まずご経歴からお伺いしてもよろしいですか?
大学卒業後、紡績会社に経理として入り、いわゆる財務諸表を作成するところなどを担当してました。それまで会計士になるための勉強をしていて、会計学や数字に興味があったんです。
やがて紡績会社を退職し、TBIホールディングスという会社の経営企画室に入ったのですが、そこでわかったのが、飲食業界の労務管理はとても大変ということ。しっかり法律を守りながら、利益を出すのはとても難しいんです。でも、テクノロジーを使って問題解決できるんじゃないかとはずっと思っていました。
そのうち縁あって、日本で初めてキャッシュレス店舗を手掛けた会社に転職することができました。現在もその会社には在籍しているのですが、そこでPOSの開発などをしていくなかで、ツールの連携先としてイー・カムトゥルーと出会ったんです。
イー・カムトゥルーは、最初は取引先だったのですね。そこから参画することになったきっかけは?
いわゆる飲食の日次決算ツールを提供しているサービスのなかで、イー・カムトゥルーはかなり先進的な考え方を持っていました。例えば「データ連携をしたい」と言ったらAPI連携してくれるし、UIUXを追求しているし、ほかの飲食店の売上管理システムではあまりないことなんですよね。
機能的にも、日次決算をするうえで必要な情報がすぐに確認できる。飲食業界にとって、日次決算はとても重要なんです。売り上げに対して食材費や人件費、宣伝費に日々どれくらいかかっていて利益がどれだけ出るのか?という当たり前のことをしっかり管理しないと運営がうまくいかない。いままではそれが感覚値でしかわからなかったので、テクノロジーで解決すべきなんじゃないか、という話をするなかで、イー・カムトゥルーとビジョンが一致したんです。
いま改めて社外取締役という立場から、安部さんの目にイー・カムトゥルーという会社がどのように映っていらっしゃるのかお伺いしたいです。社員とはまた一歩違う視点で見られているのかな、と思いますが。
チャレンジできる場所を提供し、サポートしながら起業家を成長させていくという、創業時の想いがいまも根底にあるなと思います。そしてイー・カムトゥルー自身もチャレンジしながら新しい考え方や技術をどんどん取り入れているのかなと思いますね。
どういう野心や展望を持っている方がこの会社に向いていますか?
ひとつは、自分のやってきた専門分野を極めたいと思っている人。エンジニアでも経理でも営業でも、とことん極めていきたいと思っている人。イー・カムトゥルーという会社であれば、もう一歩踏み込んだチャンレンジができると思います。
あとはやっぱり飲食がキーワードになっているので、飲食業界が好きな人かな。
安部さん自身はどういう人と働きたいですか?
覚悟を持った人。そして、最後までやりきる人。チャレンジって、往々にして途中で終わっちゃうじゃないですか。でも、そこは覚悟を持って進めていきますっていう気持ちがある人と仕事がしたいです。ずっとそんな風に考えていると疲れてしまうんですけど、状況が良くないときにもポジティブに進んでいけるといいですね。
安部さん自身が納得できる状態はどんなところとお考えですか?
前の会社では自分が納得できるよう日次決算ツールがなかったので、それができるようにしたいと思いながらやっています。シンプルに言ったら、今日までの店舗の損益を自動で見たい、というだけなんです。
かつイー・カムトゥルーでは、誰でも使えるような、わかりやすく、簡単に使いやすいツールを作らないといけないと考えています。
新しい日次決算ツール「れすだく」を使った飲食店の方に、使用感のフィードバックをいただくことはありますか?
まだリリースして間もないのですが「数字の確認が早くなってうれしい」「管理が楽になりました」という声はいただきます。あとは「やることがなくなりました」という声も(笑)。
でも、数字が見えるようになったからこそ「次に何を考えるか?」「次に何をするか?」ということに気づいてもらえるようなプロダクトに成長させなければいけないなと思っています。
安部さん自身は今後、チャレンジしてみたいことはありますか?
個人的には、いま東京の神田にワインバーをオープンさせようとしているのですが、キャッシュレスかつワンオペで回せるようにしたいんです。実はまだ、そういうお店はないんですよね、世の中に。キャッシュレスのお店はあるけれど、まだ現金がなくなっていない。まずはそこを実現させたいですね。
あとは、飲食店のお客さんのデータ分析にチャレンジしたいです。いまの状態だとどんなメニューの注文が入ったかはわかるけど、それを誰が食べたかまではわからない。でも、完全キャッシュレスにすることで注文と顧客が紐づくんです。そういうデータを蓄積することで、自分のお店だけじゃなく、みんなで飲食業界を盛り上げられたらと思います。