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創業ストーリーVol.2

Q. 途中から事務所の経営に参画されましたが、これまでの事務所のあり方をどのように変えていったのかお聞かせください。

A. 創業から1年半ほど経過した時点で経営に参画することになりましたが、当時はスポットの請負仕事が多かったため、継続的に関与できるクライアントを獲得するために地道に営業をしました。外資系企業向けのインバウンドに特化するという方針は創業当初から一貫していましたので、対日投資を支援するJETROなどの政府系機関や大使館、商工会議所など考えられる支援団体を探してはアポイントをとり、実際に足を運んで営業しました。セミナー講師や税務相談員などお受けできることはすべてやりました。このような活動がすぐにクライアント獲得に結びつくことはありませんでしたが、長期的な視点で地道に活動していました。ホームページを充実するのと並行して対面による営業をしていたのが良かったのかもしれません。そのうちにぽつぽつとお問い合わせを頂く機会が増え、徐々にクライアントの件数が増加したという経緯です。現在は、ホームページ経由のお問い合わせから関与につながるケース、クライアントの経理担当者が他の外資系企業へ転職し、転職後にまたお声がけいただき関与につながるケースなど少しずつですが伸ばしております。まさに「ローマは一日にして成らず」で、頂いた仕事を一つずつ着実にこなしてきた結果、現在に至っているのかと思います。

Q. 事務所の特色を一言で表してください。

「クライアントと共に成長する事務所」でしょうか。私どもの事務所は基本的に継続関与を前提としてクライアントと契約しますので、現在のみならず未来を見据えた支援をしていくべきだと考えています。会社経営をしていく上で、税務会計のみならず法務、人事労務など様々なご相談を受けます。

私は個人の会計事務所といわゆるBig4と呼ばれる大手会計事務所の両方に勤務した経験から、以前から両者のそれぞれ良いところを併せ持った事務所が作れたらいいなと思っていました。一言で言うと個人事務所の相談のしやすさと大手事務所の専門性を併せ持つような事務所です。税理士はクライアントとの距離が近いこともあり、日々の企業活動の中で疑問や問題が生じた場合に、最初にクライアントから相談されることが多い職業です。クライアントに寄り添って一緒に問題を解決していくのが個人事務所の特徴と言えるかと思います。

ただ、昨今のデジタル化によりAIによる自動仕訳ができるソフトが開発されてきていることから、個人事業主や小規模零細事業者などは、クライアント自身で記帳し、税務申告のみ依頼するが増えているのが実情です。単純な作業はAIに任せて専門家でないと対応できないような業務に特化するのが税理士の使命だと思っております。

一方、大手税理士法人は専門性が高い分、法人税申告部門、所得税申告部門、移転価格部門、税関部門、企業再編等のコンサルティング部門など部署が細分化されています。例えばクライアントが税務申告書作成を大手税理士法人へ依頼している場合、通常は税務申告部門の担当者が出てきます。その中で移転価格や税関の問題が出てくると、今度は移転価格部門の担当者、税関部門の担当者と次々と担当者が増えて、クライアントとしては窓口が複数になり、どの担当者へ連絡したらよいのかわかりにくい状況になるのも事実です。

私どもとしては、外資系企業向けの専門性の高い税務に特化することで、税務申告業務から移転価格、税関の問題まで包括的にご相談に乗れる体制を構築することで、クライアントを全面的に支援できると考えております。現在も問題が生じたらとりあえず坂下事務所に相談してみようというクライアントが多く、私どもとしても多面的にクライアントを支援でき、その結果クライアントの業績が伸びる、組織が改善するなど目に見える改善ができると本当に嬉しく、この喜びを励みに日々精進しております。

Q. 将来的にどんな事務所を目指しているのでしょうか。

テーラーメイド型の外資系企業向けの税務会計業務なら坂下国際税理士法人という立場を確立したいと思っています。痒い所に手が届く事務所、外資系企業が抱えている問題は一緒に解決してくれるそんな事務所にしたいと思っています。昨今は、税務申告業務のみならず、移転価格問題はもとより税関問題、原価計算の導入、決算の早期化、株価評価、IPO支援など様々なご相談を受けております。これらの支援を包括的に対応できる、きらりと光った力強い事務所を目指したいと思います。

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