こんにちは。株式会社LIGHTz CEOの乙部です。
これまで、LIGHTzとしての情報発信はイベントへの登壇や媒体への寄稿がメインとなっていたのですが、より会社・事業への想いや、文化・メンバーについても知っていただく場を作りたいと思い、これからwantedlyでの発信をスタートしていきます。
それにより、LIGHTzの想いに共感して、社名の由来でもある「明るい未来をやさしく照らす光 = 灯(ともしび)」を一緒に創っていただける方々と少しでも多く、お会いできればと考えております。
初回は創業までのストーリーと、私たちのプラットフォーム「ORGENIUS(オルジニアス)」を紹介したいと思います。
10年前の想いとORGENIUS
思い返すと、始まりは2011年の東日本大震災にあります。私は岩手県盛岡市の出身ということもあり、震災後に約1年間ほど陸前高田でのボランティアへ参加していました。
東京からの通いで、炊き出し・瓦礫撤去・子供達とのイベントなどに関わっていたのですが、ご支援をしていく中でなかなか行き届かなかったりと、もどかしい気持ちも抱えました。それでも、ボランティアを離れなければいけなくなった時、“何かの役に立ちたい”と「今、何がほしいですか?」と率直に質問を投げかけてみると、多くの方々から「仕事が欲しい」というお言葉を頂きました。(当時は力不足を痛感したことを覚えています…。)
そこから、まずは会社・仕事を生み出せる、雇用を創出できるような自分になろう、と思ったのが根幹にあります。そこから考え始めたのが、「地方での雇用創出」とそれを実現しうるサービス「ORGENIUS(オルジニアス)」でした。
ものごとにはいろんな原理原則がある、それを詰め込んだ物をつくりたい
LIGHTzのプラットフォームである「ORGENIUS(オルジニアス)」は、日本の宝である伝統工芸などの製造業、農業・スポーツなどの知見・知識を引き継ぐ、技能継承をしていく熟達者AIです。名前の語源はorigin(原理原則)で、世にある「原理原則」を詰め込み、多くの方々の助けになれば、という想いを込めています。
特に物づくり分野に強いプラットフォームなのですが、日本には本当に多くの貴重な伝統工芸や、それを造っている技能があります。私のファーストキャリアであるキヤノン株式会社や、製造業向けのコンサルティングに従事していた時も現場で多くの技能を見てきました。物づくりのプロとたくさんの会話をしてきました。
その中で課題に感じたのが、このままでは「技能が継承されない」ということ。物づくりでの特殊な技能というのは、「個人の経験」に基づいてこそ習得できたり、質が向上したりする場合が多いです。つまり、無意識や感覚的なことが鍵となります。
例えば「あなたはなんで歩けるんですか?」というような、無意識で行っていることを言葉にして伝えるのは難しいですよね。そのような言語化しにくい貴重な「経験・知識・思考」という資産を、テクノロジーの力を用いてより多くの方々に繋いでいきたいと考えています。
「経験・知識・思考」が絡み合った、深く複雑な技能継承のAI化とは
では、どのように複雑な「技能継承」AI化しているのか。通常、AIは数式やアルゴリズムなどの技術を使いますが、私たちは言葉でAIを造っていく「BrainModel(ブレインモデル)」を開発しました。熟達者たちの複雑な思考を整理した上で、「この言葉はこの言葉と繋がりがある」などの情報が可視化できる言語のモデルにし、そこからAIを造ることができるようになっています。それにより、熟達者を始め、誰でもAI造りに参加することができます。
ORGENIUS(オルジニアス)管理画面。熟達者の頭の中に浮かぶワードと複雑な紐付きを可視化したもの
この「BrainModel(ブレインモデル)」をベースとして、
・熟達者の網羅的視点や 推察思考をエンジンとする情報検索システムの構築
・熟達者の定点観測的な 視点を仮説とする データ解析システムの構築
・現場経験として蓄積された判断や技能を埋め込んだ 工場自動化 や IoT推進
などに発展させています。
少しイメージが付きにくいかもしれないので、情報検索システムについて工場での不具合発生時を一例として説明したいと思います。
工場で不具合などが発生してしまった際、私たちは「既にその不具合が起こった後」の状態しか見ることができないため、何が原因かわからないこともありますよね。通常ならば、若手だと半日程かけて、知見者へのヒアリングや過去事例の調査を行いますが、この情報検索システムを利用すれば30分程で調査が可能になります。検索をすると、関連する過去事例やキーワードが抽出され「熟達者ならどう考えるか」という思考の仕組みが可視化され理解を助けてくれます。つまり、検索者へ「どのポイントから考えたら良いか」という気づきを与えることができるのです。
技能継承はもちろんのこと、熟達者たちがその場にいない環境などでも、多くの方々の思考の手助けとし、伝統と誇りを新しい世代へ紡ぐプラットフォームとなっています。
多くの方々と関わる中で見つけた、LIGHTzとしての地方雇用創出のかたち
このような伝統的な技能は、特に地方で眠っていたり、埋没してしまったりする可能性が高いのですが、LIGHTzとORGENIUS(オルジニアス)であれば10年前の私では叶えることができなかった雇用創出に少しでも貢献できると思っています。
その第一歩として、現在創業3年目ではありますが、佐賀(有田町)・山形・岩手(現在開業準備中)に拠点を構えました。各拠点は、その地域ごとの伝統文化を紡いでいく象徴として成長して欲しいという想いで、「ランドマーク」と呼んでいます。
各ランドマークは、その地域に根付いた伝統文化(工芸)など紡いでいくべき技能・知識を、その土地の方と会話しながら立ち上げています。佐賀(有田町)では、佐賀県窯業技術センター(*)と連携して約400年もの歴史がある有田焼きの焼結加工やセラミックの技能伝承に貢献し、日本経済新聞でも取り上げていただきました。
(*)佐賀県内窯業界の発展と振興のために研究開発、技術支援、事業化支援、人材育成等に取り組む技術センター
有田焼の作品
今後も当初掲げた、地域の雇用創出という社是を全うするためランドマークを海外含め展開していく予定です。ランドマークでの新しい仲間についてはその土地で探し、地域愛を持って盛り上げて行って欲しいと思っているので、少しでもご興味お持ちいただける方は、ぜひお気軽にコンタクトしていただければ思っています。
「明るい未来をやさしく照らす光 = 灯(ともしび)」を一緒に創りませんか?
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