第三章:初めて数字を見た日の絶望
ある日、父親がぽろっと言った。「新しいマシニング欲しいな」正直、思った。いや、そんな金あるのか?と。マシニングと言えば最新式ので2000万円はくだらない。現場を見ていても、余裕なんて感じたことは一度もなかった。新しい工具を買うにも大騒ぎで、古い工具を使いまわしていた。自分の給料も、手取りで15万円くらい。しかも、周りの社員より低い。理由を聞いたら、「お前は仕事ができないから当然だ」と。マジかよ、と思った。でも、その言葉よりも引っかかったのは別のところだった。この状態で、新しい機械を買おうとしていること。本当に大丈夫なのか。誰もちゃんと考えていないんじゃないか。そう思った。だったら、自分で...