カイタクで実際に働くメンバーのインタビューシリーズ。
今回はエンジニア組織の責任者としてチームを牽引する牛頭さんに、これまでの経歴とカイタクが大切にしている“人を育てる文化”についてお話を伺いました。
「自分が何をしたいのか」見つけられなかった学生時代
ーー早速ですが、牛頭さんの幼少期から学生時代までについて教えてください。
キャリアの歩みを振り返ると、原点は幼少期にまでさかのぼります。
小・中学生の頃は、あまり勉強をしなくてもある程度はできてしまう子どもでした。そのため、勉強の習慣が身につかないまま高校に進学しました。
トップクラスには在籍していたものの、次第に周囲との努力の差が開き、気づけば「落ちこぼれ」のような立場になっていました。結果として、高校をわずか1年で中退することになります。
その後は引きこもるわけではありませんでしたが、オンラインゲーム、とくにモンスターハンターに熱中する日々を過ごしていました。その後、再び前を向こうと決めて通信制高校に通い直し、21歳で大学に進学。経済学部で学びを重ねていきました。
ただ、就職活動では「自分が何をしたいのか」をうまく見つけることができず、卒業時には内定がないまま社会に出ることになりました。
何気ない一言から生まれた、叶えたいビジョン
ーーそこからどのように今に至るのですか?
大学卒業後のキャリアは、意外な一言から始まりました。
学生時代から交流のあった方から「エンジニアになってみたら?」と勧められたことがきっかけでした。
独学でドットインストールというサイトを使いながら学び始め、政府の職業支援プログラムを利用して、Web制作やゲーム開発を行う会社でインターンを経験しました。
インターン終了後にそのまま入社し、ゲーム運営やマークアップ、WordPressの構築、ディレクション業務などに携わりました。
中でもデバッグやシステム構築に没頭していました。特にバグを解消できた瞬間の達成感は今でも鮮明に覚えています。
その後、別のWeb制作会社に転職。
ディレクターとして経験を積んだのちに、再び最初の会社に戻ることになったものの、間もなく事業を畳むことになり、やむなく退職することになりました。
そのタイミングで、かつてエンジニアの道を勧めてくれた方から声をかけられ、新しく立ち上げる会社に創業メンバーのCTOとして参画しました。立ち上げ期の約2年間を過ごしましたが、サービスが軌道に乗らず、フリーランスとして活動するようになりました。
その時期に、現在のカイタク(旧社名:イメジン)の案件に業務委託で関わるようになります。
日々開発に触れる中で、エンジニアリングを通じて「自分の力で食べていけるようになった」という実感を得ました。
その経験から「同じように未経験の人や、仕事に困っている人たちもエンジニアリングを身につければ、生活の基盤を築けるのではないか」と考えるようになりました。
いずれはそうした会社を立ち上げたいという想いを、代表の松木に話した際「それならカイタクの中で一緒にやってみよう」と背中を押してもらい、正式に入社を決意しました。
自分で一から会社をつくるよりも、既存の組織の中で開発体制を整えていくことにも魅力を感じていたため、この決断に迷いはありませんでした。
今はカイタクの開発組織を通じて、「エンジニアリングで生活基盤を築ける人」を増やしていきたいと思っています。
「手を動かすこと」を大切にし、共に伴走するリーダーシップ
ーー牛頭さんは現在、カイタクでどんな業務を担っていますか?
開発事業部の部長という立場ではありますが、実際には現場で開発に携わる時間が多いです。もちろんマネジメントの役割を担っていますが、受託開発や社内プロダクト開発のどちらにも関わり、自ら手を動かすことも大切にしています。
実際に「エンジニアとしてコードを書く時間」が、現在の私の一日の大半を占めています。自分で開発を進めていく中で、新しい技術に触れたり、課題に直面したりする。
その積み重ねが、チームを導いていく上でも大切な経験になると思っています。
私自身が現場理解を欠かさないことで、メンバーに多くの気付きを与えることに繋がる。そして、一人ひとりが主体的に成長していける環境をつくることが、私の役割だと思っています。
ーー技術判断や意思決定の際に重要視しているポイントはありますか?
大切にしていることはいくつかありますが、基本的には「組織が持続的に成長できるか」を大切にしています。
当社ではスクラム型の開発を行っているため、細かい判断はプロジェクト単位でメンバーに委ねています。現場でスピーディに決められることが、プロジェクトの推進とメンバーの成長につながると考えているからです。
一方で、組織に新たな技術を取り入れる際には「技術の採用しやすさ」を重視しています。どんなに先進的で魅力的な技術でも、現場で「活用」されなければ意味がありません。ROIを意識し、効率的かつ成果につなげられるかどうかを心がけています。
私は、開発組織そのものを「ひとつの会社」として経営視点で運営しています。
そのため、一人ひとりに意思決定の機会があることを重視しつつも、組織が持続的に成長し、利益や成果へと結びつく技術判断を常に大切にしています。
「フルスタックで自律的」──カイタクのエンジニアに共通する姿勢
ーーカイタクのエンジニアには、どのような特徴がありますか?
私から見たカイタクのエンジニアの特徴を一言で表すなら、「フルスタックで自律的」という点に尽きると思います。
私たちはすべてのプロジェクトにアジャイル・スクラム開発を導入しています。
そのため、スピード感をもって開発を進めるためには、各メンバーが特定領域のみを担当していては全体の流れが止まってしまいます。
だからこそ、一人ひとりのエンジニアに「フルスタック」であることを求めています。
横断的にプロジェクト全体を見渡し、必要なところに柔軟に対応できる力が不可欠です。
また、スクラム開発であるがゆえに、「自律的」であることも重要です。
ウォーターフォール型のようにトップダウンで指示を待っているだけではプロダクトは良くなりません。
UI/UXへの提案や、ビジネスサイドが見落とす課題の指摘など、経験にかかわらずエンジニア自身が主体的に意見を出す姿勢を重視しています。そうした積極的な姿勢が、組織全体の生産性や価値につながっていくと私は考えています。
カイタクのエンジニア部には、「開発だけ」にとどまらず、部全体を支えてくれるメンバーが多くいます。
売上や人件費の管理、サーバー費用の精算、請求対応など、一見エンジニアリングの枠を超えた領域にも自ら手を挙げ、仕組みづくりや改善に取り組んでくれています。
そうした姿勢があるからこそ、私たちは“開発チームを自分たちで経営している”ような感覚を持てています。
カイタクのエンジニアはコードを書くことにとどまらず、プロダクト・チーム・会社を良くしていくために、自ら考え行動する人たちの集まりだと感じています。
今回のインタビューを通して見えてきたのは、牛頭さんの「自律した人材への育成」の想いと、「現場で共に学び続ける」姿勢でした。
誰よりも現場を理解するために、実際に手を動かし続けるリーダー。
「開発組織をひとつの会社のように運営し、“人と組織の成長”を両立させる」意思決定。
そして誰もが自律性を持って、当事者として組織を育てていく文化。
本記事を通して、牛頭さんの開発組織への想いを少しでも感じていただけたら幸いです。
カイタクには、まだ経験が浅くても、真剣に成長したい人が心から安心して挑戦できる環境があります。
次回は、牛頭さんから見たカイタクのエンジニアチームの技術環境や成長環境についてお話しいただきます。