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デライト・ベンチャーズがABABAに期待する「業界No.1」。プレAではリード出資、シリーズAでも追加出資したその理由とは。

ーまずはなぜベンチャーキャピタリストになったのか、その背景も含めて自己紹介をお願いできますでしょうか。

西田(デライト・ベンチャーズ):はい、この度は貴重な機会をいただきありがとうございます。はじめに自己紹介させていただきます。私は2008年に新卒で三井住友銀行に入行し、リテール部門のウェルスマネジメントグループで富裕層の担当をしていました。代表の久保さんの出身である明石でも5年間勤務した経験があります。

2015年に転機がありまして、銀行員をやりながら経営大学院に入学しました。その経営大学院の授業の中で、アメリカと日本の産業の起こり方の違いを学び、初めてベンチャーキャピタルという存在を知りました。日本は財閥を中心に産業が発展していますが、アメリカではベンチャーキャピタルがあることでGAFAMのような世界でもトップクラスの大きな企業が生まれていることを知り、日本でも新しい産業を作りたいと感じました。

経営大学院を卒業するタイミングでSMBC内での公募があり、SMBCベンチャーキャピタルを知り、入社したという経緯です。三井住友銀行に入行後は関西で勤務していたのですが、2017年4月から東京に転居しました。

その後、ご縁があり伊藤忠テクノロジーベンチャーズ、現在のデライト・ベンチャーズと転職をしております。東京では5年半、関西に来て現在(2024年4月時点)1年半ほど経過しておりベンチャーキャピタル歴はちょうど7年ほどになります。

盛島(ABABA CFO):デライト・ベンチャーズでは大阪に移住し、関西中心にソーシングされていますが、なぜ関西だったんですか?

西田:2017年にSMBCベンチャーキャピタルに入社した頃と比べ、東京ではベンチャーキャピタルが増加しています。一方、関西では経済圏や有名な大学があるにも関わらずVCが少なく起業家は東京にいかないと資金調達が難しいと言う現状がありました。この課題を解決するために移住を決めました。

盛島:今や、大阪でシード〜アーリーVCと言えばデライト・ベンチャーズ、といった印象がありますからね。それを切り開いたのが西田さんだと。素晴らしいですね。ちなみに、そんな中でABABAとの出会いがあったと思うんですが、どんな経緯だったんですか?

西田:デライト・ベンチャーズに入社し、関西に移住したタイミングで、関西で行われているいろんなスタートアップ界隈のイベントに参加し、スタートアップ関係者に「おすすめの起業家いませんか?」という話を聞いて回ったところ、何度も出たのがABABAだったんです。

「もう東京行っちゃったんですけど、すごいスピードでPMFしていました。」という話をよく聞いており、関西の若手起業家界隈では認知度は高かったですね。

その後、代表の中井さんから、デライト・ベンチャーズの問い合わせフォームに連絡が来て、面談に至ったという経緯です。

盛島:そうなんですね。その経緯は聞いたことがなかったです。紹介ではなくお問合せフォーム笑なかなかそういったコールドコールから投資に至るケースはあまり聞かないのですが、当時の面談でABABAの印象はいかがでしたか?

西田:中井さんのプレゼンを聞いてとても良いサービスだなと思いました。

ABABAが紹介されている動画のコメント欄に、「神サービス!」「これ自分の学生の時にあったらよかった」と顧客が熱狂しているという印象を受けたんですよ。

最終面接まで進んだら登録できる新卒サービスという類似のビジネスモデルで参入されたときのMOAT(参入障壁)もしっかり考えられていたのも高評価でしたね。

ーちなみに、投資前と投資後に感じられたギャップはありますでしょうか?

西田:いい意味で期待が裏切られた点で言うと、大手も使うサービスだったってことですね。

投資時はお祈りエールの実績も少なく大手向けにワークするかは議論ポイントだったんですが、お祈りエールによる企業ブランディングや、直近でリリースしたお祈りエールのユーザーを第二新卒のタレントプールにする目的で使って頂けるっていう動きが出てきていて驚きでした。

あと、ビジネスモデルが綺麗ですよね。たとえば、多くの就活生はまず大手を受けて、そこに落ちてしまってからベンチャーや中小企業を見ていくっていう流れだと思いますが、ABABAはそこを最適化しにいってます。大手に落ちた就活生がそこまでの頑張りを活かして準大手へ。準大手落ちてしまった就活生が中小企業へ。メガベンチャーに落ちてしまった就活生がベンチャーへという感じです。従来であれば一からエントリーシートを書いてという選考フローがありましたがABABAを利用することで選考フローがカットされたオファーが来るので学生は効率的に就活ができますよね。

最終面接まで進んでから使うサービスなので市場規模も小さく見られがちですが、実際に入社する会社の内定は自分の就活の軸が出来た後半時期に出ています。実際に私も就活していた時はさまざまな業界や会社にエントリーしていました。色々見ているうちに金融業界に行きたいという軸が生まれましたので自分の経験としても合致します。

一見すると小さい市場だけど、実は大きいというのが1番いいじゃないですか。競合があまり参入してこないので。この点は投資する上で重要なポイントでした。

ABABAは中井さん、久保さんにとって3つ目のサービスだったので、他にも課題を発見し、なにかしら新しい事業を思いついてやってくれるだろうという期待もありました。小さく検証していって、良さそうなところをさらに伸ばしていくみたいな、ポテンシャルの部分もポイントでした。

盛島:色々な議論をしていただいた中で、出資の決め手になったポイントはありますか?

西田:社内で色々議論はしていますが、最後は自分の熱量じゃないでしょうか。

結局、投資担当者がどれだけ熱意を持って投資を訴え続けられるかは重要です。「机を叩いてでも投資したいのか」という状態に担当者がなっていないと出資は難しいと思います。

直近のシリーズAでも追加投資していますがぜひ、シリーズBに向けても大きく事業を伸ばしていくことを期待しています。

盛島:別観点として、投資するにあたって、代表の魅力って非常に重要な項目だと思いますが、西田さんから中井と久保の魅力ってどのように見えていますか?

西田:本当にあのふたり、キャラが全然違いますよね笑

中井さんは本当に仕事熱心で、もう常に仕事のことを考えているのが分かります。「中井さんがやってうまくいかないんだったらしょうがないよね。」というくらい働いていると思っています。

久保さんには非常に勢いを感じますよね。

先日、イベントに一緒に参加しまして、その際にメガバンクの役員と近い席だったのですが、ちゃんとABABAのサービスをアピールして共感を得ていました。翌朝にはお礼の連絡をし、秘書経由で人事部とのミーティングをセットしてもらったと聞いています。

盛島:僕も先日、ABABAに融資してくださっている金融機関に一緒に行ってきましたが、役員の方々から本当に祖父と孫みたいな感じで、久保は気に入ってもらっていたんですよね。

「本当、君はどこにでもいるよね。そこ、君の良さだよ。」みたいな笑

私自身も1月からジョインしたんですが、中井は本当にその通り仕事熱心で、常に仕事人間だというのは完全に同意です。また、ジョイン前には中井としか話してなかったので、久保のことは全く知らなかったんですが、久保も本当に仕事人間というか。

スタートアップ関連のイベントに一緒に行っても、名刺交換した人には1人1人に違うメールを送っていますし、寝る間を惜しんでやっていますね。2人とも違うベクトルだけどやることは人一倍やっている印象です。

ー最後に、ABABAにどんな姿になって欲しいと考えていらっしゃるか、お聞かせいただけますでしょうか。

西田:複数事業で売り上げを作って成長する姿をイメージしています。

ABABAが目指している時価総額1兆円を実現するには、周辺領域と掛け合わせていく必要があると思っています。

盛島:HR領域もあらゆるサービスが乱立しすぎてて、参入障壁が低いが故に、人事側の使い分けで疲弊するので日本全体の視点だと損失な気がするんですよね。

いずれはスタートアップ同士の統廃合が起きてもおかしくないなと思っており、そのトレンドが来た時に市場を変えていく立場になっていきたいと思います。

これは余談ですけど、前職の経験で時価総額10兆円超の会社にコンサルで関与した際、のちにその会社の主力事業に急成長する事業買収の経緯を学ばせていただきました。当時の買収担当者はいまや社長にまでなられましたが、当時は「なんであんなとこ買ったんだ」という声もありましたが、成功を信じ、100%のリソースをそこにぶち込んで成功したっていう印象です。

西田:ABABAも今後、新しい事業を始めるときは、片手間では絶対に成功しないので、本当に既存ビジネスをある程度回せる状態になるか、任せられる人をしっかり置いて勝負して欲しいですね。

盛島:売り上げにコミットし続けてきた経験がある方ですよね。HRって課金ポイントたくさんあると思うので、そこを網羅的にわかってる方が入ると安心して新規事業にも注力できそうですよね。そういった方の応募を心から待っております。

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▼ABABAの代表ふたりにインタビュー▼
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