はじめに
燈株式会社の郷司(ごうし)です。
私が燈にジョインしたのは2022年のことでした。当時はまだフルタイムメンバーとしては4番目という、立ち上げ間もないタイミング。フルタイムメンバーが4人しかいないのですから、「自分の業務範囲」なんてものを決めている余裕はありません。ただただ、目の前にある「会社を前に進めるために必要なこと」すべてに、がむしゃらに取り組む毎日でした。
それから約4年。燈を取り巻く環境は大きく変化しました。 このたび、私たちは評価額1,000億円超という大きな節目となる資金調達を実施いたしました。社内では、この発表に至るまでのプロジェクトを「Xday」という呼称で進めてきました。これは外部への秘匿はもちろんのこと、社内においても極めて限定的な範囲で進められてきたための呼称ですが、この記事の中でも変わらず「Xday」と書かせていただきます。
評価額1,000億円超。この数字は、私たちが掲げてきた「日本を照らす燈となる」「世界一のテックカンパニーになる」という志に対する、社会からの期待の現れだと真摯に受け止めています。
燈にジョインした当初の私と、今の私。見ている景色は確かに変わりましたが、根底にある想いは変わりません。この節目のタイミングで、これまでの歩みと、これからの燈がどこへ向かうのかを、私の言葉でお話しさせてください。
本気で世界一を目指す男、野呂侑希との出会い
私のキャリアは、監査法人、銀行出向、コンサルティングファーム、そして東京大学の研究室での起業支援と続いてきました。30代半ばでスタートアップへの転職を考えたとき、私の中には一つの強い指針がありました。
それは、「本気で情熱を燃やして取り組み、日本一・世界一を心から目指しているか」ということです。
燈のCEOである野呂侑希と初めて会ったとき、当時まだ20歳そこらだった彼のビジネスに対する圧倒的な解像度の高さに驚かされました。そして何より、彼が口にした「お金持ちになりたいのではない。会社をどこまでも成長させられるように、いつまでもハングリーでいたい」という言葉に、嘘偽りのない覚悟を感じました。
「野呂侑希を日本一、そして世界一の起業家であり、事業家にする」
当時の私の思いは、この一点に尽きます。野呂が率いるチームであれば、単なる夢物語ではなく、本当に世界を変えるインパクトを生み出せると確信しました。その直感は、今日この日まで一度も揺らいだことはありません。
「普通」を許さない、筋肉質な組織での歩み
入社してからの数年間、私の役割は、開発と営業以外のあらゆる領域を担うことでした。経理、財務、法務、人事、労務といったコーポレート業務はもちろん、まだ名前もついていない雑多な課題もすべて、コーポレート部門で対応するという気持ちで取り組んできました。そしてそれだけの広い業務範囲であれば、当然1人でできるはずがありません。
当時の燈には、私と同じ思いを共有する非常に優秀なメンバーがいました。私たちは、無駄な贅肉を削ぎ落とした超少人数の「筋肉質な組織」として、泥臭い実務のすべてを担ってきました。
当時のメンバーのスタンスを象徴する言葉があります。「そんなの普通のレベルですよね。燈は普通の会社でいいんでしたっけ」という言葉です。世の中の「普通」に安住せず、常に「世界一」を見据える組織として、コーポレートもまた最高水準であるべきだという自負がありました。
しかし、2025年に入り、組織は急拡大のフェーズを迎えます。2024年末には7名だったコーポレートチームは、2025年を通じて30名近い組織へと成長しました。それぞれの分野で高い専門性を持ち、かつ燈の志に共鳴する熱い気持ちを持った仲間たちが、次々とジョインしてくれました。
ここで、私自身の役割も大きく変わりました。 もともと私は、確認・承認を行っている管理職のような役割よりも、自ら現場で汗をかき続けるプレイヤーでありたいと考えてきました。しかし、これだけの規模の組織になった今、私がなすべきことは「作業の完遂」そのものではありません。
新しく加わった仲間たちに、燈が見据えている世界や、大切にしている組織への考え方を伝えていくこと。そして、組織全体が向かうべき目標と個々の活動を正しく繋いでいくこと。スキルベースの管理ではなく、カルチャーベースで組織を繋ぎ止める役割へと思考を変えていきました。
当たり前という「特別」と、情熱の共有

燈での日々は、私に大切なことを教えてくれました。 社会人経験を重ねる中で、いつの間にか「既成概念」に囚われていた自分に気づかされたのです。
ボールペン1本を買うための稟議。 1本の受注契約。 そして、新しく1人の仲間がジョインしてくれること。
世の中では「当たり前のこと」として流されてしまうような出来事かもしれません。しかし、情熱を持って同じ目標に向かい、一生懸命働く仲間が集まる燈において、これらは決して当たり前ではありません。一つひとつが、私たちの挑戦を支える特別なことであり、心からうれしく、感謝をすべきことなのです。
情熱を燃やし、同じ山を登ろうとする仲間がいるからこそ、一歩一歩の歩みに価値が宿る。「世の中の普通は、普通ではない」。この事実に気づけたことは、私にとって大きな財産です。この手触り感のある喜びと感謝、そして同じ志に向かって戦うことの尊さを、私はこれからもメンバーに伝え続けていきたいと思っています。
Xday、そして「みんなの積み上げ」を形にする役割
今回の「Xday」に至るまでのディール。これだけ高く評価をいただいた中でのラウンドを無事にクローズできた今、正直な心境を申し上げれば、まずは一安心したというのが本音です。
野呂から今回のディールについて聞いたのは、何カ月も前のことでした。野呂、COOの石川、そして経営企画の米田らと、今回のインパクトが燈の今後の成長にどうつながるのか、その意義を何度も話し合ってきました。
ディールは、あくまで相手あってのことです。先方の考えを尊重しつつ、私たちのビジョンをどう形にしていくか。極めて限定的なチームの中で、協議と調整を重ねてきました。
この結果は、現場で日々戦い続けてきたメンバー全員の努力の結晶です。野呂、経営企画の米田、私の3名が中心となってディールを進めてはきましたが、これまでにみんなが積み上げてきた「燈の価値」を、一つの形にするためのお手伝いをしたに過ぎません。無事にクローズできたのは、メンバー一人ひとりが圧倒的な熱量で実績を積み上げてきてくれたおかげだと思っています。
燈の歴史「フェーズ2」へ。変わらないカルチャーが世界一への鍵
2025年10月、私たちは新オフィスである御茶ノ水ソラシティへ移転しました。900坪を超えるこのオフィスに移ったとき、私は「燈は創業期の次のフェーズに入るのだな」と感じました。
そして今回の「Xday」をもって、燈の歴史は明確に「フェーズ2」へと突入します。「世界一を目指す」という目標は、まだまだ遠く、険しい道のりです。しかし、私たちがやるべきことは変わりません。それは決して驕ることなく、強い気持ちを持ち、仲間と信頼し合い、凡事を徹底することです。
全メンバーが熱意を持ち、前を向き、泥臭い課題の一つひとつから逃げずに取り組み続けること。その積み重ねの先にしか、世界一の景色はありません。
組織がどれだけ大きくなっても、私たちが守り続けなければならないのがカルチャーです。 燈が世界一になったとき、私たちが扱っている技術領域や、ビジネスモデルは今と全く違うものになっているかもしれません。しかし、たとえ事業が変わっても、今あるこのカルチャーだけは変わってはいけない。むしろ、今のカルチャーを維持し続けることこそが、私たちが世界一に到達するための唯一の条件ではないかとすら思っています。
強い組織を保ち続けるための、私の覚悟
私は現在、CFOという役職を務めさせていただいていますが、自分から「CFO」と名乗ることはありません。私の役割は、組織全体を見渡し、足りないところをカバーし、全体が最適に動くようにすること。言わば「燈という会社が最大限成長するために必要なこと」をするだけです。
スキルで戦うことには限界があります。会社が成長すれば、求められる専門スキルも、自分のロールも変わっていくでしょう。いま何が自分の役割か。それを突き詰めた結果、1年後、私はCFOではないかもしれません。それでも構わないと思っています。燈が勝つために自分がどのような役割を担うのが最適か、それだけを考えています。
組織運営において、私が大切にしている野呂の言葉があります。今から2年前に言われた言葉で、「蟻の穴から堤も崩れる」です。
どんなに小さな違和感であっても、見て見ぬふりをすれば、やがて組織は崩壊します。綻びを見逃さず、小さな問題から逃げずに対処し続けることが重要であると、野呂から伝えられました。
時には、耳の痛いフィードバックをしなければならないこともあります。それを伝えることで、相手から嫌な感情を持たれたり、陰口を言われることもあるかもしれません。それでも、組織を守るためには言わなければならない。そして、他人に厳しいことを伝える以上は、何よりも自分自身を誰よりも厳しく律していかなければならない。そう覚悟しています。
普段、多くのスーパースターが活躍する燈の中で、私の役割は組織の最後尾を守る「シンガリ」です。しかし、組織のカルチャーを保つという点においては、誰よりも先に動く「先鋒」です。その姿を見せ続けることで、他のメンバーも同じように動いてくれるようになると信じています。そして「Xday」を迎えた今、組織カルチャーを守り続けていくことの重要性はこれまで以上に増していくと考えています。
最後に:一生で最高の「想い出作り」をしよう

世界一を真剣に目指す。それは、私にとって一生で最高の「想い出作り」でもあります。
もちろん、世界一になりたい。でも、なることだけが目的ではありません。仲間たちと一緒に、背中を預け合いながら、世界一を目指して一生懸命戦い、ふと気づいたら「こんなに高い山に登っていたのだ」と、振り返って初めて気づく。そんなプロセスを歩みたいのです。
私たちは、最先端のAIを扱っていますが、その実態は驚くほど泥臭い組織です。世界一への道は決して楽なものではなく、大変なことの連続でしょう。しかし、その先には絶対に一生の想い出ができると確信しています。
一緒に夢を追い、最高の想い出をつくりましょう。 本気で世界に挑もうとするあなたの挑戦を、心からお待ちしています。