【社員インタビュー】偶然に導かれてフリーランスエンジニア→DP社の正社員に。最大の変化は、「何をつくるか」から考えられること
こんにちは!Digital Platformer株式会社(以下「DP社」)です 。
今回は、フリーランスを経てDP社の正社員になった北條 孝一さんへのインタビューをお届けします。
フリーランスエンジニアとして約3年間の経験を積んだ後、「より技術的な挑戦がしたい」との想いでDP社に入社した北條さん。現在はデジタル地域通貨「トチツーカ」の開発チームで、バックエンド開発を担当しています。
「当時はエンドクライアントまでの距離が遠く、意思決定をする人の顔が見えない状況でした」とフリーランス時代を振り返る北條さんに、現在の業務内容やフリーランスとの違いなどを語ってもらいました。ぜひご覧ください!
北條 孝一 開発グループ プロジェクトチーム(バックエンド等)
大学では宇宙に惹かれて物理学を専攻するも、卒業後は環境経済学を志し中国へ。コロナ禍のあおりを受けて中国留学を断念しエンジニアに転身。新たな挑戦を求めてDPに入社。
予期せぬ巡り合わせで、フリーランスエンジニア、そしてDP社へ
――北條さん、本日はよろしくお願いします!まずは入社までの経歴を教えてください。
北條:フリーランスエンジニアとしてキャリアをスタートし、約3年働いた後、2024年の10月にDP社に入社しました。現在はデジタル地域通貨の開発を担当しています。
――エンジニアになる前は、中国に留学されていたそうですね。
北條:はい。大学では物理学を専攻していましたが、卒業後は環境経済(環境保護と経済発展の両立)について学ぼうと思い、このテーマに力を入れている中国の大学院への進学を目指して2018年から語学留学をしました。
しかし、2020年に「いよいよ専門分野を学び始めるぞ」というタイミングで、新型コロナウイルスが発生してしまって……。日本に一時帰国していたときに武漢で感染が拡大し、国境が封鎖されて中国に再入国できなくなったんです。1年ほど様子を見てから、方向転換してプログラミングの学習を始めました。
――それは大変でしたね。「プログラミングを勉強しよう」と思ったのはなぜですか?
北條:もともとプログラミングには興味があったし、自分の適性にも合っていそうだなと。あと、当時は未経験からエンジニアへの転職がブームだったこともありますね。2021年1月に独学で勉強を始め、JavaScriptから入ってフロントエンド技術を学びつつ、Pythonを使ったバックエンド開発も学びました。その後、2021年7月からフリーランスエンジニアとして働き始めました。
――正社員ではなくフリーランスとしてキャリアをスタートしたのですね。
北條:当初は正社員としての就職を考えていたのですが、たまたまご縁があって。知人がフリーランスエンジニアとして参画している案件から途中で抜けることになり、代わりの人を探していたんです。条件面も悪くなかったですし、タイミングもちょうど良かったので、知人の後任として入ることにしました。
――その案件では、どのような業務を経験しましたか?
北條:大学図書館向けの業務システムについて、主にJavaScriptとReactを使ってフロントエンドを開発する案件でした。その中で私は蔵書管理や発注など職員向けのシステムを担当し、保守に加え、電子書籍への対応など新しい画面の開発にも携わりました。ただ、エンドクライアントから受託した会社に参画する形で、「何をつくるかを考える人」と「実際につくる人」が完全に分離している現場だったので、「つくる」ことに特化していましたね。
2年目からは周りに教える立場になり、半年契約を更新する中で報酬も上がっていきました。
――フリーランスとしての働きぶりが評価され、報酬もアップしたと。そこから正社員として転職活動を始めたのはなぜですか?
北條:一番の理由は、技術的な面で「スキルアップのためにもっと挑戦したい」と思ったことです。また、子どもが生まれたことも一つの後押しになりました。
2024年1月頃に転職サイトに登録し、スカウトをもらった企業の面接をいくつか受けていって。DP社からは2024年7月にスカウトをもらい、「面白そうなことをやっているな」と思って話を聞いてみました。
――複数の企業の選考を受ける中、DP社に入社した決め手は何ですか?
北條:自社プロダクトを開発していること、それをブロックチェーン技術で実装していることが面白いと思いました。大学生の頃に、ブロックチェーン関連の本を何冊か買ったことがあって。読まずに積読になっていましたが、「あの時に気になっていたブロックチェーンか!」と、伏線を回収されたような感覚になりました。
実は、DP社の選考を受ける前に別の会社から内定をもらっていたのですが、突然経営が傾き、内定を取り消されてしまったんですよ。急きょ転職活動を再開したところ、DP社からスカウトがあり、トントン拍子で選考が進んで。運命的なものを感じましたね。
数学が好きな人に向いている?ブロックチェーン技術の奥深さ
北條:まずデジタル地域通貨の現状として、北國銀行と共同で開発した「トチツーカ」(※)があり、既に石川県内で利用されています。現在は、これを他の金融機関にも展開できるようにする機能を設計・開発しており、私はバックエンド開発を担当しています。
※トチツーカ…北國銀行とDP社が共同開発したデジタル地域通貨アプリ。銀行口座からチャージできる預金型ステーブルコイン「トチカ」と、自治体から付与されるポイント「トチポ」を使用することで、石川県内のトチツーカ加盟店にてキャッシュレス決済を行うことができる
――どのような体制で開発していますか?
北條:バックエンド開発のメンバーは10名ほどで、DP社のプロパー社員と業務委託のメンバーが協力して開発を進めています。このほか、プロダクト全体を統括するプロダクトオーナー(PO)が3名いて、フロントエンド、バックエンド、アプリの各領域を横断的に見ながら、金融機関との仕様調整を行っています。
私が関わっているのは、POと金融機関が合意した内容を「どう実装に落とし込むか」という設計の段階からです。
――フリーランス時代には関わりのなかった設計段階から担当されていると。それがやりがいにもなっていますか?
北條:はい。前職のフリーランス時代は設計と距離がありましたが、DP社では広い視野で提案することが期待されているので。プロダクト全体はもちろん、会社の事業全体まで考えて「ここの設計をどうしようか」と考えられています。
――技術はどのようなものを使っていますか?
北條:フロントエンドもバックエンドもTypeScriptを主に使用しています。ブロックチェーン技術については、「トチツーカ」のサービスのうち認証部分で接点がありますが、私自身は今のところコードに触っていません。ただ、個人的な学習は進めています。
私は数学書を読むのが趣味なのですが、ブロックチェーンを勉強する中で数学的な知識がつながってきて、面白いなと思っています。
――それはどういうことですか?
北條:たとえば今、ビットコインをイチから実装する参考書を読んでいますが、まず暗号のライブラリを自分でつくるところから始まっていて。その中で、高校の数学で学んだ「フェルマーの小定理」を使うんですよ。当時は「どこで使うんだろう」と思っていた定理が、暗号計算に必要で、実社会で役立つんだなと。点と点がつながっていく感覚がありますね。
――暗号化に数学的な理論が使われているのですね。ブロックチェーン技術は敷居が高いと言われますが、それが理由の一つなのでしょうか?
北條:それはあるかもしれませんね。今読んでいる参考書のECサイトのレビューにも、そういったコメントを見かけます。ブロックチェーンをつくる前に、そのための暗号をつくるところに数学があって挫折すると。でも逆に言えば、数学が好きな人には相性の良い分野だと思いますよ。
フリーランス時代から「変わったこと」と「変わらないこと」
――フリーランスを経験したからこそ得られたものや、現在の業務に役立っていることはありますか?
北條:一つ大きいのは、お金を意識した思考が身についたことですね。正社員の場合、給料明細の中身を細かくは見ていない人が多いと思いますが、フリーランスの場合は節税や消費税のインボイス対応、法人化の損益分岐点といったお金のことを考えざるを得ません。
その中で自ずとビジネス的な視点が身につき、現在も事業・ビジネスとつなげて開発を考えられています。
――逆に、フリーランス時代には得られなかったものや、大きく変わった点はありますか?
北條:まず、先ほどお話したとおり、設計段階から携われること。フリーランスのときは仕様が決まったものを実装するだけだったので、大きな変化を実感しています。
あと案件次第でもあると思いますが、意思決定のスピードがまったく違います。フリーランス時代は、エンドクライアントまでの距離が遠く、意思決定をする人の顔が見えない状況でした。「もっとガンガン改善をしたい」「技術負債の返済も進めたい」と思っても、手を出せなかった。今は自社が開発するプロダクトですし、決定権者と直接コミュニケーションもできるので、どんどん提案して改善できる。これが大きな違いですね。
――設計から深く関わり、提案や改善も進めやすくなったのですね。
働き方はフリーランス時代と比べていかがですか?
北條:基本的にフルリモートで働いており、フレックスタイム制で柔軟な勤務が可能です。月1回のピザパーティー以外は在宅勤務が基本なので、フリーランス時代と遜色ない働き方ができていますね。
最近は「週1回くらいは出社した方が働きやすいかもしれない」と思い始めています。この前ピザパーティーの日に出社したら、近くに座っていた同じチームの人に声をかけられて。技術的な課題について話をしながら、「対面のコミュニケーションもいいな」と感じました。
――フルリモートでもいいし、出社してもいい。柔軟に選択できるので、家庭とのバランスもとりやすそうですね。
北條:育児と仕事の両立がしやすく、ありがたいですね。子どもの入浴の時間に合わせて仕事を調整することもできますし、家族と過ごす時間を大切にできています。
フリーランス時代と比べて福利厚生が充実しているので、いろいろ活用していきたいと思っています。直近では、福利厚生サービスの割引を使って家族で沖縄旅行に行こうと話しているところです。
それと、育児休業などの制度が整っていることも正社員ならではですね。現時点で予定はありませんが、いざ必要となった時に取得できることに安心感があります。
いま入社する魅力は、“市場が動く瞬間”に立ち会えること
――DP社のエンジニアとして何を・どう実現していきたいか、展望をお聞かせください。
北條:まずはトチツーカをスケーラブルな形にすることですね。現状では金融機関と自治体のシステムが結合しているので、これを分離可能な設計に改修する必要があります。かなり大規模な構造改革になりますが、ビジネスサイドと連携しながら進めていきます。
他方で、分散型ID・VC技術にも関心を持っています。分散型ID・VC発行サービス「SHIKI」の領域で、デンマークに本社を置くPartisia社との新規プロジェクトが始動していて。まだ立ち上げフェーズですが、ゆくゆくは手を動かすエンジニアとして関わっていきたい……と密かに思っています。いま話しちゃいましたけど(笑)。
――ぜひ、この機会に意思表明しておきましょう!DP社には挑戦を応援する風土があるので、手を挙げやすいですよね。
北條:そう思います。つい先日も、全体向けに似たような話がありました。「他のことに挑戦したくなったら言ってください」と。今は目の前の業務に注力しつつ、将来を見据えてブロックチェーンの勉強も続けていきます。
――長期的なキャリアとして、マネジメントの道も考えていますか?
北條:プロダクトマネジメントには興味がありますね。どういう問題を解決するのか、それをどう解決するのかを考えるのは面白そうだなと。自分で手を動かしつつ、ビジネス的な視点でも考えていけたら。
――改めて、北條さんから見たDP社の魅力を教えてください。
北條:新しいことができます!…と言い切るのは難しいんですけど。分散型ID・VCやステーブルコインを使ってどういう価値を提供できるのか。そもそもどういう価値をつくって、どういう問題を解決するのか。そこを考えるところから携われるのは面白いですよ。しかもPoCではなく社会に実装していく。フリーランスはもちろん、他社でもなかなか得られない経験だと思います。
実際に入社してみて、入社前に思っていたよりすごいことをやっているなと感じます。分散型ID・VCは技術そのものが可能性の塊ですし、トチツーカは銀行の勘定系システムとつないで日本初の預金型ステーブルコインを実現している。改めて考えるとすごい最先端なことをしているし、日々わくわくしています。
――最後に、この記事を読んでいる方へのメッセージをお願いします。
北條:DP社は、技術を使って世の中に変革を起こしたい、事業を伸ばしたい人に合っている会社だと思います。これから応用が広がっていく段階なので、考える余地がまだまだあります。稲妻が光る瞬間に市場にいられるよう、早めに入社することをおすすめします!
――北條さん、本日はありがとうございました!
今回は、北條さんへのインタビューを通して、フリーランスエンジニアからDP社の正社員になった経緯や変化について紹介しました。
この記事を読んで、少しでもDP社について知っていただけたら嬉しいです。
当社では、次の時代をつくるビジョンに共感し、一緒に挑戦してくれる仲間を募集中です。
まずはカジュアルにお話しするだけでもOKです!ぜひお気軽にご応募ください。
企画・編集:株式会社スリーシェイク 文・撮影:三谷恵里佳