はじめに
株式会社NITACOが運営する建設業界向けプロダクト【ツクノビ】。 そのマーケティングを担い、オウンドメディア「ツクノビマガジン」をわずか半年で急成長させた坂爪さんに、戦略や取り組みの詳細を伺いました!
坂爪さんの入社経緯
―― 坂爪さんがNITACOに入社されたきっかけを教えてください。
坂爪:代表に誘われたのがきっかけですね!実は代表の新田とは、大学1・2年の頃に同じインターン先で働いていました。しかも、新卒で入社した会社もたまたま同じだったんです。偶然が重なった仲で気も合ったので、お互い会社が変わっても連絡を取り合っていました。
そんな中で突然飲みに誘われまして、会ってみると、NITACOで抱えていた案件を副業で手伝ってほしいと相談されました。実は当時、偶然にも私が転職活動をしていまして、そのことを知らない中での新田からの相談だったんですね。
私もちょうど転職活動をしていることを伝えまして、お互いの現状や将来の展望について話す中で、当初の副業ではなく正社員として働く提案を受け、縁を強く感じたこともあり、入社することになりました。
―― 入社当時のNITACOのマーケティング環境はどのような状況でしたか?
坂爪:一言で言うと「何も整っていない」状態でした。やれることはたくさんあるだろうという中で、「何から、どのようにやればいいのか分からない」という状況です。マーケティング専任の人材もおらず、お客様との接点作りの手法はひたすら企業にDMを送り続ける、という動きをしていました。DM施策の一本足打法で何とか集客して、毎月50~60件近くの商談を何とか対応していた、という記憶があります。
入社後の取り組み
―― その状況から、まずどのような施策に取り組まれたのですか?
坂爪:入社当時、私は別の部署のディレクターだったので、自社サービスのマーケティング業務には携わっておらず、代表の新田がリスティング広告を見よう見まねで始めていました。
DM施策での集客を通して商談をする中で、どんなお客様がどんなことに困っているのかが分かってきまして、「工事会社の人たちが弊社の営業支援サービスに興味を持ってくれてるな」と気づきました。そこで、彼らが検索しそうなキーワードを中心に広告を出稿したという形になります。
また、当時はかなり荒削りなLPをノリと勢いで作ってましたね(笑)。意外とこれがハマって、一定のお問合わせをいただくことができたんです。想定よりも多くのお問い合わせをいただいたことから、「お客様のペルソナを工事会社に絞る」という戦略が固まりました。そこからリスティング広告を軸に、SNS広告など、その他の広告にも予算を投入していきました。
―― 広告施策以外にも取り組まれたことはありますか?
坂爪:色々あります。特に記事コンテンツ(ツクノビマガジン)の作成ですね。この施策から、私が社内のマーケ業務に関わり始めました。たまたま当時予算が余っていると代表から相談があり、この提案をしたことがきっかけです。
リスティング広告をすると、お問い合わせに至った人が「どんなキーワードで検索し、問い合わせをしたのか」が分かるので、そのキーワードに対してSEO記事を書き、記事内に自社サービスのバナーを設置してお問い合わせまでの導線を引く、という施策を進めました。
正直、当時は施策の費用対効果を深く考えないままにやりました。しかし、記事コンテンツが順調に検索エンジンの上位に表示されるようになってくると、記事を見ましたというお客様からお問い合わせが来るんですね。このチャネルからの集客は2つ強みがあり、①課題が顕在化しているお客様からお問い合わせいただけること、②一度記事を作ってしまえば、それ以降は少しのメンテナンスだけであまり集客費用がかからないこと、が挙げられます。
※↓特定キーワードの検索結果1位、3位、4位、10位で自社サービスに関連する記事が出た事例
―― 一連の集客施策について
結果的に、ここまでの「①DM」→「②リスティング広告」→ 「③記事コンテンツ作成」という流れは、のちのNITACOの事業戦略にも影響しました。
というのも、
- ① DMを送って問合せ率や商談内容からお客様のニーズを探る
- ② 1をもとにキーワードを想定し、リスティング広告を出す
- ③ お問い合わせにつながったキーワードをもとに、記事コンテンツを作り集客単価を下げる
という流れについて、今でこそ王道の進め方だとは思うものの、お客様のニーズを理解しつつ、獲得単価も下がるので、事業運営には非常に強力な土台作りに繋がるからです。リスティング広告だけだとどうしても獲得単価に苦しむこともあるかと思いますが、記事コンテンツからのお問い合わせは極端に言ってしまえば費用がかかっていないので、広告単価が少々高くなっても怯むことなく事業運営を続けることができます。
―― マーケティング業務に携わる中で得られたものは何ですか?
シンプルに、「血となり肉となる経験」です。前項の質問で、①~③の流れの話をしましたが、正直、文字に起こすと普通の施策ですし、誰でもできる、あくまでフレームワークのようなものでしかないと思います。ただ、試行錯誤する中で、自分の力で集客した経験ができたので、解像度高く話すことができますし、再現性を持てるようになりました。
弊社では現在、新規事業に挑戦していまして、その事業もメンバー一丸で①DM、②リスティング広告、③記事コンテンツ作成、の流れを踏襲して進めています。まだ立ち上げて半年もたっていないですが、既にお問合せ数では既存の主力事業より超えている状況で、今のスピードで成長すれば、2025年内には既存事業の売り上げを超えると予想しています。
「ツクノビマガジン」の誕生
――「ツクノビマガジン」が生まれたきっかけを教えてください。
坂爪:前の質問でも回答した通り、社内で「予算が余っている」という話が出たときに、記事コンテンツを作るのはどうかと提案したことがきっかけです。前職の経験から私にできることを考えたときに、SEO対策だったからですね。
リスティング広告でお問い合わせに繋がっていたキーワードを参考にしつつ、競合メディアも調査し、競合が当時対策していなかった、一人親方向けの「営業方法」や「集客方法」などをテーマに、予算の範囲内で試験的に50本の記事を作成しました。せっかく作るならということで、ユーザー目線に立ち、ペルソナの設定やユーザーのニーズを仮定立てるなど、コンテンツの質を高めるための基本的なプロセスを大切にしました。
――メディアの成長は順調でしたか?
坂爪:実は記事コンテンツの公開直後~半年ほどは元々の別の業務に忙殺されていたので、ほぼ放置していて効果を見ていませんでした(笑)
しかし対策したおよそ半年後に、記事コンテンツ経由で問い合わせが発生しまして、そこで対策していたことを思い出してPV数を見てみると知らないうちに成長していたんですね。その時は月間で1,000~5,000PV程度だったかと思いますが、「コンテンツを作れば流入を取れる」と確信して、本格的にメディア運営に着手しよう、と代表と意思決定しました。
競合が対策していない、かつ自社サービスへの問い合わせが見込まれるキーワードを中心に、毎月40〜50記事を公開し、半年後には毎月6万人が、1年後には8.5万人が見るメディアにまで成長しました。現在では毎月14万人の建築建設業界の人に見ていただいています。毎月の本数が多くつらい時期でしたが、結果としてはちゃんと伸びたので、四の五の言わずに、まずは数をしっかりやり切ることがいかに大切かを実感しました。
※↓ PV数の伸びグラフ
施策成功のポイント
――マーケティング施策の成功の鍵は何でしょうか?
坂爪:ここまでで良かった点を振り返ると、以下の3つだと考えています。
- まずはやってみる、シンプルな行動力 泥臭くまずはやる、試行錯誤を重ねながら成果が出るまでやり続けること。
- ユーザーに徹底的に寄り添う お客様の課題を理解する努力をし続け、課題に基づいた施策を実施すること。
- 施策の平準化・仕組み化 まずはやってみるから始めた施策を、だれでもできるような運用まで型化することによって、持続的に回るようにして、持続可能な成長を目指す。
――NITACOではマーケティングをどのように仕組み化していきましたか?
坂爪:弊社ではマーケティング業務未経験の業務委託の方にも、お手伝いいただいています。そういった方でも運用できるように業務内容をシンプルにして、それでも効果が出るように仕組み化することを大切にしています。
例えば、過去に作成した2000以上の記事から5本を、テーマ性を統一して毎週メルマガとして発信する施策を行っています。これにより、月4回のメルマガを月間2~3時間の工数で運用しつつ、「ツクノビ」のブランドを定期的にお客様に届けることができています。月に数件はメルマガ経由でお問い合わせをいただいているので、費用をほとんどかけることなくお問い合わせをいただけるチャネルもできました。
※↓ 毎週水曜日のメルマガ
また、サービス内容それ自体にもマーケティングに関わるメンバーが改善・仕組み化できる状態になっています。営業代行サービス「ツクノビセールス」では、業務マニュアルを2カ月かけて作成し、誰が見ても業務ができる仕組みを整えました。その結果、営業代行の事業メンバーの採用要件を広げることができ、受注可能数が増えたり、品質の向上にもつながりました。その結果、お客様から要望のあった、「結果が出なければ全額返金」というプランを始めることができて、サービス価格が50%以上増加し、受注率も20%以上改善しました。その上でもお客さんも成果が出る状態を作れています。
※↓ 業務マニュアルの作成と日々の更新も大切にして、対応品質の向上を目指しています
単純な"集客"だけではなく、"売れ続けるための仕組み作り"に注力できるのは、弊社のマーケティング施策の鍵であり、やりがいのあるところだと思います。
NITACOではマーケティング担当を募集中!
――最後に、NITACOでどんな人と一緒に働きたいですか?
坂爪:世の中の負を解消したい人、サービスを作る経験をしたい人、サービスに人を集める経験をしたい人、ですね。
まず、建築建設業界は本当に人手不足です。日々お客様から頂く声として、「人が足りない」「社内が疲弊している」と、よく聞きます。これは日本全体における課題かとは思いますが、建築建設業界は特に顕著です。困っている人が多い業界で、それぞれのお客様が抱えている課題を解決することに楽しさを感じる方には最高の場所だと思います。
そして、そんな業界でサービスを自分の手でゼロから作り上げ、そのサービスに実際に人を集めるという一連のプロセスを一緒に体験していただきたいです。かつ、自分一人だけに頼らず、誰でも回せる仕組み作りに取り組むことで、組織全体が成長していく過程を共に歩める人に仲間になっていただきたいです。
マーケティングの現場は一見華やかに見えるものの、実際は非常に泥臭く、コツコツと積み重ねていかなければならない所かと思います。だからこそ、前向きで明るいエネルギーを持ち、どんな困難にも粘り強く取り組める方に特に魅力を感じています。SEOで少しずつ成果が出るようになってきましたが、AIが発達した現在、SEO集客に頼っているようではすぐに時代に置いて行かれる思いますので、弊社でも次の手となる様々な施策の仕込みをしています。いま入っていただければ、一定の予算がある中で新たな施策(ホワイトペーパー、展示会、ウェビナー、SNS、等)に挑戦ができるので、他社ではなかなかできない様々な経験をしていただけるのではと考えています。
さらに、私たちの社内は和やかで、建設的な議論が行われる環境だと思います。自分の仮説や施策を自由に試し、挑戦することができる雰囲気の中で、共に成長していける仲間と出会えることを心から楽しみにしています。