― IPOを経験し上場させた企業の役員を10年経て、もう一度ベンチャーの山を登る。執行役員・濱矢 浩吉さんインタビュー
今回お話を伺ったのは、執行役員として管理本部・商品管理部・経営企画部を管掌する濱矢浩吉さんです。
ベンチャーキャピタルでの経験を経て、事業会社の上場準備や経営企画、管理本部、M&Aなどに携わり、その後は上場企業の役員を10年以上務めてきました。
十分な経験を積み、一度はキャリアの大きな山を登り切ったようにも見える濱矢さん。
しかし、りらいぶへ入社した当時は肩書きもなく、経営管理部の一員としてのスタートでした。そこからわずか9か月。現在は執行役員として、会社全体の土台づくりを担っています。
インタビュー中、濱矢さんは大きな言葉でご自身を飾ることなく、一つひとつの質問に静かに答えてくださいました。
けれど、その言葉の奥には、揺るがない意志がありました。
なぜ、もう一度成長途中の会社へ飛び込んだのか。
そして、りらいぶで何を成し遂げたいのか。
濱矢さんが胸に持つ静かな炎に、株式会社りらいぶ採用担当が迫ります。
上場を経験し、会社の成長を支えてきた
濱矢さんのキャリアは、ベンチャーキャピタルから始まりました。
約9年間、成長企業と向き合った後、事業会社へ転職。経営企画として事業戦略や株式公開の準備に携わり、その後は管理本部長として会社全体の管理体制を担いました。
未上場の段階から上場までを経験し、上場後は役員として10年以上にわたり、グループ会社との連携やM&Aなど、幅広い経営課題に向き合ってきました。
企業が成長するためには、売上を伸ばす力だけでは足りません。
成長性。
収益性。
そして、継続的に事業を運営するための安定性。
そのすべてを支える仕組みが必要です。
「事業が伸び続けるためには、内部体制を整えることが欠かせません」
濱矢さんは、これまでの経験を通して、事業を前へ進める力と、その成長を支える管理体制の両方を見てきました。
「まだ、やることがあるんじゃないの?」
長く企業経営に携わり、上場も経験した濱矢さん。
キャリアだけを見れば、すでに一つの到達点を迎えていたとも言えます。
そんな濱矢さんに、りらいぶの佐々木社長はこう問いかけました。
『まだ、やることがあるんじゃないの?』
具体的な役割や肩書きを提示する言葉ではありませんでした。
「これまで十分に経験を積んできた。でも、人生を終える時に“自分はやり切った”と言えるだろうか。まだ果たすべき使命が残っているのではないか」
そんな問いだったと濱矢さんは振り返ります。
「割と深いんですよね、うちの社長は」
そう話す表情は穏やかでした。
けれど、その問いは濱矢さんの中に確かに残りました。
そして見つけた答えが、
“日本発で、世界に通じる仕事をすること。”
りらいぶを、世界で戦える会社へ育てることでした。
一度やめた山登りを、もう一度
上場企業の役員を長く経験した人が、成長途中のベンチャーへ移る。
その決断に、ためらいはなかったのでしょうか。
りらいぶの採用担当が尋ねると、濱矢さんはこう答えました。
「一度、山を登ることをやめたんです。でも、もう一度登ろうと腹を決めました」
一度は登り切った山。
そこで得た経験を持って、今度は別の山へ向かう。
しかも、りらいぶが目指しているのは、気軽に登れる山ではありません。
「8,000メートル級の山を、無酸素で登ろうとしているようなものです」
決して楽な道ではない。
整っていないことも、これから決めなければならないこともあります。
それでも濱矢さんは、その挑戦を重荷ではなく、目標として捉えています。
高い目標を立て、達成するために必要なことを考え、着実に前へ進める。
濱矢さんは、自身を「目標達成型の人間」だと表現します。
声高に熱意を語るのではなく、決めた目標へ向かって一つずつ手を動かす。
そこに、濱矢さんらしい静かな強さがあります。
「一点の曇りもなく、正しいことを」
濱矢さんが仕事をするうえで、譲れないものがあります。
それは、正しいことをすること。
管理や経営の仕事では、すぐに答えが出ない判断も少なくありません。
複数の選択肢があり、それぞれに利害があることもあります。
そんな時に立ち返るのが、会社の経営理念や行動規範です。
「以前から部下には、“一点の曇りもなく、正しいことをやりましょう”と伝えてきました」
りらいぶもまた、誠実であることを大切にしてきた会社です。
表面的な条件ではなく、根底にある価値観が重なったことも、濱矢さんがこの会社を選んだ理由の一つなのかもしれません。
世界へ進むために、まず足元を整える
「世界を目指す」と聞くと、海外営業やマーケティングのような華やかな仕事を想像するかもしれません。
しかし、濱矢さんがまず取り組んでいるのは、会社の足元を整えることです。
入社当時、りらいぶは事業が急速に拡大する一方で、その成長を支える管理体制は、まだ発展の途中にありました。
そこで濱矢さんは、予算管理や経営管理の仕組み、組織運営のルールなど、会社として必要な基盤を一つずつ整えていきました。
取締役会を適切に運営できる体制づくりにも携わり、社長一人の判断だけでなく、経営陣が議論しながら会社を動かす仕組みをつくりました。
現在は人事や経理をはじめとするバックオフィスを起点に、全社の内部体制を整えています。
「世界へ出るなら、それに耐えられる会社でなければいけません」
商品が広がり、関わる人や企業が増えるほど、会社として求められる責任も大きくなります。
大きな目標を実現するために、まずは足元を固める。
目立つ成果だけを追うのではなく、成長を持続させるための土台をつくる。
それが、濱矢さんがりらいぶで担っている役割です。
日本発の商品を、世界へ
濱矢さんが目指しているのは、単に会社の規模を大きくすることではありません。
りらいぶの商品を世界中へ届け、人々の健康や生活へ貢献することです。
現在は海外を一つの市場として、現地の価値観やニーズに合わせた展開も検討しています。
日本と海外では、商品に求めるデザイン性も、使い方も、伝わりやすい言葉も異なります。
日本で成功した方法を、そのまま持ち込めばよいわけではありません。
現地で暮らす人の感覚を理解し、新たな価値を届けていく構想もあります。
前職でも、日本国内で大きく成長したサービスの海外展開に向き合った経験がある濱矢さん。
その時に感じた難しさがあるからこそ、今度は日本発の会社を世界へ届けたいという思いが強くあるそうです。
どんな会社が“良い会社”なのか
濱矢さんは以前、“働きたい会社”をつくる取り組みにも深く携わってきました。
組織改善を進めて、高い評価を得た経験もあります。
しかし、今振り返ると、良い会社の形は一つではないと感じているそうです。
高い目標を追うことにやりがいを感じる人。
家庭や自分の時間を大切にしたい人。
安定した環境で力を発揮する人。
変化の大きな環境を楽しめる人。
それぞれに、望む働き方があります。
「何が正解かは、その人によって違いますよね」
だからこそ、会社側が一つの働き方を押しつけるのではなく、多様な人が力を発揮できるルールや仕組みを整える。
成長を求めながらも、一人ひとりの事情に応えられる会社へ。
濱矢さんがつくろうとしている内部体制は、会社を管理するためだけのものではありません。
社員が安心して働き、それぞれの力を発揮するための土台でもあります。
最後に――どんな人と働きたいですか?
「経営理念に共感してくれることは前提として、話していて楽しい人がいいですね」
濱矢さんが一緒に働きたいと話すのは、会話のキャッチボールができる人です。
りらいぶでは、仙台と東京にオフィスがあるため、離れた拠点で働くメンバー同士が連携する場面も多くあります。
自分の考えを伝えること。
相手の言葉を受け取ること。
必要な情報を、適切なタイミングで共有すること。
会社が成長するほど、コミュニケーションの重要性は高まっていきます。
そしてもう一つ。
「8,000メートル級の山を無酸素で登ることを、面白いと思える人がいい」
変化も、忙しさも、乗り越えるべき課題もあります。
それでも、まだ誰も見たことのない景色を目指し、仲間と一緒に登っていく。
その挑戦を楽しめる人にとって、りらいぶは面白い場所になるはずです。