2024年8月にSNSマーケティング担当として入社した趙さん。入社当初から、企業公式アカウントや社内プロジェクトのSNS運用を手がけるほか、中国向けの個人アカウント運用にも力を注ぎ、数々の反響を生んできました。そんな趙さんに、これまでの取り組みや日々の工夫、多国籍チームでの働き方について伺いました。
趙 小雨 / チョウ ショウウ
株式会社グローバークス マーケティングマネージャー
出身国:中国
言語:中国語、日本語、英語
天津外国語大学日語学部を卒業し、明治大学大学院情報コミュニケーション研究科を修了。動画制作、デジタルマーケティング、インフルエンサーマネジメントの分野で豊富な経験を持つ専門家。これまで、多くの企業や自治体のプロモーション企画に参画。動画制作では、企画から撮影、編集まで一貫して担当。2024年グローバークスに入社。
■仕事内容とこれまでの取り組み
この1年間、どのようなSNS運用に携わってきましたか?
FacebookやTikTokといったグローバルなSNSはもちろんですが、特に力を入れてきたのは、当社代表森永の中国向け個人アカウントの運用です。具体的には、小紅書(RED)とBilibiliで、日本の就職や留学、文化紹介をテーマにした動画を投稿しています。本格運用開始から7ヶ月間で、有り難いことに約1万3000人のフォロワーを獲得することができました。
現在も定期的に情報発信を行っています。ぜひチェックしてみてください!
森永さんの個人アカウント運用で意識していた点は?
運用を始める前に、まず競合アカウントをリサーチしました。中国のSNSでは「日本就職」に関する情報は多いものの、専門性の高いアカウントは意外と少なく、そこにチャンスがあると感じました。森永は大手企業での採用担当者の経験や7年以上の外国人向け就職支援の実績があり、その経験と知識を最大限活かす方向性で考えました。
また、森永自身が中国語を話し、中国に留学していた経験があるので、「日本人が中国文化を解釈する」という独自の切り口が出せる点も強みでした。たとえば、森永が中国の人気曲の歌詞を日本人目線で解説する動画は、深みと新しさがあると好評でした。こういった異文化交流型の企画が、濃いファン層を生むきっかけになったと思います。
投稿を考えるうえで、特に工夫している点はありますか?
週に何本も更新するので、いかに効率よく動画を作れるかは常に意識しています。毎月1〜2回出社し、まとめて動画を撮影して素材をストックしています。就職関連の情報発信など、事前に台本を準備して、プロンプターを使って収録するなど、撮影の効率化を図っています。
編集に関しては、同僚の太田さんと一緒に取り組んでいます。私はネイティブではないので、日本語字幕の細かい言い回しなどは彼女に助けられることが多いです。私たちが特に大事にしているのは、動画全体のテンポ感と字幕の読みやすさです。中国人視聴者は日中字幕併記を好む傾向があるので、そこはかなり工夫しています。
時間やリソースには限りがあるので、派手な演出よりも、企画の面白さやコンテンツの深さに重点を置いています。その結果、内容が面白ければしっかりと反応が返ってくることを実感しました。
コメントやDMにもできるだけ返信するようにしていて、一つ一つのフィードバックを大切にしています。
実際に反響が大きかったコンテンツはありましたか?その理由は?
特に人気があったのは、「日本人が中国語を見て意味を当てる」クイズシリーズで、約半年間で累計400万回以上再生されています。中日両方の言語に漢字があるという特徴を活かした企画で、日中交流ならではの内容でした。
たとえば、パナソニックは中国では「松下」として有名ですが、日本人の若者はパナソニックがかつて「松下電器」だったことを知らなかったり、逆に日本人が当たり前と思っている言葉が中国人には新鮮だったり。そういった“文化のズレ”が笑いや議論を生み、動画の再生数や拡散につながったと感じています。
■仕事の中での学びと成長
入社当初と比べて、自分自身にどんな変化を感じますか?
私はもともと新しい環境に慣れるまで時間がかかるタイプで、最初は正直なところ、すべてを自分で考えて動くようなスタートアップならではの働き方に戸惑いました。でも今では、自分から企画を立てたり、改善点を見つけたりするのが自然にできるようになってきて、自信がついてきたと思います。
チームでのSNS企画において、他のメンバーとどう連携していますか?
太田さんには本当に多くの場面で助けられています。彼女はSNS発信に対して感度が高く、たとえ中国SNSについて詳しくなくても、トレンドの見方や発信者目線でのアドバイスがとても的確です。
また、多才で、森永のイラストキャラクターも手がけていて、社内でもとても評判がいいです。彼女とチームで制作する中で、多くのことを学ばせてもらっています。
他の社内メンバーとも、7カ国語動画の企画・撮影時などではお互いにアイデアを出し合いながら楽しく進めています。
■チーム文化や働き方について
多国籍なチームで働く面白さ・難しさは?
面白さで言えば、全く違う国で育った人同士でも、意外と共通点が多いと感じる瞬間があることですね。たとえば、ベトナムも昔は漢字を使っていたそうで、動画を撮影する中で中国語と似た表現があると知って驚きました。
私の出身地である雲南と、東南アジアとの文化の共通点も多く、食文化などでも共感できるところがあり、とても楽しいです。
難しさで言うと、外国人同士が日本語で会話すると、お互いに伝わりにくいことがある点ですね。でも、私たちはリモートワーク中心で、Slackなどでテキストベースでのやりとりも多く、そこまで大きな問題にはなっていません。
チーム内での報連相のしやすさについてどう感じていますか?
とてもスムーズだと思います。上下関係のないフラットな雰囲気があって、気軽に意見を出せる環境です。全体会議も定期的に開催していて、他のメンバーの取り組みも知れるし、刺激にもなっています。
Slackのスタンプも社内オリジナルでたくさん作っていて、ちょっとしたコミュニケーションも楽しめる環境です。
リモートワークと出社のバランスについて、今の働き方はどうですか?
すごくありがたいです。日本国内での在宅勤務はもちろん、海外からのリモートワークにも柔軟に対応してもらえるので、今年の旧正月には久しぶりに母国に帰ることができました。
日本では祝日ではないので、前職までは帰れなかったのですが、当社の制度のおかげで家族との時間も大切にできたのは本当に嬉しかったです。
■これからの展望
この仕事を通じて、どんな価値を届けたいと考えていますか?
日本で働きたい中国人に向けて、本当に役立つリアルな情報を発信していきたいです。SNSの世界には誤解や偏見も多いですが、それを少しでも解消して、日中の文化の相互理解を深めるきっかけを作れたらと思っています。
これから入社する人に伝えたいメッセージはありますか?
自分の強みがまだ見えていない方でも、この会社でいろんなことに挑戦する中で、必ず「ここなら活かせる」という分野が見つかると思います。迷いがあっても、まずは飛び込んでみる価値がある環境です。
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いかがでしたか?SNSというツールを通して、言葉や文化の違いを乗り越えながら、企画・発信に真摯に取り組んできた姿から、彼女ならではの視点と想いが伝わってきたのではないでしょうか。
グローバークスでは、彼女のように多国籍の視点を活かし、柔軟な発想と実行力で活躍するメンバーがたくさんいます。
この記事に共感された方、SNS発信や異文化コミュニケーションに興味のある方は、ぜひお気軽にご連絡ください。あなたの経験とアイデアを、グローバークスで活かしてみませんか?