排水処理プラントのメンテナンスを担当し、全国を駆け回るCR課の白井大地には、別の顔がある。飼い犬を訓練して、素行を直す民間資格「愛犬飼育管理士」を持っている。
動物好きが高じて、犬の訓練学ぶ
「動物が好きだった」ため酪農科のある地元の農業高校を卒業。「もう少し身近な動物に関わりたい」と札幌の専門学校で学んだ。学校では、1頭の犬を指定され、1年間のカリキュラムを共にした。「学校を修了してからは、引き取って飼いました」。すでに亡くなったが、今でも「相棒」を思い出す。
帯広の隣町、音更町の出身で、専門学校終了後、犬とともに自宅に戻り、犬の訓練を始めた。人づてなどで「犬に困っている」という話が舞い込み、10年近くで延べ50頭ほどの犬を扱った。「犬の訓練は好きじゃないとできない仕事。素行の良くなった犬をみれば、治ってよかったと思う。ただ、なかなかそれだけではお金にならなかった」と明かす。
転職、資格取得、MVP
コンビニのバイトを経て、地元のパチンコ店に就職する。しかし、勤務していた店が閉店となり、始めた就職活動でヒューエンスに出会った。排水処理など予備知識はほとんどなかったが、面接の感触が良く転職を決めた。
「勉強は苦手」と笑うが、入社から半年ほど経った2024年11月には「浄化槽管理士」の資格を取った。さらに25年3月には、関西地方のプラントを委託業者にうまく引き継いだことが評価され、「MVP」※1を受賞、自身初の海外旅行となったグアムへの研修旅行を勝ち取るなど、周囲に成長を感じさせている。
犬にもプラントにも個性
「ようやくスタートラインに立てたかな。でも現場は教科書通りに行かないことが多く、まだまだ勉強」と語る。犬が一頭ずつ個性があるように、排水処理プラントも工場によって違いがある。「正解はなく大変だけど、推測して行った処置がはまって良い変化が起きたら、お客さんにも喜ばれる」。この達成感がいつも原動力だ。
※1 ヒューエンスでは3カ月に1度、活躍した社員にMVPとして研修旅行が贈られる。
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「Undercurrent」とは底流。ヒューエンスに流れる「いま」を伝える新しいコーナーです。ヒューエンスのメンバーやビジネス、そしてヒューエンス発祥の地で本社を置く帯広・十勝のあれこれなどを紹介していく予定です。新聞社を退職した元記者で、総務部の三浦祐大が編集長を務めます。