「箸の持ち方を直さなかったら友達やめるからね。」
高校生の頃、親友からある日突然こんなことを言われて私は必死に箸の持ち方を練習しましたが、恥ずかしながら私は今でもお箸をうまく使えません。
そしてある日、会社の飲み会にてバレてしまいました。箸をきちんと持てないことが。
箸をきちんと持てない人間は、日本という国ではとても生きにくいです。この時も、私はいつものように何とも言えない顔をして「箸と逆上がりだけはどんだけ練習してもできるようにならなくて…」と言いかけたその時
「箸の持ち方なんかで人の価値は決まりませんよ!」だとか「僕もあんまり箸の持ち方がきれいじゃないんだよね」とか。私はこの時いただいたみなさんのやさしさを、自らの走馬灯に投影すると決めています。
佑人社のみなさんは本当に善い人です。困ったときに絶対に助けてくれる、少し元気がない時に「元気?」ってさりげなく声かけてくれる。そういうやさしさが会社内にあふれています。
善い人という書き方をしたのは、ただやさしい、というだけではなくて、一緒にお仕事をしている中でなんだか本当にグッと来てしまうことがたくさんあるからです。
プレゼンのフィードバックを、社員全員がペーパーいっぱいに書いてくれるところ、仕事を褒めてくれるとき(人を褒めるというのはいくつになっても照れくさいものですが)まっすぐ目を見て伝えてくれるところ、褒めるだけじゃなくてもっと良くなるための方法を一緒に考えてくれるところ、自分では全く考えられていなかった物事の側面に気付かせてくれるところ、本当に分かり合えるまで話し合いができるところ、出張の際に他部署の先輩から聞けた仕事に対する姿勢のお話…。
これだけまっすぐに仕事や仲間たちに向き合ってくれる人に囲まれて、私は実にすこやかな気持ちで「頑張ろう!」という思いをもって日々お仕事をすることができています。これは本当にありがたいことです。
話は変わりますが、佑人社では現在、全社をあげて残業ゼロを目指しています。日が長い夏のこの時期、まだ外が明るいうちに帰ることができているので、教員時代には忙しさのあまりできなかったいろいろな事にチャレンジしています。ワンピースを1巻から読んだり、自動車学校に通って運転免許を取得したり。
そして私は近頃もう一度、お箸の持ち方の練習をしています。百円ショップで買った、くまちゃんの輪っかがついたこども用の持ち方はしで、自分のために、自分でつくった夜ごはんを毎日しっかり食べています。
箸の持ち方が直らない今も、ありがたいことにあの子は友人でいてくれています。先日「箸の練習をしているよ」と誇らしげに連絡をしたところ「じゃあ今度五右衛門パスタ食べに行こうな」と言ってくれました。
五右衛門パスタを食べに行く日までに、くまちゃんがいなくてもきれいに箸が持てる私になれるよう、引き続き頑張ります。