「若者がやりがいをもって働ける場所を、この地に創りたい。」
そんな熱い想いを胸に、慣れ親しんだ地元・青森県八戸市を離れ、大阪のベンチャー企業Sports Entertainment株式会社(以下、スポエン)へ飛び込んだ俵山さん。小学校から大学までスピードスケートに人生を捧げ、国体入賞という輝かしい実績を持つ俵山さんが、なぜ安定した地元の大手企業を辞めてまで、新たな挑戦の道を選んだのか。そこには、アスリートとして燃やし続けた“熱狂”への渇望と、故郷の未来を本気で変えたいという純粋な想いがありました。Uターン就職を考えるすべての若者へ、新しいキャリアの可能性を提示します。
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俵山 泰誠
青森県八戸市出身の24歳。小学校からスピードスケートを始め、山梨学院大学まで競技に打ち込む。国体では個人7位、リレー2位入賞の実績に加え、高校時代には主将としてチームを牽引するなどリーダーシップも発揮。大学卒業後、一度は競技を続けるも引退。地元の大手建設・不動産会社で1年間勤務しながら、中学生の指導にも携わる。2025年6月、自身の未来と故郷の可能性をかけ、スポエンに入社。現在は大阪本社で、数年後の八戸支店立ち上げ責任者となるべく奮闘中。
スピードスケートに捧げた日々が、今の自分を創った
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ーーまずは学生時代についてお伺いします。まさにスピードスケート一色の毎日だったそうですね。
そうですね、生活のすべてでした。もともとは野球をやっていたのですが、冬のオフシーズンのトレーニングとして始めたのがきっかけです。最初は野球がメインだったんですが、スケートの方がどんどん成績が伸びていって、高校からはもう毎日練習漬けでしたね。
ーー国体で入賞されるほどの実力ですが、ご自身の強みや、好成績を残せた要因は何だったと思いますか?
もちろん練習した成果ではあるのですが、一番は「環境」が良かったことだと思います。高校も大学も、周りには常に意識の高い仲間たちがいて、彼らに引っ張られるようにして自分も成長できました。
自分はどちらかというと技術系の選手だと思っていて、練習ではビデオを何度も見返して、良い時と悪い時のフォームを比較し、膝や股関節の角度を記録していました。ウエイトトレーニングでも、ただ重いものを持ち上げるだけでなく、「いかに速く持ち上げるか」というスピード、つまりパワーとスピードの掛け算を意識して、競技に直結するトレーニングを工夫していましたね。
ーーチームや環境が大切だったとのことですが、主将など、チームをまとめる役割も経験されたのでしょうか?
はい、高校時代に主将を、大学ではチーム内の距離別のキャプテンを務めました。自分のことだけでなく、チーム全体がどうすれば強くなるかを常に考える必要があり、視野が大きく広がったと感じています。個々の選手の状態を把握し、時には厳しいことも伝えなければいけない。その難しさと同時に、チームが一つにまとまっていく過程の面白さも知ることができました。
ーーまさにPDCAを回しながら、競技と向き合っていたのですね。その競技経験を通じて得られたものは何ですか?
ハードな練習でも、それが自分に必要だと理解して取り組む「忍耐力」や、どうすれば嫌な練習でも自分から「やろう」と思えるように工夫する思考法は、すごく鍛えられたと思います。
そして何より、青森県代表として、それぞれ違う大学に進んだ仲間たちと出場したリレーで準優勝できた経験は大きいです。ゴールした後、みんなで抱き合って喜んだ瞬間は最高の思い出で、チームで一つの目標を達成する素晴らしさを学びました。
大手からベンチャーへ。再び”熱狂”を求めて大阪へ飛び込んだ理由
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ーー大学卒業後は地元・八戸に戻られています。Uターンを決めた理由は何だったのでしょうか?
一番は、やはり育ててもらったスピードスケートに指導者として関わり続けたいという想いが大きかったからです。引退するタイミングで、中学生のチームからコーチをしてみないかと声をかけていただいて。指導をしながら働ける環境を求め、地元の大手建設・不動産会社に就職しました。
ーー前職ではどのようなお仕事を?また、そこでのやりがいについて教えてください。
アパートの入居者様からの問い合わせに対応したり、オーナー様へ修繕の提案をしたりと、維持管理業務を幅広く担当していました。一番のやりがいは、やはり困っている方を助けて「ありがとう」と感謝の言葉をいただけることでしたね。営業に行ったはずが、いつの間にかオーナー様のお宅でご飯をご馳走になっている、なんていう地元ならではの温かいコミュニケーションも大好きでした。
ーー充実した環境に聞こえますが、そこからなぜスポエンへの転職を考えたのですか?
自分でも転職するとは全く思っていませんでした。ただ、心のどこかにもやもやした気持ちがあったのも事実です。仕事以上に、ボランティアで続けていた中学生の指導の方に全力を注いでいる自分がいて…。競技者時代に感じていたような、胸が熱くなる刺激や、本気で何かに挑戦する感覚が、少し物足りなかったのかもしれません。
そんな時、転機が訪れます。たまたま前職の別支店を訪問した際、同じビルの階層看板で「Sports Entertainment」という文字を見つけたんです。その名前に惹かれて調べてみたら、Wantedlyの記事が出てきて。そこに書かれていた「スポーツビジネスをブーストさせる」「アスリートのセカンドキャリアを支援する」という理念に、衝撃を受けました。指導者として、資金難に苦しむスポーツ現場や、引退後のキャリアに悩む選手の姿を間近で見てきたので、他人事とは思えなかったんです。
ーー運命的な出会いですね。入社の決め手は何だったのでしょうか?
カジュアル面談で、代表の中川さんと直接話せたことが大きいです。最初の面談に社長自らが出てきてくれたことにまず驚きましたし、私の話を真剣に聞いた上で、とても熱い言葉をくれたんです。
「八戸に戻るからには、そのエリアを自分のものにするぐらいの勢いでやってほしい」
その一言で、僕の心は決まりました。この会社でなら、もう一度あの頃のような熱量で挑戦できる。そして、大好きな地元に、今までにない形で貢献できるかもしれない、と。安定を手放し、未知へ飛び込む決断でしたが、それ以上にワクワクする気持ちが勝りました。
Uターン前提のキャリア。すべては故郷・八戸の未来のために
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ーー2025年6月に入社され、現在は大阪本社で勤務されているのですね。
はい。数年後に立ち上がる八戸支店の責任者になることを見据え、今は大阪のオフィスでカスタマーサポート業務を行っています。前職もお客様と話す仕事でしたが、今は声だけのコミュニケーション。表情や仕草が見えない分、声のトーンや話すスピードをより意識する必要があり、日々苦戦しています。
でも、そこが面白いところでもあります。自分の通話ログを聞き返したり、内容を文字起こしして無駄な部分を削ったり、上司からフィードバックをもらって改善したり。まるで現役時代にビデオ分析をしていた時のようで、課題を一つひとつクリアしていく過程に成長を実感しています。
ーーまさにUターン前提採用のモデルケース第一号ということですが、数年後に拠点の責任者になることへの心境はいかがですか?
26、7歳で一つの拠点を任される。正直、不安じゃないことなんて一つもありません。でも、それ以上に「やってみたい」というワクワクする気持ちが強いです。期待してくれている会社のためにも、そして何より、後に続く未来の後輩たちの道を創るためにも、今はこの大阪で、できること全てを吸収したい。そう思って毎日仕事に向き合っています。
一度、外の世界に出て、最先端のビジネススキルと熱量を学び、それを故郷に還元する。このキャリアパスは、地方の若者にとってすごく価値のある選択肢になるんじゃないかと感じています。
僕たちが創る、八戸の新しい景色
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ーー俵山さんが、八戸支店で実現したいビジョンについて教えてください。
八戸の課題は、若者が心から「やりがいがある」と思える仕事が少ないことだと感じています。安定を求めれば選択肢はありますが、もっとエキサイティングで、自分の成長を実感できるような仕事をしたいと思った時、県外へ出るしかないのが現状です。だから僕は、スポエンの八戸支店を、そんな若者たちの受け皿になり、彼らが地元で輝ける場所にしたいんです。
目指すのは、ただ事業所を作ることではありません。スポエンが持つ、結果に貪欲で、活気に満ちた“熱いカルチャー”ごと八戸に持ち帰りたい。東北にはないような、明るくて活発な雰囲気の会社を創れたら、それだけで大きな価値になると思っています。
ーー具体的には、どのような事業で地元を盛り上げていきたいですか?
まずはカスタマーサポート事業でしっかりと地に足をつけながら、将来的には行政とも連携して、スポアシ事業などを通じて八戸のスポーツ全体を盛り上げていきたいです。八戸には、スピードスケートだけでなく、Jリーグに昇格したサッカーチームやアイスホッケーも盛んですから。
僕のように、「地元を盛り上げたい」「スポーツに関わりたい」という想いを持つ仲間たちと一緒に、新しい価値を創っていきたいですね。「あの会社、なんだか面白そう」「あそこで働きたい」。地元でそう思われるような、人気と実力を兼ね備えた組織を創り上げることが僕の夢です。
▼スポアシ事業については、以下の記事を参照ください!
ーー最後に、Uターンを考える学生や、この記事を読んでいる候補者へメッセージをお願いします。
もし君が、”やりがい”や”成長”を求めて地元を出ようとしているなら、僕は胸を張って「スポエンに来て」と言いたいです。僕自身がそうだったように、一度大阪に出て、ビジネスが進んでいる環境で実力をつけ、それを地元に持ち帰って還元するというキャリアは、人生を何倍も豊かにしてくれるはずです。
地元を盛り上げたい、スポーツに関わりたい、あるいは、今の自分を変えたい。どんな理由でも構いません。その熱い想いを、僕たちと一緒に八戸でぶつけてみませんか?あなたの挑戦を、心から待っています。