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【代表インタビュー】Digital Platformerってナニモノ?CEOが語る創業の経緯と使命

こんにちは!Digital Platformer株式会社(以下「DP社」)採用担当です。

みなさんは「ブロックチェーン」についてどんなイメージを持っていますか?
ビットコインなどの仮想通貨に使われる技術として有名ですが、本質的な価値は「信頼性の担保」にあります。

私たちは、このブロックチェーン技術を活用し、「お金の流れ」や「情報の証明」といった社会インフラの変革に挑戦しています。

ストーリー初投稿の今回は、松田CEOにDP社のミッションや創業の経緯、具体的な取り組みについて語ってもらいました。ぜひご覧ください!

代表取締役CEO 松田 一敬
慶応義塾大学卒業後、山一証券(株)証券引受部を経て、同社ロンドン現地法人にて中東、アフリカ、東欧諸国等を担当。帰国後国内初の地域密着型VCである北海道VC設立。国立大学発ベンチャー第1号(北海道大学)の設立など大学発ベンチャー支援の国内の草分け、製薬企業向けマイルストーン契約の締結等、知財の事業化の実績を積む。

ブロックチェーンで社会インフラを変革する ―DP社の3つのミッション―

――松田CEO、本日はよろしくお願いします!
はじめにDP社の概要とミッションについて教えてください。

松田:簡単に言うと、ブロックチェーンを活用したプラットフォームやインフラの提供を目指している会社です。ブロックチェーンはビットコインなどの仮想通貨のイメージが強いですが、我々が目指すのは新しいインターネット、いわゆる「Web3.0」そしてその先にある世界です。
「Web1.0」では、インターネットの登場により情報を瞬時に、どこにでも、無料で送受信できるようになりました。情報の非対称性が薄れ、社会構造を変えるというまさに情報革命でした。

「Web2.0」では、誰でも自分の情報をSNSやYouTube等を通じて発信できるようになり、コミュニティのあり方や社会の変化に大きな影響を与えました。

そして「Web3.0」は、瞬時に、どこにでも、安全かつ低コストで価値あるもの、信頼できる情報を送受信できる世界。そして自分の情報を第3者でなく自分でコントロールできる世界です。この基本となる技術の1つが分散技術、つまりブロックチェーンです。

我々は、この技術を社会インフラに活用し、まずはお金の流れを変革することを目指しています。日本中、ひいては世界中の隅々まで、お金を瞬時に、コストを限りなくゼロにして送受できる。それも普段使っている通貨で行える。

「お金の移動コストと移動時間を限りなくゼロにする」。これが1つ目のミッションです。

――「分散型IDを日本中に広める」というミッションも掲げていますね。

松田:例えば私が「松田一敬」本人であると証明するには、マイナンバーカードなど信頼ある組織による証明が不可欠です。しかし、世界中を見渡すと、難民等、その証明を得られない人がたくさんいます。

誰もが自分が何者であるか証明できる。その仕組みをデジタルIDで提供したいと考えています。デジタルIDがあれば権利や資格の証明書も紐づけることも可能です。

ブロックチェーンは「分散型台帳」と言われています。複数の、場合によっては何千・何万のサーバーで同じ情報を管理している。もし一部のサーバーの情報が改ざんされても、他のサーバーとの整合性がとれず、すぐに発覚します。

ブロックチェーンの「信頼性を担保する」特性を活かし、より良い社会をつくる。そのために分散型IDとデジタル証明の普及に取り組んでいます。

――「お金の流れ」と「分散型ID」について、これまでに実現した取り組みはありますか?

松田:当社が開発したブロックチェーンベースの分散型IDに、マイナンバーカードを用いた本人確認済みのIDを組み込み、行政サービスに提供しました。日本で実現したのは我々が初めてです。

また、北國銀行と開発している日本初の預金型ステーブルコイン「トチカ」も、石川県内で日常的に使えるデジタル通貨として2024年3月25日にローンチすることができました。

単なるPoCや机上の空論ではなく、実際に実装する。これが当社の強みです。

――3つ目のミッションである「エネルギーやサプライチェーンのトレースを実現し、ゼロカーボンシティや地産地消の実現に貢献する」とは、どのようなものですか?

松田:日本中いたるところに太陽光パネルや風力発電の設備がありますよね。実は、クリーンエネルギーをつくると、それに対して「クレジット(排出権)」をもらえるんですよ。鉄鋼・製鉄、自動車、造船などのCO2排出量が多い企業は、こうしたクレジットやグリーン電力証書を購入して、排出量を相殺しています。これが「カーボンクレジット」と呼ばれる仕組みです。

しかし、現状では大規模な設備以外ではクレジットが捨てられてしまっている。地元の再生可能エネルギー設備から発生するクレジットを利用すれば、ある意味で「クレジットの地産地消」になります。

再生可能エネルギーによる発電量とクレジットを可視化し、記録に残す。そのクレジットをお金に換えれば、企業や家庭の電気代の負担を下げられるし、風力発電などを誘致した自治体の収入にもなる。自治体はそのお金を医療、教育、交通弱者のサポート、子育てなどの分野に回すことができます。

当社が貢献できるのは、発電量を可視化し、ブロックチェーンで記録に残すこと。クレジットをお金に換える機能は持っていないので、その機能を持つ企業と連携する方針です。現在、ある自治体と協力してデジタル田園都市国家構想の予算申請を行っているところです。

人や地域の困窮を目の当たりにした経験が、社会課題を解決する礎に


――松田CEOは共同創業者の一人ですが、DP社創設の経緯を教えてください。

松田:経緯を遡ると、武宮誠さんという研究者に出会ったことから始まります。京阪奈の国際研究都市にある研究機関で出会い、彼からブロックチェーンのことを教わって、すごい技術だなと。やり取りを重ねるうちに彼が「会社を一緒につくろう」と言ったので、私も共同創業者になり3人で「ソラミツ株式会社」を立ち上げました。

武宮さんのすごいところは、自分たちでブロックチェーンを開発し、それを世に出して世界のインフラにしようとしたことです。実際にブロックチェーン「hyperledger iroha」を開発した後、カンボジア中央銀行のコンペで競争に勝ち、世界に先駆けて中央銀行デジタル通貨(CBDC)の「バコン(Bakong)」を実現して2020年に運用を開始しました。今や1,500万人もの人が使う世界最大規模のCBDCになっています。

そのまま日本で展開することも考えましたが、ソラミツはヘッドクォーターをスイスに移したので、それなら日本で別の会社をつくろうと。前社長の山田芳幸さんと意気投合し、共にこの会社を立ち上げました。

――そもそも、なぜ社会貢献性の高い事業をやろうと思ったのでしょうか。ご自身の経歴を交えて教えてください。

松田:私の最初のキャリアは証券マンでした。1986年に山一証券株式会社に入社し、アフリカや東欧の諸国を担当する中で、現地の状況やさまざまな課題に直面しました。帰国後、金融危機の中、北海道拓殖銀行破綻でボロボロになった北海道でベンチャーキャピタルを設立し、地域おこしファンドや大学発ベンチャー支援などを通して地域経済の復興に尽力しました。

こうした経験の中で、お金を広く流通させることの重要性と、そのためのコストが高く一部の人に偏在している問題を認識するようになりました。

その後、2011年に北海道のベンチャーキャピタルを退任して京都に移住。スタートアップ支援を専門にしつつ、地域のイノベーション・エコシステムの構築や東日本大震災の復興支援などに携わりました。

――国内・海外の両方で、人や地域の困窮を目の当たりにした。その経験が社会課題を解決する使命感につながっているのですね。

松田:どうしたら貧しい国の人々が豊かになれるか。どうしたら経済が落ち込んでいる地域にお金を循環させられるか、ずっと考え続けてきたテーマでした――2015年にブロックチェーンに出会ったとき、これが解決策になるのではと閃きました。

――ブロックチェーンの技術を活用して社会課題を解決する。壮大ですがやりがいのある仕事ですね。ただ、DP社だけでは実現できない気もしています。

松田:その通り自治体、金融機関、そして事業会社との連携が不可欠です。問題を抱えるところに「プラットフォーマー」としてブロックチェーンの技術を提供する。これが我々の役割です。

DP社の具体的な取り組み:「分散型ID」と「デジタル通貨」


――現在展開しているサービスについて教えてください。

松田:創業当初はソラミツが開発した「hyperledger iroha」を基盤にして「LITA」という地域通貨の仕組みをつくりましたが、2022年に大幅な方向転換を行い、自社開発のプロダクトに移行しました。

現在主に提供しているのは、分散型ID・VC(VerifiableCredentials)発行サービスの「SHIKI」と、IDに紐づいたデジタル通貨サービスです。新たなプロダクトとして当社が独自に開発し、2022年度末にサービスインしました。

――具体的にはどういうことができますか?

松田:例えば、以下のような仕組みを構築できます。

1:対象となる人が当社の統合IDを登録・保有する
2:「地元の人が使える商品券」「健康支援のためのウォーキングの歩数に応じたポイント」といった各 
種サービスや、金融機関の発行するデジタル通貨(ステーブルコイン)を一つのウォレット上に載せる
3:上記1と2を紐づけ、スマートコントラクトで条件づけを行い施策を実行する(例:所得○○円以上なら○○を支給など)

こうした仕組みがあれば、対象者が限定された給付金なども迅速に支給でき、誤送金も防げます。実際に北國銀行と開発を進めているところです。

――金融機関の発行する「ステーブルコイン」と、いわゆる「地域通貨」の違いは何でしょうか?

松田:一般的な「地域通貨」は商品券やクーポンに近い性質のものですが、「ステーブルコイン」は“本来の意味での通貨”の機能を持ちます。

地域通貨(商品券)は一度受け取ったらお店が換金して流れが終わりますが、ステーブルコインでは利用者がお金を払ったら、受け取った側がすぐに使え、転々と流通していく。これが通貨の本質です。

クレジットカードやバーコード決済も通貨の機能を持っていません。客は買い物できても、店舗はすぐにお金を受け取れず、手数料も高い。

北國銀行のステーブルコインでは、決済手数料を0.5%にする予定です。手数料を低く抑え、通貨としての流通も可能にする。これは経営が厳しい中小店舗にとって大きなメリットになると確信しています。

――北國銀行が発行するステーブルコインは石川県内での流通が想定されていますが、同様の取り組みを全国展開することも考えていますか?

松田:もちろんです。現状では石川県内だけの話ですが、将来的には全国の金融機関や自治体を巻き込んでいきたい。多くの地方銀行や信用金庫が当社のブロックチェーンに参加すれば、銀行間取引も可能になります。

一極集中型のn対1対nのシステムと違い、我々の場合にはn対nでつながっているので、システム障害によるサービス停止のリスクを低減できる利点もあります。

――本人確認済みのIDと金融機関のデジタル通貨を紐づけておけば、災害対応にも活用できそうですね。

松田:災害そのものは止められませんが、“災害が起きた後の安心”に貢献できると考えています。

予めタンス預金をステーブルコインに換えておけば、災害時に避難する時に自宅のお金を心配する必要はなくなる。
ステーブルコインの口座があれば、義援金もすぐに本人に届けられる。
銀行の窓口を閉鎖しても業務を続けることができる。
本人確認済みのIDと本人のヘルスケアレコードが紐ついていれば、避難所でも必要な薬の情報を把握できる。

残念ながら今年(2024年)1月に発生した能登半島地震には間に合いませんでしたが、災害時も想定した実証を石川県の自治体、北國銀行、某事業会社と準備しているところです。

テクノロジーの恩恵を「享受する」のではなく、「世の中に還元」する側へ


――現在の社員数を教えてください。

松田:現在、正社員は20人強で、外部のパートナーを含めると40~50人くらいです。1年以内に社員の数を50人程度まで増やしたいと考えています。

ブロックチェーン自体は実はそれほど難しくありませんが、例えば金融であれば金融行政が要求するリクワイヤメントやマネーロンダリング対策、セキュリティ対策が求められます。ヘルスケアでは個人情報保護法の関係、交通では切符法といった各種法律に準拠していかなければなりません。

主な採用対象はエンジニアですが、特定の業界やレギュレーションに詳しい人など、幅広い人材を求めています。

――どのような人が活躍していますか?

松田:多種多様な人が活躍していますよ。経歴や学歴もさまざまです。

イノベーションは異文化の衝突から生まれると考えています。人材募集をすると大企業での実績を誇って自己PRする人が多いですが、そこはあまり評価していないし、学歴も全く問いません。

社会貢献したい想いと向上心を持っている人に来ていただけたら嬉しいですね。ファイティングスピリットがある人も歓迎します。ただ全員がファイティングスピリットを持っていると組織がまとまらないので、バランス力の高い方にもぜひ来てほしいです(笑)。

――DP社で働くことの魅力は何だと思いますか?

松田:一般的なスタートアップではニッチな領域で一番を目指すことが多いですが、当社は「ブロックチェーンを使って日本のインフラそのものをつくり変えていく」という壮大な目標を掲げています。

デジタル通貨の会合ではメガバンクや信託銀行と並んで議論し、分散型IDやデジタル証明の分野では名だたる大手企業が参加する協議会の事務局として中核を担っています。

私は2000年からスタートアップ支援に携わり、1000社以上を見てきましたが、初期から成長期に入った段階でこの規模のスケールを考える日本のスタートアップは少ないです。そういう意味でめちゃくちゃ面白い会社なんじゃないかな。

――いま入社すると、立ち上げる最初のステップに携われる。それは貴重な経験になりますよね。

松田:我々が目指す世界は非常に壮大ですが、着実にステップを踏んでいます。以前はあまり理解を得られませんでしたが、今では一定の評価をいただけるようになりました。

有名な会社に入ってそれを誇るのもいいですが、「このプロダクトは自分がつくった」と言える方が面白いと私は思いますよ。

――最後に、この記事を読んでいる方へのメッセージをお願いします。

松田:テクノロジーは進化していきますが、その進化を実現できる人は多くありません。ほとんどの人は進化したテクノロジーの恩恵を受ける側だと思います。

ぜひ、テクノロジーを実現して世の中に還元する側に回ってみませんか?

そういう立場に身を置くのは面白いですよ。まずは気軽に遊びに来てください。

今回は、松田CEOへのインタビューを通して、DP社のミッションや事業内容を紹介しました。

この記事を読んで、私たちのミッションや社会貢献への熱意を少しでも知っていただけたら嬉しいです。

当社では、次の時代をつくるビジョンに共感し、一緒に挑戦してくれる仲間を募集しています。

まずはカジュアルにお話しするだけでもOKです!ぜひお気軽にご応募ください。


企画構成:株式会社スリーシェイク 執筆:三谷恵里佳

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