディア(解決策)かを考える必要があり、大変な面もあります。例えば、私が代理店にいたときは、テレビCMを作ればいいわけですが(それを求められていたので)、NineCraftはそうではない。ブランドに向き合って解決しなきゃいけないという責任はあります。
ただ、面白さでいうと、全く手口が決まっていないことがめちゃくちゃ面白いです。問題の本質がどこにあるか、どう課題設定をすれば良いか。そこからアイデアを出す、というプロセスをとことんやれるのは面白いですね。なんでもできますから。
お客様との関係性も違います。代理店時代は役割が決まっていましたが、今はブランドの中の人、というか、お客様とほぼ同列でやっている感じです。なので、お客様もラフな感じで相談してくれます。「こんなこと最近あったんだけど、どうしたらいいかな?」みたいに相談してもらえるのは、良い関係性になっているなと思います。
ー 入社されてから感じた苦労や悩みはありますか?
岡田: 一番の苦労は、すぐに型にはめたがってしまうことでした。元々役割が決まった仕事の仕方をしてきたので、解決しやすいところに飛びついてしまいがちでした。鄭さん(社長)と話していて、「それって本当にそこが問題なの?自分が解決しやすいところに落としこんじゃってるんじゃない?」と言われて、問題の本質まで至る思考や考え方は、トレーニングしないといけないなと感じました。アンラーニング、つまり凝り固まった思考法を解くことが必要なんですね。スムーズだから、楽だからというところに飛びつかないようにする。
ソリューションがないからこそ、ちゃんとブランドの方に向き合わないといけない。そうでないと、結局「いい打ち合わせができたね」「いいアウトプットができたね」で終わってしまう。安易な解決策に飛びつく気持ちを抑えないとって今でもそこは意識をしています。
クラフトディレクターのこだわり - 「意志」を引き出すコミュニケーション
ー クラフトディレクターとして、一番こだわっているポイントは何ですか?
岡田: やはり、私が一番最初に感じた**「意志を感じない仕事」がすごく嫌だった、という部分**です。みんながとにかく納品モードになってしまうことに違和感があった。
だから、みんなに意志を出してもらうということにこだわっています。そして、意志は出してくれと言ってもすぐに出るものではないので、それを出してもらうように、引き出せるようにファシリテーションするのが、結構頑張っているところですね。意志が出たらそれに答えればいい、という単純な話ではない、という難しさもありますが。笑
一日のスケジュールと、社内ミーティングが多い理由
ー 岡田さんの大体の一日のスケジュールについて教えていただけますでしょうか?
岡田: そうですね、平均的に言うと、社内ミーティングが3つ、お客様との打ち合わせが1〜2つ、という感じが多いですね。それ以外の時間は、だいたいクラフトタイムと呼んでいるのですが作業時間に充てています。
ー なぜ社内ミーティングが多いのですか?
岡田: やはり、クラフトディレクターだけでなく、プロジェクトサクセスやクリエイティブディレクターなど、みんなが多様な視点と責任範囲を持って仕事をしているからだと思います。役割分担というよりは、ここに責任感を持とう、という共通の価値観で仕事をしているので、社内で話すことで、自分が担当する部分が本当に問題ないか、より肉厚になっているか、というのを練り上げることができます。
また、NineCraftでは、すぐに答えにたどり着かないように、具体と抽象を行き来して、ちゃんと考えが洗い出せているか、ということを大事にしています。これは一人ではできないんですね。自分が持っていない視点や、他の人の責任範囲から出てくる意見が、お客様の課題解決にすごくヒットすることもあるので、社内での話し合いはすごく大事だと感じています。みんなが顧客のための問題解決に強い責任感を持っているから、ミーティングが多くなるのかもしれません。
迷った時に助けられる安心感 - みんなが問題解決の「ガチ勢」
ー ソリューションが決まっていないことで迷うことも多いかと思いますが、困った時はどうしていますか?
岡田: 問題解決なので、確かに絶対迷うんですよ。迷ったら、だいたい社長に相談できます。社長は自信満々に「こうだよ」と方向性を示してくれるので、最終防衛ラインとして聞けるのは、最後の心の支えになります。自分がいくら考えても分からない、となった時に聞けるのはすごくいいですね。代理店時代は、役割がカッチリ決まっていて、担当外のことは聞けなかったり、たらい回しにされることが多かったんです。**NineCraftでは、みんなが「ガチ勢」**でやってるので、誰に聞いても、その案件以外のことであっても答えてくれる。みんながお客様に対して責任範囲をまっすぐに向けていて、責任範囲が重なる部分が多いので、相談して誰かに冷たくされたことは全くないですね。みんなが真剣に取り組んでいるから、社内ミーティングも意味があると感じます。
こんな人はぜひNineCraftへ - 広告業界出身者へのメッセージ
ー 最後に、岡田さんのこれまでのご経験も踏まえて、NineCraftはどんな人におすすめか、メッセージをお願いします。
岡田: 特に、広告代理店出身者で、これまでの仕事のやり方に何かしらのアンフィットを感じる方は良いんじゃないかと思います。「クライアントワークで、なんかそういうことじゃなかったと思うんだよな」と感じている人ですね。「お客様との関係性に悩んでいる」「ご機嫌取りばっかりだ」「全然会ったことのない人の話しか聞かず、コミュニケーション無しで案件が進む」そういうことに違和感を感じている人は、一度NineCraftの話を聞いてみてもいいかもしれません。うちはそこにすごくこだわってやっているので、きっとしっくりくると思います。
私自身、社長の話を聞いてグッときて入社しましたが、仕事をしていても、さらに面白くて、深くて、広がっていく感覚があります。入社前に言っていたことと違う、というギャップは全くないですね。
岡田さん、貴重なお話をありがとうございました!