2020年9月15日にリリースしたサブスク動画プラットフォームmediable
自社チャンネルもスタートし、ユーザーも増え、盛り上がってきています。
そんなmediableをエンジニアリングでリードするのが、TRIVE GROUPのCTOの竹口。
前職のDeNAでは、2年半でSHOWROOMを含む5つの新規事業を担当。
サービスの立ち上げから、グロースフェーズまで、0→1におけるリーンな開発を経験。
その後、TRIVE GROUP代表の籔本と共にCtoCエンタメサービスを立ち上げ、営業利益10億規模まで成長させた後、売却。
現在は、TRIVE GROUPのCTOとしてエンジニアチームをリードする存在です。
今回はそんな竹口に、mediableにチャレンジした理由や現在のチームの体制や大事にしている文化などをインタビューしました。
- 個人の創造性で、生きていく時代を創る。
mediableというプロダクトをリリースするにあたって、10年先の世界に対して1つ仮説を持って取り組んでいます。
それは、インターネットによって「個人がエンパワーメントされる世界」
例えば、ECプラットフォームのBASEは、ショップオーナー全体の約75%が個人ユーザー。
残りの約25%のうち、約半数は1人で運営するショップです。
コミュニティービジネスは、トッププレイヤーの売り上げの高さを出すのではなく、得意を持つあらゆる個人が継続して収益を上げられるモデルにすること。
インターネットによって、ニッチな需要と供給をつなげ、
プラットフォームによって収益化を支える。
カテゴリを細かく分けることで個人が輝ける場所を作ること。
このように、能力や持っている情報が、インターネットを通じてより発信しやすくなり、活躍の場が広がる個人が増えてくる時代は絶対にくると思っています。
その発信手段としてのメディアの1つである動画の領域を抑えにいくサービスとしてmediableに取り組んでいます。
「動画」×「CtoC」×「サブスク」という時代の潮流を捉えたサービス。
世の中の当たり前を作る立場として難易度が高いチャレンジになるでしょう。
しかし、CtoCサービスで培った知見を活かしつつ、10年先を見据えた動画領域というチャレンジングな事業領域は、最もワクワクする選択だと思っています。
- 個人で動画メディアを持つ世界が近づいてる
10年先を想像した時に、個人が高品質な動画を簡単に配信できる世界は必ずくると思っています。
「個人で動画の媒体(メディア)を持つ」イメージですね。
動画メディアは、技術的にかなり難易度が高いですし、何より視聴、配信共にインフラが整ってません。
例えば、動画コンテンツの先行事例であるTikTokは、編集の難しさをフォーマットを揃えることでカバーし、15秒という動画時間で通信インフラの問題を解決しています。
15秒の動画だとしても、アップロードに数秒から数十秒かかるのが現在の技術の限界です。
このように参入障壁が高いことには変わらないので、いかに早く入り口を押さえきれるか。
ニッチではあるけど専門的なクリエイターの方々を発掘し、mediable発のスターをどれだけ誕生させられるかが、勝負になってくると思います。
- 『違和感にはプロダクトを成長させるヒントがある』
エンジニアチームが大事にしているバリューに「自走力」というものがあります。
エンジニアというバックグラウンドを活かして、改善案を自ら考え、どう事業に展開していくか。
工数を低く、早く実装してユーザーに届ける手法は現在でているもの以外にないか検討したり、
将来的な機能拡張まで念頭に入れて、柔軟性を持たせた実装にするなど、
届けるべきコアバリューは変えず、実装工数を下げて、早く、クオリティーの高いものをユーザーに届けるためにできることはないかを常に意識しています。
やはり、技術的難易度が高いプロダクトなので、クリエイターが求めていることをエンジニア視点で改善提案することも重要になってきます。
例えば、エンジニアからの提案で、mediableでは動画やチャンネルによって音圧を調整できる仕様にすることにしました。
音圧の幅を広げると通信量が増加してしまうため、犠牲にしているサービスが多いのが現状です。
しかし、この機能があることで、ミュージシャンなど音にこだわりがあるクリエイターさんが動画配信サービスを検討する際に、mediableを選ぶ理由になります。
エンジニア視点を持っていないと気付きにくい改善案ですよね。
この事例以外にも、デザインチームが作成したラフ案に、エンジニア、ビジネスサイドが40件以上のコメントを残し、Slack上で議論するなど、三位一体になって事業を作り上げている文化が形成されています。
また、戦略会議は、経営陣やビジネス側以外のメンバーも全員参加しています。
「どういったクリエイターにmediableを使ってもらうか」などの全体戦略から、プロダクトを磨く上で重要な施策単位でもエンジニアの意見はmediable上で多く活かされています。
例えば、動画投稿が完了した後など、クリエイターの感情の高まる瞬間に、好意的な文章を表示するのサンクスページは、エンジニアの意見から生まれました。
サンクスページ自体はすでにあるものなので重要ではなく、
事業に向き合うことで、クリエイターやユーザーの感情に即したアイディアがチームの垣根を超えて提案できているのは素晴らしいと思っています。
私は、事業立ち上げの際、メンバーに「チームの垣根は無い方がいい」という話をします。
各メンバーがアウトプットの細部にまでこだわりつつ、チームの垣根を超える動きができることで、強固なスモールチームができているのを実感しています。
- バグは存在しない。あるのは”伸び代”
この他にも、TRIVE GROUPは文化の構築にとても力を入れています。
「いい会社にはいい文化がある、文化を構成する最少単位は言葉」というバリューを掲げ、メンバーの発言一つとっても、意識的にポジティブな空間を作っています。
例えば、「ネガティブスリー」
これは、1日にネガティブな発言を3回した場合、他のメンバーにご飯を奢らなくてはいけないという取り組みです。
ネガティブな発言というのは、ついつい口から出てしまいがちですが、周りのメンバーも聞いていていい気分はしませんよね。
せっかく発言するのなら、自分もチームもポジティブになる発言をしようという意図が込められています。
エンジニアチームでも、バグのことを「伸び代」といい、
起こっている事象をネガティブに捉えるのではなく、さらによくするためにできることはないか?という視点で議論を進めるように意識しています。
その他にも、エンジニアが何かリリースした瞬間に、会社全体で自然に拍手が起り、カネが鳴ります!
それにより、リリースをもっとしたい!という気持ちが生まれたり、お互いがお互いを称賛しポジティブな循環が生まれる文化が構築されているんです。
- 圧倒的に困難だが、チャレンジングで楽しくて人生変える世界へようこそ!
mediableは、5-10年の長い時間軸で「サブスク動画チャンネルを運営して生計を立てる未来」を切り開いていく事業。
CtoCのプラットフォームは成果が出るまでに時間がかかりますが、スケールさせれば時価総額1,000億を目指すのも無理はないと思っています。
0から時価総額1,000億を目指せるのって一生で1回あるかないかのチャレンジだと思うんです。
アンコンフォートゾーンだらけなんですが、それぞれの役割を限定せず、協調することで少数精鋭ながら高みを目指す。
同じ志を持ち、そういう旅路を面白いと思えて、一緒に成長していける仲間と共に働きたいなと思っています。