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スポーツエンターテイメント株式会社(スポエン)は大阪と青森に支社を展開するマーケティング支援会社。「スポーツ業界の金銭流通の良好化を進める」をコンセプトに、あらゆる種類のスポーツチームやスポーツ運営団体へのサポートを目指しています。
日本のスポーツビジネスを、持続可能なものへと昇華させ、その延長線上として持続可能な社会を作るきっかけを創出するのが目標です。今回は、その1つの取り組みである事業「スポアシ」について深掘りします。
中川 喜正 / 代表取締役社長
1社目でコールセンター事業のノウハウを身につけ、2社目で同じくコールセンターの新事業立ち上げに関わり29歳で役員に。東証上場直前に独立し、スポーツビジネスを盛り上げることをミッションに掲げるSports Entertainment株式会社を設立。
「スポアシ」事業を始めた背景は、スポーツ業界の負を解消するため
ーースポエンはどのようなことを行なっている会社ですか?
スポエンの基本理念は「スポーツビジネスをブーストさせ持続可能な社会の実現に貢献する」です。スポーツ運営にはお金がかかるにもかかわらず、マネタイズが難しく、苦労している選手やチームが少なくありません。そのサポートとして「スポアシ」が、スポーツチームのマネタイズをサポートするメイン事業となっており、弊社がスポンサーとなる企業とチームの仲介を行います。
ーー「スポアシ」の事業コンセプトについて教えてください。
基本コンセプトは、「スポーツ業界の金銭流通の良好化を進め、企業と個人をつなぐプラットフォームを作ること」です。
日本のスポーツはローカルなスポーツチームの活動によって支えられています。しかし、スポーツに情熱を持つ人のボランティア精神で維持されている部分も多く、経営・維持に苦労している団体も少なくありません。費用面がとくに顕著で、ほとんどのチームの収入源は選手からの会費のみでまかなわれており、補助金などが利用できるケースはまれで、多くのチームは資金難から設備や指導者に回すお金がないのが現状です。
「スポアシ」は、運営に苦しむローカルなスポーツチームがスポンサーを獲得するサポートをいたします。現在動いているスポーツはサッカーや野球ですが、最終的には各スポーツで全国1,000以上のチーム支援をしていきたいと考えています。
ーー事業を開始した背景について教えてください。
私は元々プロサッカー選手を目指すくらいスポーツに打ち込んでおり、たくさんのことを学ばせていただきました。そのスポーツへの情熱や感謝の気持ちをスポーツ業界を盛り上げることで還元したいと考え、最初はチーム経営など、事業をやる側になろうと思ったのですが…。お金の流れなどをシミュレーションしてみると、スポーツ業界自体のお金周りが悪く、経営を軌道に乗せられるイメージがうまくできませんでした。
そこで視点を変えて、スポーツ事業をサポートする側のビジネスを考えました。もともとコールセンター事業で、あらゆる企業をサポートしてきたので、そのノウハウを活かせると思ったのです。そして、最終的には、このお金周りの悪いスポーツ業界を変革させたいと考えています。
実は、今盛り上がっているサッカー漫画の「アオアシ」にあやかって、サービス名を「スポアシ」にしました(笑)。スポンサー獲得をアシストするという意味が込められています。
ノーリスクでスポンサーを獲得できる!企業もチームもWin-Winとなる事業モデルとは?
ーー「スポアシ」の事業内容を教えてください。
全国のスポーツスクールやローカルチームに対して、企業スポンサーを見つけてマッチングさせるサービスです。双方に明確なメリットが発生するよう、事業内容にはこだわっています。
ーー具体的にスポーツチーム側のメリットには何がありますか?
まずは、スポンサーができることで運営維持費の問題を解決できます。ほとんどのスポーツチームは、月謝以外の財源確保が難しいのが現状で、チーム運営に支障が出ているケースも増えてきています。
地域のスポーツチーム単体の取り組みでは、大きな支援獲得は厳しい現状です。さらに今後は少子化が加速し、チームの維持自体も難しくなることも予想されるでしょう。
そんなチームに対し、スポエンがスポンサーを見つけます。チームに取り組んでいただくのは、セミナーの集客とSNSプレゼント企画への参加だけ。チームに所属する子供達の保護者を対象に、セミナーに参加いただくように促していただきます。プレゼント企画に関しては、スポエンが企画した催しに対しての応募単価をレベニューシェアする形でマネタイズを実現します。
ここでポイントなのが、チーム側に負担していただく費用が0円ということ。初期費用・月額費用・成果報酬など費用負担は一切ありません。ノーリスクで年間100万の運営費用をスポンサーから得られる、と言ったところが最大のメリットですね。
また、弊社が提携しているスポーツメディアによる取材も受けていただき、新規メンバー獲得やチームのブランド力アップをサポートいたします。
現在、提携しているスポーツメディアは下記です。
ジュニアサッカーNEWSは、ジュニアサッカーに関わるすべての人を応援するニュースサイト。大会やイベント情報や保護者のお役立ち情報などを配信しています。現在提携しているメディアは2つですが、今後より多くのメディアと提携していく予定です。
ーーでは、スポンサーになる企業側のメリットは何がありますか?
ひと言でいえば、ファンマーケティングを活用したプロモーションにより、新たな営業戦略を実施できる点です。具体的には、支援対象のスクールに子供を通わせる保護者に対し、定期的に直接アプローチできる仕組みを構築できます。
ーー正直なイメージですが、スポンサーマーケティングって費用対効果が悪い印象があります。
確かに従来のスポンサーマーケティングでは費用対効果が悪く、投入した金額以上に売り上げが上がるケースはあまりありません。むしろ、売上効果を見込んでいる企業はほとんどないと考えていいでしょう。
対してスポエンが提案するローカルファンマーケティングは以下のような理由から、売上という側面で費用対効果が高くなる傾向にあります。
- 熱狂的なファンに、セミナーの場で直接接触できる
- チームの存続に関わるため、自分ごととして捉えられ購入へ結びつきやすい
- プロチームに比べ、ローカルチームの方がコアなファンがつきやすい
またローカルなスポーツチームとつながることで、企業のブランドイメージも向上。ローカライズや地方自治体との連携もしやすくなります。
ーースポンサー企業に提案する具体的なサービス内容と費用の内訳についてお聞かせください。
スポンサー側の費用は、年間120万円です。それによって得られる特典は、おもに次の3つです。
- 全国各地で年12回のセミナーを開催(30名規模以上)
- 当社提携スポーツメディアからの取材
- 地方自治体からのバックアップ
ーー1のセミナーについて、詳細を教えてください。
チーム側に協力してもらい、30名規模のセミナーを月に1回の割合で年12回開催することが可能です。
ファンマーケティングを活用した営業では、一般的な営業に比べキャンセル率が低く、高い成約率が特徴です。様々な競合サービスがある中で、セミナーという形で1手間をかけることで、ロイヤリティが高くLTVが高いユーザーを獲得できます。
実はBtoBでは、セミナーで興味づけしセールスへ…という戦略は珍しくありませんが、これはBtoCでも有効だと考えており、今後流行る戦略だと見ています。
ーーセミナーで紹介する商品の具体例を教えてください。
過去の事例としては、飲料メーカーの企業が「熱中症にならないための身体づくり」といったテーマでセミナーを開催し、出口としてスポーツドリンクを提案していました。
また、スポーツチームの保護者は30代から50代がメインです。その層が使っている商品や興味のあるサービスであれば、スポーツ関連商品以外にも、例えば家や車なども可能性があると考えています。
企業側のセミナー負担は1回5万円から。そして、チーム側へは1回あたり30人以上の集客をお願いしています。チーム側には、無料で開催する代わりに集客に積極的に協力いただきます。30人規模のセミナーを1回5万で開催できるという安さにみなさん驚かれますね。
ーー2の特典である「提携スポーツメディアからの取材」について詳しくお聞かせください。
スポーツに投資する目的や意義を中心にインタビューを実施し、弊社提携のスポーツメディアに記事掲載させていただきます。3つ目のメリットとも重なりますが、スポエンは、企業理念とSPORTS SDGsの共通性に着目し、スポーツを通して社会課題の解決に取り組む企業を積極的にサポートしています。スポーツを通してSDGsに取り組む企業として提携メディアから取材を受けていただき、ブランドイメージの向上を目的としています。
※SPORTS SDGsとは、スポーツが本来持っているチカラを活用し、持続可能な社会づくりに貢献していくという事。スポーツを通じたコミュニケーションによって課題を共有し、解決に向けて主体的に行動する人々を一人でも多く創り出すことで、よりよい社会を目指していく事です。
前述の通り、現在提携しているスポーツメディアは下記です。
ーー3つ目のメリットである地方自治体からのバックアップとは?
エリアは限定されますが、地域スポーツの活動サポートの実績を表彰してもらう制度を積極的に利用します。
自治体によっては、SPORTS SDGsに取り組む企業に対して表彰制度を設けている場合も。公式に表彰や認定書を得たら、企業のイメージアップやブランド力向上につながるでしょう。自治体のホームページに掲載される場合もあり、そういった実績が企業の信頼に役立ちます。
協賛金の75%をスポーツ業界に還元!?スポーツビジネス界のお金の循環を良くすることに尽力
ーー企業からの協賛費用の使い道について教えてください。
スポンサーから得た協賛費用の75%はスポーツ業界に還元いたします。内訳は次のとおりです。
50%:スポーツチーム
25%:選手のセカンドキャリア支援
25%:スポアシ運営費
そもそものコンセプトは「スポーツ業界の金銭流通の良好化を進める」こと。出来るだけスポーツ業界へ還元したいと考えております。このミッションを推進するため、極論赤字でも良いと考えています。
前述の通り、スポーツチームの費用負担は0円にして、協賛金を丸々運営に使っていただきます。費用面の問題が解決され、よいコンディションのグランドを借りる、技術の高いコーチに依頼するなどが可能となるでしょう。
選手のセカンドキャリア支援については、元Jリーガーや元プロ野球の選手にアンバサダーになってもらい、営業費用として報酬をお支払い。雇用を生むことでセカンドキャリアの支援として機能させる方針です。
スポーツチームが潤う、協賛企業も費用対効果のよいマーケティングができる、引退選手の活躍の場を作る、この3つのアプローチでスポーツ業界に流れるお金を増やし、業界全体を盛り上げていきます。
今後は協賛企業様の流入数により値上げする可能性もありますが、運営費用や利益は度外視で、少しでも早い普及を目指しています。
ーースポーツ業界にとって新しい前例にもなりそうですね。
スポンサー企業の営業戦略として、スポーツチームにお金が流れる事例は、過去にほとんどありません。
このようなお金の流れが世間に認知されると、スポーツ業界全体に流れるお金も増えるのではないかと目論んでいます。そのため、スポーツチームにお金が流れる仕組みで圧倒的な実績をいち早く出すことが最優先だと考え、弊社の利益は度外視で進める方針をとっています。
1年目で1,000チームの加盟を目指し、全国展開。12億の予算で、更なるスポーツ業界への貢献を。
ーー独自性があり大手が手を出しにくいビジネスモデルなのがすばらしいですね!競合他社は存在しますか?
競合という競合は、今のところ存在しません。大手は、地方の小さなチームを相手にすることはほぼありませんから。競争相手がいないので、無駄な価格競争で疲弊する必要もないのもよい点です。「スポーツ業界の金銭流通の良好化を進める」といったコンセプトを純粋に追うことができますし、なによりもローカルな小さなチームほど困っているので、いち早くサポートしたいと考えています。
ありがたいことに「協賛したい」と賛同してくれる企業は少なくありません。大手商社や大手小売りチェーンの企業をはじめ、様々な企業に協賛いただくこととなっており、走り出しは好調であると感じています。
ーー現在はどのような取り組みをしているのでしょうか?
現在テストマーケティングを行っているところです。スポーツチームと企業のどちらもWin-Winになる勝ちパターンを確立し、10月以降に全国展開する予定です。
企業側が確実にマネタイズできる形が作れると、企業が予算を割けば割くほど利益が出る構造となるため、青天井のビジネスモデルとなります。
そのため、今はしっかりと形にしていくことが重要だと考えています。
ーー今後の目標についてお聞かせください
今後1年間で1,000チームの加盟を目指しています。これが実現すると、年間セミナーで約12億の予算を獲得することができます。
これだけ大きな予算を得られたら、さらに大きな事業を展開できるはず。この目標はサッカーだけで達成できると見積っており、ほかにも野球・バスケットボール・オリンピックの新しいスポーツ団体などでも横展開していく予定です。
ーー全国展開のためには人的資源の確保も重要ですよね。求めている具体的な人材は?
チャレンジ精神があり、さまざまなハードルを楽しめる人がいいですね。職歴や経験値は、それほど重視しません。私たちの理念に賛同してくれ、熱意をもって取り組んでくれる方に、ぜひ来ていただきたいです。