「地球貢献型企業の組織変革を支援する」。
リバネスノームズのホームページにあるこの言葉が、今回のインタビューの出発点でした。社会貢献という言葉はよく耳にします。では、地球貢献とは何を意味するのでしょうか。
お話を聞いたのは、株式会社リバネスノームズ取締役の藏本斉幸さん。編集者・ライターとしてキャリアを重ね、現在は地球貢献型企業の組織変革に伴走しています。
普段は取材をする側に立つことが多い藏本さん。今回は話す側として、編集者時代のこと、独立後に感じた問い、そしてリバネスとの出会いについて振り返ってもらいました。
知らない世界を見せてくれるものが好きだった
ーーまず、藏本さんのこれまでのキャリアについて教えてください。
藏本:
僕は文学部出身で、もともとは雑誌が好きだったんです。編集者になりたいと思っていました。雑誌に惹かれていたのは、自分の知らない世界に出会える感覚があったからだと思います。
大手出版社も受けましたが、思うような結果にはつながらなくて。その後、小さな制作会社に入りました。そこで編集、ライティング、ディレクションなど、紙媒体からWebまで幅広く経験しました。
30歳頃には独立して、デザイナー、カメラマンと一緒に株式会社MANNを立ち上げました。
文章、デザイン、写真の3人で組めば、企業の魅力をまるごと伝えられるんじゃないかと考えていました。
作った先に、何が積み上がるのか
ーー独立後、ブランディングの仕事に取り組む中で、仕事への向き合い方に変化はありましたか。
藏本:
ブランディングの仕事は好きでした。編集や制作の仕事にも価値を感じていました。
ただ、自分の中では少しずつ別の問いが大きくなっていったんです。
パンフレットを作る。Webサイトを作る。記事を書く。
一つひとつの仕事にはもちろん意味があります。でも、納品したところで関わりが終わってしまうことも多い。
その先に何が積み上がっていくのか。そういう問いが、自分の中で少しずつ大きくなっていきました。
その頃、お客様から言われた言葉が印象に残っています。
「別にあなたたちの作品を作らせるために、このWebサイトがあるわけじゃない。」
その通りなんですよね。かっこいいものは作りたい。でも、それだけでは十分ではない。
このWebサイトやパンフレットは、誰のためにあるのか。何を実現するためにあるのか。仕事を通じて、自分たちは何に貢献できるのか。そういうことを考えるようになっていました。
「こんな話、聞いたことない」リバネスとの出会い
ーーリバネスとの出会いは、どんなきっかけだったのでしょうか。
藏本:
ライターとして、リバネス代表の丸幸弘さん(現:リバネス代表取締役 グループCEO)を取材したことがきっかけです。
それまでにも多くの経営者へ取材してきましたが、丸さんの話はまったく違いました。これは面白いな。こんな話、聞いたことないなと思ったんです。
研究者としての視点、科学技術から社会を見る視点。そこには、今まで出会ったことのない世界の見方がありました。
僕はもともと、知らない世界を見せてくれるものが好きだったんだと思います。丸さんの話を聞いていると、かつて雑誌で感じていた「知らない世界に出会う面白さ」に近いものを感じました。
その後、リバネスとの仕事が少しずつ増えていきました。
リバネスには、創業以来掲げている「科学技術の発展と地球貢献を実現する」というビジョンがあります。新しい事業も、新しいプロジェクトも、そのビジョンとつながっている。僕にとって、それは「作って終わり」ではない仕事に見えました。
本当に世の中のための仕事ができるんだ、と思った記憶があります。
一つひとつの仕事が、同じ方向へ積み上がっていく。その感覚に強く惹かれました。
組織の変化に伴走するということ
ーーなぜ「社会貢献」ではなく「地球貢献」なのでしょうか。
藏本:
社会貢献って、人間がいかに心地よく暮らせるかという考え方に近いものだと思うんです。もちろん、それ自体は大切なことです。
ただ、人間中心の発展だけを追い求めてきた結果、環境問題や資源問題も生まれました。
人間さえ良ければいいよね、だけでは地球という惑星自体が持たない。
そもそも地球がまずあって、人間がいる。人間がいて地球があるわけじゃない。
リバネスの創業メンバーは、理工系の大学院生たちでした。科学技術を発展させるだけではなく、その技術がどう使われるかにも責任を持ちたい。その考え方の先にあったのが、「地球貢献」という言葉だったそうです。
ーー「地球貢献」を掲げる企業に伴走する中で、どんな重みを感じていますか。
藏本:
その重みは、歴史ある企業の組織変革に伴走する中で、何度も感じてきました。
企業が新しい時代に向けて自社のあり方を見直す時、変わるのは経営方針だけではありません。会社が長い時間をかけて積み重ねてきた歴史や価値観、現場で働く人たちの判断にも関わっていきます。
経営者の思いを言葉にするだけでは、組織全体は変わりません。社員一人ひとりが、自分たちの仕事とのつながりを感じられるように、対話を重ねていくことが大切だと思っています。
丁寧に向き合える人と、正解のない仕事に挑みたい
ーー理想的な仕事の進め方は見えているのでしょうか。
藏本:
理想的なものはないです。一つ一つを真摯にやっていくしかないと思っています。
フォーマットやテンプレートがあって、これをやれば正解という仕事ではありません。一社一社と向き合いながら、その企業にとっての形を探していくしかない。
でも、だからこそ面白いんです。
ーー最後に、どんな人と一緒に働きたいですか。
藏本:
丁寧な人ですね。
地球貢献型企業の組織変革に伴走するということは、人の人生や会社の歴史に関わる仕事でもあります。
だからこそ、小さなことをおろそかにせず、目の前の人や組織に丁寧に向き合える人と一緒に働きたいです。
あとは、素直に物事を受け取れる人ですね。正解がある仕事ではないので、問い続けることを楽しめる人にとっては、面白い環境だと思います。
「地球貢献」という言葉は、一見すると大きな言葉に聞こえます。
しかし藏本さんの話を通して見えてきたのは、壮大な理念を掲げることではなく、一つひとつの仕事に丁寧に向き合いながら、その意味を問い続ける姿勢でした。
一社一社の歩みや価値観に向き合いながら、その企業にとっての変化のかたちを探していく。
リバネスノームズのブランディングは、そうした対話の積み重ねなのだと思います。