- マンガ編集者
- フロントエンド
- Customer Success
- Other occupations (20)
- Development
- Business
- Other
(2022.8.28)
はじめまして!
お読みいただきありがとうございます。
Webtoon事業部で縦読み漫画Webtoonの漫画編集をしています、堺といいます。
(「編集者」ってずっと名乗りたかったので、今これを言えている自分がとても誇らしいです…!)
現在、神戸市内の大学4年生、24歳です。
そう、24歳で、まだ大学生。ストレートで大学に入学し、計2年、大学を休学しました。
出版就活をしていて、思うようにいかなくて苦しい思いをしている、
そんな方の背中を少しでも後押しできる記事となれば幸いです。
突然ですが、私の過去をお話しさせてください。
私は、小さな島の小さな漁師町で育ちました。クラスの生徒は全員3歳からの幼馴染です。
家族同士の付き合いも密接な環境。
クラスメイトの両親を「◯◯ちゃん」「◯◯くん」と名前で呼ぶくらいの距離感です。
周りの友達は週末によくお泊まり会をし、夏休みに「泳ぎに行こう!」と言えば入り江の高台からひたすら飛び込み。
放課後はみんなで一緒に習字やそろばん教室に通います。
よく「明日、”のんとば” 集合ね!」と言って、集まって遊んでいました。
そんな中で私は、幼い時からちょっと浮いた「変わり者」でした。
小学時代。
習い事のバトントワリングの練習のため、週末も夏休みも毎日県内のあちこちを走り回りました。
島育ちのくせに、実は海で泳いだ回数は、両手の指に収まるほどしかありません。
「夏休みの思い出 感想文」の発表会では、読み上げる最中に突然バトンを披露。(体育館が沸きました。良くも悪くも。)
みんなが1年で一番楽しみにしている秋のお祭りにも、練習があったので1度しか参加したことがありません。
放課後は船に乗って四国本島にある塾へ通い、小学校4年生まで “のんとば” がどこにあるのか知りませんでした。
中学進学の時は、「面白そう!」という心の赴くまま、四国本島の私立学校を受験し、島を飛び出しました。
習い事も、進学も、同級生の多くが選ぶ道を選ばなかった私を、誰もが「変わってる」と思ったに違いありません。
(浮いてはいましたが、仲は良いです!!小学6年生の2月ごろに中学が離れ離れになることを伝えた時、みんなに「は?もっと早よ言えよ」と怒られました。)
今思えば小さい時から、私はすごいんだぞ、こんなこともできるんだぞって、みんなに主張したかったのだと思います。
気づけばそれは、私の人生の軸になっていました。
みんなが「すごい」と思うようなことをやってのけて、ギャフンと言わせたいという欲求が私を突き動かすのです。
そんな私を明確に形成したのは、ルフィと銀ちゃんでした。
中学時代は週3で本屋さんに立ち寄り、ONEPIECEと銀魂を1冊ずつ買ってバレエのレッスンに向かい、帰りのバスで読み耽る毎日。
彼らの、大義を抱いて突き進む姿は、いつも私に勇気をくれました。
どんな困難も気合いで乗り切れると思っていた私に、それを打ち砕くほどの挫折が訪れます。
大学に入り、某テーマパークダンサーの夢を諦めたことです。
私は、自分の「好きなこと」に対して家族が投資してくれた時間とお金がそのまま、私の仕事につながること、それが恩返しになると信じていました。
しかし、私が大好きなことをする姿だけが、果たして家族を支えるほどの力を持つかと考えると、そうではないと思うようになったのです。
自分がやっと生きていけるだけの収入を得て、それで自分は幸せなのだろうか。
極め付けは、大学に入って専門のレッスンに通い始めた時。
自分と周りとの圧倒的な実力差を目の当たりにしてしまったことです。
私は人に「信じる気持ちが人一倍強い」と言われますが、
「自分には実力がある」と信じていた私の心が、ものの1日でバッキリ音を立てて折れました。
「初めて見たステージで受けた、衝撃的な感動を私も与えたい」
中学からの大きな野望を失い、エンタメの道を選ぶことが怖くなって、ダンサーを目にするたびに泣いていました。
そんな大学生活を送り、迎えた就活。
「本当はこんなことがしたいんじゃないのに」と思いながら就職活動をしていた私を後押ししてくれたのは、『ブルーピリオド』という、やはり漫画でした。
『ブルーピリオド』の佐伯先生のセリフで
『ブルーピリオド』1巻より「好きなことは趣味でいい」これは大人の発想だと思いますよ
どっと沸き起こる感情の波に寄せられて、一瞬で人を焚きつける力を見せつけられました。
その時、私が幼い時から抱いていた「人をあっと驚かせたい」という軸を発揮する場は、ここ(漫画)にあると感じました。
こうして迎えた就職活動1年目
出版業界を視野に入れ始めたのは大学4年生の4月。
遅いですよね。
準備もままならないまま大手出版社にエントリーし、すべて二次の筆記試験で落選。
その他、漫画でなければ、小説でも映画でもいい、とにかく感動を起こす何かを作りたいと臨んだ就職活動はあっけなく全落ち。
面接までこぎつけられたのは、わずか5社でした。
9月を迎えても、出版業界以外のエントリーシートは出せませんでした。
何も書けなかったからです。
漫画編集をしたいと思ってまだ5ヶ月なのに、妥協するのはまだ早いんじゃないか?
そう思った私はここでようやく(?)、周囲がドン引きするような決断を下します。
2年目の就活を志すことでは飽き足らず、
2度目の大学休学を決意して、東京に引っ越すことに決めたのです。
例えば展示会1つ取っても、開催場所は大体東京で、その頻度も高い。
東京旅行中に電車に乗れば、車内でも駅構内でも大量の広告が目に入る。
出版社に限らずベンチャーでエンタメを担う企業もあり、アルバイトして人脈を広げられれば、規模は小さくても何かしらエンタメの内側に携われるかもしれない。
東京を選んだ理由は、日々生まれ続ける鮮度の高いエンタメに触れられると感じたからです。
今思えば無鉄砲で計画性のない話ですが、とあるブックホテルでアルバイトしたり、コンテンツ型のホテルを運営している会社の社長と出版就活についてお話ししたり、、、
そして、たくさんのコンテンツに触れながら日々を過ごしました。
こうして巡り巡って、ソラジマと出会ったのです。
仲間を見つけた
一度目の就職活動の際に登録していたWantedlyというサイトで、Webtoonのマンガ編集者を募集している会社を目にしました。
それが、「株式会社ソラジマ」です。
とにかく漫画をつくりたい!と思っていた私は、(お恥ずかしながら)詳細も読まずに応募ボタンをタップ。
選考を受けるにあたって、
「誰もがバカにする、大きな夢を叶えてみせるー。」
というスローガンを見た時、仲間を見つけたような気持ちになりました。
「それは無理やろ」という言葉が世界で一番嫌いな私。
じゃあ私がやったるわ、とリベンジ精神むき出しな私の暴走を
ここなら応援してくれる気がしました。
面接、分析試験、企画立案、2週間の実務試験という超絶ハードな選考に必死に食らいつきながら、選考を「楽しい」と思えたのは初めてでした。
内に秘めたる熱意
正直言って、私は自分をプレゼンする力が圧倒的に低いです。
「私はこれがやりたい!」「こうしたい!」という感情を口に出すことが極端に苦手。
実際にソラジマで実際に働く社員とのメンバーインタビューの機会をいただいた時も、「本当にコンテンツを作りたいのかわからない」との印象を与えてしまっていたことを後で知りました。
それまでの他社の面接で、「熱意がないと感じたため」とお見送りされたこともあります。
しかし唯一、私の熱意を見出してくださったのもまた、ソラジマでした。
1次面接時、担当してくださった面接官の方はあらゆる角度の質問を通して私の熱意を「知ろう」としてくださいました。
質問内容は、なぜ東京に引っ越したのか、東京を選んだ理由、家族をどう説得したのか。
「自分の想いに対してどう行動してきたか」をかなり深く質問してくださっていました。
実際、休学、2年目の就活、東京への引っ越しなどを決意する上で、家族への負担や自分の精神的負担といった壁がいくつもありました。
それを承知の上で今ここにいること。
その行動をみて、熱意を汲み取ってくださったのです。
至らない点も全てひっくるめて私を拾ってくださった以上、必ず結果を残してやろうと心に決めて入社しました。
入社1週間後、1発で企画を通す
これは私の人生の勲章の1つとなった出来事なので、かなり堂々と言わせてください…!
内定をいただいて、その後「内定者インターン」が始まります。
「いつから働けますか」という問いに、思わず
「もう、来週からでも!」と返事をしてしまった私は、
それまでの1週間の間に、リストアップされた待機中の企画書を読み漁って過ごしました。
読みすぎて内容が頭に入ってこなくなりながらも、1から100まで読むつもりで。
その過程で私は「何がおもしろい企画なのか」の判断基準をぼんやりと抱き始めていました。
それは、
「どんなに頭が疲れていても、面白い企画は内容がスルスル入ってくる」
だと思っています。
=フックの強さにも繋がってくるのだと思いますが、
読み手を惹きつける要素が1つでもあることがポイントだと思っています。
言葉で言うのはとても簡単なのですが、これが本当に難しくてなかなか作れません。
加えて、これは入社前からシェアいただいたソラジマ独自のWebtoonマンガ編集者の教科書に書かれていたことの一部ですが、
「面白い企画であれば、いろんな展開の案がポンポン湧いてくる」
は、まさにその通りだと思います。
「自分が好きな世界観か」ではなく
こうしたら面白そう、こんな展開もできそう、といった案が出るかどうか。
そんな企画を1本見つけ出し、若干の修正を加えて出した結果、一発でOKをいただきました。
「たまたま」とは言わせません…!(社内のメンバーは誰1人、そんなことは言いませんが)
泥臭く企画を読み漁って勝ち取った、努力の1本だと思っています!
「編集は泥臭い仕事」と、就活をしていた時にとある編集者の方が仰っていましたが、私はこれを入社前に実感したのでした。
1ヶ月経った今、感じているソラジマの熱さ
企画を本格的に形にしていく中で、
改めてソラジマの「ヒットにかける情熱」を感じました。
1、フィードバックを出し惜しみしない
Webtoonマンガ編集者はひとり1本連載を担当し、複数のクリエイターをまとめて漫画制作を行います。
そして各Webtoonマンガ編集者が複数名集まって「チーム」を組んでいます。(イメージですが、「ジャンプ編集部」「マーガレット編集部」といったものをチームと置き換えていただくと分かりやすいかと思います。)
チームで週に2回、進捗を共有しあったり、自分の作品を客観的に見てもらって意見を仰ぐ会議を開くのですが、このフィードバックの文化、かなりアツいです。
「ここはもっとこうした方がいい」「自分だったらこうする」「ここの演出が分かりづらい」といった具合に、
忖度抜きで、プラスなものからマイナスなものまで、みんなが正直に意見を出し合います。
ただし、それを反映するかは、担当している本人が決める。
この条件があるからこそ、みんな出し惜しみすることなく意見を出せているのだと思います。
自分の作品がより良くなるだけでなく、メンバーの作品に対してもフィードバックすることで「見る目」が培われていると感じています。
また、「この作品を自分が担当していたら」という目線で作品を読むので、
より良いものになっていくと自分のことのように嬉しいですし、同時に自分も頑張らなきゃとハッパをかけられる思いです。
2、打たれ強い人、何度も立ち向かう姿勢を受け入れてくれる人
ソラジマでは今、年内に26作品公開をするための「アルファベットプロジェクト」に挑戦しており、Webtoonマンガ編集者がこぞって制作に取り組んでいます。
ただ、うまくいくばかりではありません。
当たって砕けまくって、至高の1本を作り上げます。
例えば私の事例でいくと、
私が2作目に挑戦する機会をいただいてからの1ヶ月間は、計6本の企画を6名の作家さんと練りました。
ですが、「これが絶対おもしろい!」という感情にまで辿り着けずにいました。
その後、0から自分で立てた企画を社内の皆さんからフィードバックを受けまくり、何度も作り直してやっと至極の1本を制作にまで持っていくことができました。
ここで学んだことは、「自分がやりたいだけの企画は面白くない」ということです。
自分で企画を練るほど、第三者目線を持つことが難しくなっていきます。
すると、社内でいただくFBも鋭いものになっていきます。
(そのどれもが、強い説得力を持っています!)
でも誰1人めげないですし、「この企画どうですか」という相談に親身になってくれるメンバーばかりです。
実際に作品を作るのは自分1人ですが、積極的にフィードバックを求めにいく姿勢、フィードバックを出す姿勢が浸透していて、孤独を感じない文化が作られていると感じます。
2022年、私がソラジマで叶えたいこと
ずばり、自分の作品で業界をあっと驚かせることです。
売上でも、クオリティでも、引けを取らないものを皆様にお届けしたいと思っています。
そして、まずは家族にその報告をしたいです。
私のわがままを聞き入れてくれた家族に、最高の報告をすることが目標です。
「かっこつけんな!」
って言っている大学時代の友人の姿が容易に想像がつきます。
この記事が、彼らにだけは見つかりませんように…
「夢はでかくなけりゃ、つまらないだろう?」
ここまでお読みいただき、ありがとうございます!
くっさいセリフですが、私はずっと泥くっせー私で24年生きてきました。
そして、そんな姿勢を良しとしてくれる環境が、ソラジマにはあります。
漫画編者をどうしても諦め切れないのに、
「とりあえずどっか入っとけ」
って言ってくる人を見返すチャンスがここにあります。
熱苦しいですか?
そんな人ばかりです。ソラジマは、そんな人を待っています…!