連続小説【第5話】「コードに触れる。自分に触れる。」 | 株式会社ZERO-1
あらすじ📘 『営業から、デザインへ。』自由な働き方に憧れて、未経験からIT業界へ飛び込んだナナミ。最初の仕事は、まさかの"対面営業"。コードを書く夢は遠く感じた--。でも、人と向き合うことで見え...
https://www.wantedly.com/companies/company_7460853/post_articles/978671
自由な働き方に憧れて、未経験からIT業界へ飛び込んだナナミ。
最初の仕事は、まさかの“対面営業”。コードを書く夢は遠く感じた——。
でも、人と向き合うことで見えた“本当の仕事力”が、やがてデザインの力になる。
営業、カリキュラム、仲間との支え合い……小さな挑戦の積み重ねが、未来を変えていく。これは、夢を諦めなかったひとりの未経験者が、“自分らしい働き方”を手に入れるまでの物語。
クリックしたら文字が変わった。
ボタンを押したら、背景が切り替わった。
「動いた!」と声が出たのは、たぶん今日が初めてだった。
HTMLやCSSで見た目を整えるのも楽しかった。
でも、JavaScriptには“命を吹き込む感じ”があった。
コードの中に、「反応」がある。仕組みがある。少しずつ、自分の手の中に世界ができていく感覚。
だけどその分、最初のつまずきは大きかった。
if文?
const? let? varの違い?
「うわ、もう無理かも」って、何度も思った。
講師とのMeetレビューでは、少し気恥ずかしそうに質問した。
「今って、めちゃくちゃ初歩的なこと聞いてますよね…?」
すると講師は笑って言った。
「初歩的じゃないですよ。JavaScriptの“基礎”って、実は一番奥が深いんです。
だから、今ちゃんと悩めてるって、すごく良いことです。」
——“悩めてるって、良いこと”。
営業では分からなかったことが、コードでは「動かない」として返ってくる。
ある意味、素直だと思った。
営業のときに身についた“伝える力”は、コードにもちゃんと活きている。
読みやすく、伝わりやすく。伝えたいことを意識して書くこと。
それが、少しずつ身についている気がしてきた。
まだまだ分からないことだらけ。
でも——今、私はこの“分からない”が、ちょっと楽しい。
講師とのレビュー、同期との会話、Slackでの質問…
伝えるって、怖い。でも、伝えないと始まらない。
“できない”を認める強さが、私を少しだけ前に進めてくれた💬