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ウォッチディーラーは一生続けられる仕事、接客を通して歴史と技術を次世代に受け継いでみませんか?

身近な道具として、誰もが身につけているアイテムに時計がありますが、時計は単に時間を示すものではありません。手仕事で作られる高級時計は技術の粋を集めたもので、他に類を見ない、優れた工芸品でもあります。

私たち株式会社クランは1989年の創業以来、高級時計のセレクトショップとして歴史を積み重ねてきました。

今回は、自社ECサイトのWebデザイナーや販売担当、修理受付担当の募集に伴い、ウォッチディーラーの魅力ややりがいを、当社取締役兼営業本部長の小笠原匡にインタビューしました。

小売り・卸・海外販売まで、幅広くアートピースを扱う「高級時計の総合商社」

――導入として、小笠原さんが入社してから現在までの、クランの歴史を教えてください。

私は大卒で某商社に勤め、時計好きが高じて20数年前に株式会社クランへ入社しました。創業当時のクランは店舗販売がメインでしたが、私が入社してから卸売を本格的に始めたんです。

時計業界では同業者同士で時計を融通しあう習慣がありまして、これを「仲間売り」と言います。私が入社した当時も高級時計の輸入は行っていて、輸入した時計の一部を仲間売りをしていたんですね。これを卸売業として確立したわけです。

開始当初は色々な軋轢もありましたが、今では業界でも珍しい、小売り・卸・海外販売・修理など、時計に関するありとあらゆる流通を担う会社になりました。

今では扱う商品の幅も広がり、新品・ユーズド・ヴィンテージなど、腕時計と呼ばれるものを幅広く扱っています。このような業態の時計店は全国でも当社だけだと思います。

――例えるなら「高級時計の総合商社」ですね。時計店は全国に数多くありますが、なぜ同様の業態がないのでしょうか?

ビジネスとして利益や経費を重視しようとすると、私どもと同じ業態は難しいと思います。しかし、私たちは時計好きの集まりですから、時計のあるところには自然と足が向いてしまうんですね。

あくまで高級時計にこだわっているので、ブランド品のカバンやジュエリーには手を出しませんし、1万〜2万円のファッション時計も扱っていません。高級・輸入腕時計のセレクトショップというジャンルにこだわっています。

セレクトショップですから、自分のセンスで仕入れてお客様にご提供したい。私も時計が好きでこの業界に入りましたし、クランは時計好きの集まりです。時計店を営むなかで、商売として面白い方向性を模索していたら今の業態になりました。

――先ほど、「利益や経費を重視しようとすると同じ業態は難しい」と話していましたが、事業の継続性はどのように担保しているのでしょうか?

そこは仕入れのスケールメリットを活かしています。高級時計も10本仕入れれば価格の交渉ができます。そのうち当店舗で5本売って、あとの5本は卸で流通させます。

――なるほど、卸と小売りがうまく噛み合っているのですね。

「お客様には夢見心地になっていただきたい」、ゆえに最上の購買体験をお届けする

――クランは名古屋の栄や港区の南青山にも店舗を展開していますが、お店にはどのようなお客様が訪れるのでしょうか?

地域によって様々です。たとえば名古屋は大手メーカー各社のお膝元ですので、ビジネスマンの方や製造業の実業家の方々がご来店されます。南青山なら高級車でご来店される若いお客様もいらっしゃいますね。

全てのお客様に共通しているのは「何か素敵な時計がないかな」という気持ちです。

他業界で言えば、ファッション業界のセレクトショップをイメージいただくとわかりやすいと思います。各ブランドの「今年の春はこのアイテムがおすすめですよ」という提案がお客様に評価されています。

私どもは時計のセレクトショップですから、お客様は「今シーズンはどんな提案をしてくれるのだろう?」と期待を胸にして来店されます。

近年ではネット通販のみのショップも増えてきましたが、私どもがやりたい商売は「お店に来ていただき、商品を見て、触ってもらってご購入いただくこと」です。

お客様には「なにか良いものが入っているかな」と店舗に足を運んでいただき、「これ良いじゃない!」と感動していただきたい。だからリアルの店舗が大事なんですね。

そのため、店舗にはものすごくお金をかけていますし、什器も特注です。お客様にはお店で高揚感を味わって、夢見心地になっていただきたいんです。

――時計だけなく、購入体験もクランの商品なのですね。

「ウォッチディーラーは一生続けられる仕事」、株式会社クラン取締役が話す時計販売の魅力

――ここで話を変えて、仕事の魅力について聞いていきましょう。小笠原さんはこの仕事を20年以上続けています。この仕事にどのような魅力を感じていますか?

自分が目利きしたものを売る魅力は何事にも代え難い喜びです。クランは社員が自ら商品を仕入れ、什器や店舗のデザイン、陳列もひとつひとつ考え抜いて販売しています。そのうえでお客様から「今日はいい買い物ができた、良い時計を紹介してくれてありがとう」と言われると、やはり嬉しいですよね。

そのほかに、時計そのものの魅力もあります。時計はずっと一緒にいられるし、常に見ていられる道具です。「相棒」と言ってしまうと陳腐になりますが、時計は自分と一体となり、思い出になっていきます。

手元にあるこの時計もメンテナンスを重ねれば100年使えます。3代使える機械は他に無いと思いますよ。

高級時計は人間の手で作り上げられますから、大量生産ができるものではありませんし、希少性も高い。限りある資源なので、いくらでも市場に流通するものではありません。

さらに美術品として大変優れたものが多いですし、ゼンマイ仕掛けで自力で100年動きます。とてもロマンがありますよね。

私もお客様にヴィンテージ時計を売る時は、「歴史を買うと思ってください」とお話しします。

――時計販売員は歴史と技術を次の世代に受け継いでいく仕事でもあるんですね。

その通りです。時計の世界はどこまでも奥深いので、一生続けられる仕事だと思います。

一般的に多くの人は60歳で定年を迎えます。けれど時計販売員は60歳になるともっと売れるようになるんですね。ベテランは経験と言葉の重みが違うんです。

いまは転職が当たり前の時代ですが、時計業界なら一生知識と経験を積み上げて続けていけます。積み上げてこそ開花する仕事ですし、私も「一生できる仕事だ」と思ってこの世界に飛び込みました。

挑戦に寛容で、時計の知識を深められる企業風土

――次はクランで働く魅力を教えてください。

うちは何にでも挑戦できる環境を用意しています。入社半年〜1年は基礎を覚えてもらうためにベーシックな仕事を覚えてもらいますし、言われたことを正確にやるところから始めてもらいますが、基礎ができたらどんどんチャレンジしてもらいたい。

たとえばディスプレイは「こんな感じに並べたらどうでしょう?」と提案できますし、「並べ方がいいね、こうしたらもっとかっこよくディスプレイできるかも」と誉められるのがうちの会社です。「誰が勝手にやったんだ」とは絶対に言いません。

現に私も入社1ヶ月の頃から海外に仕入れに行かせてもらいました。英語は不得意でしたが、時計は品番と相場感が分かれば商売ができてしまいます。その後の卸への挑戦もそうですが、チャレンジを許容してくれたから今のクランがあると思います。

――今回の求人では Webデザイナー、時計の販売、時計の修理受付販売など幅広い職種を応募していますが、他のポジションへのチャレンジも許容しているのでしょうか?

もちろんです。Web担当で入社しても店舗に立ってもらえますし、仕入れにも参加できます。その逆もありです。社員には広い視野を持って欲しいし、物欲と好奇心を備えて欲しい。それがOKなのがうちの会社だと思っています。

それに今の時代は、挑戦にあまりお金はかかりません。新規事業を始めたいなら一回提案して欲しい。理屈が通っていたら「じゃあいっぺんやってみようか」と言えることもあると思います。そういうふうに新しいことに挑戦していれば、絶対ビジネスのヒントが見つかるし、多少失敗してもノウハウが溜まりますから。

そういった考えで、近年では異業種とのコラボレーションにも挑戦しています。ファッション業界で有名なセレクトショップと提携してヴィンテージウォッチを常設してもらったり、高級スーツに合わせて薄型のドレスウォッチのフェアを実施したりしました。

これからの時代は時計単体でビジネスを考えていてはいけません。時計を軸に異業種とタッグを組んでいける人を求めています。

――ポジションに捉われず、自身の可能性を伸ばしていける環境なのですね。

挑戦できる環境は用意していますし、時計の勉強がしたければ資料も豊富に用意しています。うちは創業から30年以上経ちますから、1冊数万円するような資料を数百冊保管してあります。

私は社員に「時計のことを調べるなら必ず文献を読みなさい」と伝えているんですね。インターネットの情報は中立性を欠いているし、「嘘でしょう?」と言いたくなるような情報も山ほどあります。

その点、書籍は編集者の名前も書いてあるから責任が問われますし、何度も校正されているので、非常に信憑性が高い情報です。

実は、時計に関する文献は日本では入手が難しいいんです。その点うちには豊富な資料と経験豊富な人材がいます。その気になれば勉強できる環境は、時計好きには魅力的な環境だと思います。

求めるのは本気でお客様に寄り添える人

――ここからは求める人材像を教えてください。

まずは時計が好きであることですね。惹かれている理由はなんでもいいんです。時計のかっこよさ、機械のメカニズム、アートピースとしての美しさ、そのほかにも魅力はありますが、どれかに目覚めていて欲しい。

私も趣味が高じてこの世界に入ったので、入社当初はプロではありませんでした。しかし、知識や経験は積み重ねていけます。

今回はWebデザイナーも募集しますが、デザイナーにも時計のことを知って、覚えて、好きになって欲しいですね。

写真ひとつとっても時計にはそれぞれ最適なハイライトや見せるべきディティールがありますし、時計好きがグッとくる撮り方があります。この勘所を掴んで欲しい。

――今回は販売ポジションも募集しますが、店舗ではどのような人を求めているのでしょうか?

お客様に合わせて瞬時に提案を切り替えられる勘も大事ですし、センスも大事ですが、最も重要な素質はいかにお客様に寄り添えるかです。これは「本当に消費者目線になって考えられる人」と言い換えても良いかもしれません。

クランでは数千万円の時計から数十万円の時計まで幅広く商品を用意しています。そのなかで、「自分のお小遣いの範囲で、30万円くらいで購入したい」と来店される方もいらっしゃいます。

ここで大切なことは、30万円の時計なら、自分が30万円払う気になって寄り添えるかどうか。人によって金銭の価値は変わります。余裕がある方にとって30万円は大したお金ではないかもしれません。しかし、コツコツとお小遣いを積み立てて30万円を用意されたお客様もいらっしゃいます。

その方にとって30万円の時計は、すごく思い入れのあるものになるでしょう。だからこそ、親身になってセレクトをお手伝いしたいですし、後日時計の調子が悪くなったら、最大限寄り添って修理したい。ここは値段じゃないんですね。その方がどのようなものを求めているか、その想いにいかに寄り添えるかが大事なんです。

だからこそ、お客様のご予算とニーズに本気で寄り添って、お客様が喜ぶご提案ができる人が理想的です。高い時計を売っていると「自分は偉い」と勘違いしてしまう人もいますが、絶対に上からものを言ってはいけません。

――お客様の立場に立ったおもてなしの心が必要なのですね。

その通りです。そういった真心はマストで持っていて欲しいですし、時計の知識や直感も必要です。

商談は最初の2分が勝負どころで、スペックが好きなお客様にはスペックの話を、ファッションが好きなお客様にはコーディネートの話を瞬時に判断してご提案していきます。

これは例え話ですが、黒ひげ危機一発というゲームがありますよね。たくさん剣を刺すとなにかが当たるはずなんです。それはファッションの話かもしれないし、車の話かもしれない。最終的に時計の話に落とし込むことができますから、お客様とのコミュニケーションのなかで糸口を探れる人がいいですね。

――では、興味の幅が広い人が向いていますね。

好奇心旺盛な方がいいです。探究心があれば時計にも造詣が深くなりますから。

――今回は時計修理の受付担当者も募集していますが、同じような素養が求められるのでしょうか?

修理受付の場合も同じようにとことん寄り添い、お客様を失望させない対応ができる人がいいですね、

先日床に時計を落としてしまったお客様から修理依頼のお電話をいただきました。多くの外装パーツがケースから飛び出してしまった状態でしたが、「パーツを全て持ってきてください」とお伝えして、店頭で「なんとかしますから、お時間だけください」と時計をお預かりして直しました。

こうした真摯な対応がお客様の信頼を生みますし、店舗があるからこそ打ち出せる強みだと思います。

対面の接客だから提供できる価値がある

――お話を聞いていると、接客業の経験者に向いたお仕事だと感じましたが、高級時計を扱う以上ハイクラスなお客様とのお付き合いが予想されます。クランでは、どのような経験を持った人を求めているのでしょうか?

理想を言えば、ある程度社会経験があり、ハイクラスの接客経験があると嬉しいです。こちらから商品をご提案して「こういった商品もございますよ」と提案できる人ですね。

これだけWebが消費の主流になっても、「良い商品を直接見たい」「気に入った商品をもう一度見たい」という要望はなくならないと思います。

この要望に応えるために、私どものような販売員がいます。商談している時間自体が楽しくなるような、お客様にとって価値あるプレゼンができる人を求めています。

――おもてなし目線で考えると、キャビンアテンダントや高級ホテルで働いていた人などにも適性はありますか?

うちの接客は目に見えないサービスを大切にしていますので、そういった方々も歓迎しています。

店舗で実施していることで一例を挙げると、雨の日にご来店されたお客様は傘立てに傘を置きますよね。私どもはスッと黙ってその傘を巻いて傘立てに戻しておくんです。こうしたさりげないおもてなしがうちの接客の基本です。

目指すブランドの姿は“古き良き時代の百貨店”、信頼と安心をお客様に届けたい

――クランは今回新たな人を迎え、次のステップに踏み出そうとしています。最後にクランが実現したいビジョンを聞かせてください。

今後はよりブランドの価値を高めたいと思っています。目指すのは古き良き時代の百貨店です。昔は有名店の包装紙には真心がこもっていると言われていました。包装紙は、贈る人もいただく人もほっとして嬉しくなると信頼の証だったんです。

私どもも同様に、お客様にはクランで時計を買う安心感や高揚感を味わっていただきたいですし、「ここで買えば間違いない」と思っていただけるよう努力していきたい。多少ネットより価格が高くなってしまうかもしれませんが、「気持ちの良い買い物」は、対面で会話のキャッチボールをしなければ生み出せません。

成否はお客様に接するスタッフが左右します。求められることは高度ですが、その分お客様からの「ありがとう」が価値あるものに感じられるはず。その魅力を覚えると、自然とお客様に寄り添うことができると思います。

ご興味を持たれた方はぜひ一度お話を聞きに来てください。

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