大手総合不動産『南平台プロジェクト』への導入決定! 大手とのプロジェクトも多数
空間解析システムの開発・提供を通じて、人にとっての最適な空間・環境づくりを追求している株式会社MyCity。2017年3月に創立したばかりのITベンチャーとして、コアメンバーとなる人材を求めている。
同社が提供しているのは、センサーや画像解析、位置情報を用いて、一人ひとりにとって最適な場所を探す/つくるプラットフォーム『MyPlace』。“働き方改革”をサポートするスマートオフィス向けの『MyPlace for Office』、住まいやエリア、街単位で快適な暮らし方をサポートするスマートホーム/スマートシティープラットフォーム『MyPlace for Home』に大別される。
『MyPlace for Office』には、次のような機能が盛り込まれている。
●位置情報検索:ビーコンを設置することで、ユーザーの位置情報を可視化。フリーアドレスやテレワークでチームメンバーが散在していても、どこにいるかが一目で把握できる。多様な働き方改革の実現と共に、コミュニケーションの活性化も促進。同時に、自身のいる場所に紐付いた機能を利用。
●空調制御: 自席周辺の温度の確認や調節がスマートフォンやPCででき、快適な環境で働くことが可能。
●利用状況の把握:トイレの個室などの利用状況をリアルタイムで確認することで、待ち時間のストレスを解消するとともに無駄な離席を不要に。また、ラウンジやテラスの混雑状況を表示することでリフレッシュできるサードプレイスとしての利用を促進。
『MyPlace for Office』は、デベロッパーを通じてオフィスビルの付加価値として提供されたり、テナントである企業のオフィスに直接導入されている。前者としては、第1号として大手総合不動産が渋谷で手がけている「南平台プロジェクト」のビル全館への導入が決まり、数千名利用予定である。
「個人の好みや業務内容をもとに最適な場所をレコメンドしたり、集まったデータを分析し、チームメンバーの動きや会議室などの使い方と業績との相関を割り出して改善に繋げるといった、より踏み込んだ機能も開発中です」と代表取締役の石田遼氏は言う。
『MyPlace for Home』は、1,500世帯の集合住宅への導入プロジェクトが進行中。自宅の最寄り駅に着いた時自動的に部屋のエアコンつけて、風呂を沸かしておくといった機能があるのはもちろん、集合住宅の共有スペースの予約やイベントの情報なども把握できるようにする。
「家の中が便利になるだけでなく、近所付き合いを活性化させたり、近所のお店を探せたり、気持ちいい暮らしを実現します」(石田氏)
将来的には、これらのサービスを一体化し、1人のユーザーがあらゆる状況においてシームレスに快適に空間を使いこなせるプラットフォームを目指している。
グループ4社で“IoP”(Internet of People)プラットフォームの構築を目指す
石田氏は、東京大学大学院で建築や都市計画を専攻し、修了後はマッキンゼー・アンド・カンパニーで国内外の企業や官公庁に都市開発や公共政策のコンサルティングを手がけた。
「仕事を通じて、漠然と“技術で都市を変えたい”と考えていた時、株式会社Liquid代表の久田康弘氏と出会ったことが大きな転機となりました」と石田氏は創業の経緯を話す。
生体認証エンジンの開発・提供を手がけるLiquid社は、指紋認証の入退室管理システムなどで不動産領域に関わりがあり、株主である東急不動産や三菱地所といった大手デベロッパーとのプロジェクトを行っていた。さらに同社には、サービス開発のため、IoTや機械学習、画像解析に長けたエンジニアが在籍している。
「Liquidでは、クライアントのニーズもありスマートオフィスやスマートホームへのアプローチを考えていたのですが、推進役が不在でした。ここならば、自分がやりたかった“技術で都市を変える”ことができると確信し、創業4年目の同社にジョインしました」(石田氏)
入社後、Liquid社の新規事業としてスマートシティー関連のプロジェクトに着手したが、市場ニーズの高まりと可能性を実感。別会社化し専業的に取り組むべきと、2017年3月にLiquidグループとしてMyCityを設立する。
「世界中のいろいろな都市で暮らしたり働く中で、自分にとって"ここがいいな"と思える場所を都市や建物の中で見つけられると、生活がとても豊かに楽しくなることを実感していました。"都市を使いこなす"とでもいうのでしょうか。一方で、サイバー空間においては、Personalization、Optimization、Customer Experienceが実現していますが、リアル空間ではまだまだ未開の部分があります。技術で人と都市をつなぐことで、もっと多くの人がうまく都市を使いこなせるようになるプラットフォームをつくり上げていきます」(石田氏)
グループには、ほかにアパレル向け『空間・体型認識(3Dボディスキャニングサービス)』を手がける株式会社SYMBOL、研究開発センターのRecreation Lab.を擁している。生体認証(Liquid)・体型認識(SYMBOL)・行動認識(MyCity)・新領域創出(Recreation Lab.)の4社が組み合わさって、グループとして“IoP”(Internet of People)プラットフォームの構築に挑む。
最低限のミーティング以外はリモート勤務・スーパーフレックスタイム制を採用
2018年11月現在の同社メンバーは10名。うち5名は常勤、5名は業務委託などの非常勤である。事業推進やエンジニアリングなど、それぞれの領域におけるプロフェッショナルぞろいだ。メンバーの自律性を最重視している同社では、常勤メンバーにおいても最低限のミーティング以外は勤務場所も時間も自由。そのためか、副業として起業しているメンバーや、大学の研究室に所属しているメンバーもいる。
「それぞれの主体性を尊重するとともに、ベストパフォーマンスを発揮してもらうことを期待して、これといった決まり事は設けていません。クライアントの働き方改革を推進する立場でもあるので、自分たちはその最先端をリードしていきたいと考えています」と石田氏。
全体の状況は、週1回の定例ミーティングで共有しているほか、日頃のメンバー間のコミュニケーションはslackやskypeを活用。そして、4半期ごとに丸1日を使い、全メンバーの業務目標や個人的な目標および進捗状況を共有し、お互いにサポートし合う機会をつくっている。
「業務だけでなく“家族との時間をつくる”とか“マラソンで4時間を切る”といったプライベートの目標も共有し合い、チャレンジするスタンスを確認しています。そのほか、アーリーステージにある会社として、会社のビジョンと現状のすり合わせや制度設計についても、全員でじっくり話し合う機会にしています」(石田氏)
同社が求める人材像について、石田氏は次のように言う。
「自律的に自走できることと、常にチャレンジし続けられること。業務経験がなくとも、そのマインドセットがあれば当社でいくらでも活躍していけると思います」
創業2年未満のベンチャーであるが、すでに数々の大手企業とのプロジェクトを推進している同社。優秀なメンバーぞろいの刺激的な環境で、手応えのある仕事にチャレンジできるに違いない。