2023年6月、quod(クオド)のメイン拠点の一つである福岡にオフィスを開設。新たにPRメンバーを募集し、本格的にチームとして始動することになりました。東京から福岡の糸島へ移住し、2拠点生活を始めたマネージャーの福重に、福岡チーム立ち上げの経緯やquodの魅力、今後の展望について聞いてみました。
自分に合った働き方を探して
−前職ではどんなことをされていたんですか?
新卒で総合広告代理店に入社して丸5年働きました。肩書きは営業でしたが、企画からデザインまで考える何でも屋さんのような感じでしたね。そこから自社商品の広告に携わりたいと思うようになり、大手の不動産事業会社に転職。分譲・賃貸マンションの広告戦略やマーケティングなどを担当しました。仕事はすごく面白かったし、不動産業界の知識や視点が得られたのでいい経験になったんですけど、一日中ビルの中で過ごすという働き方がどうも自分には合わなくて。営業時代はずっと外に出ていたし、親が転勤族で子どもの頃から色々なところに住んでいたので、転々とするスタイルが私にとっては普通だったんですよね。それで、自分に合った働き方って何だろう?私のやりたいことって何だろう?と思うようになって、仕事を辞めて旅行したりしながら、自分と向き合う時間を作りました。
趣味の庭園巡り@東福寺 南明院
−どんな答えが出ましたか?
これまでのキャリアを考えた時に、特別なスキルはないけど、広告を主軸にマーケティングだったりデザインだったり販促だったり、反復横跳び的に隣り合ったスキルを広く身に付けてきたなと思ったんですよね。1個を突き詰めるより、多くのことに触れる方が自分のやりがいにつながるんだったら、広告枠で何かを表現するだけじゃなくて、その他の手法もやってみたいなと。それってPRなのかも?と思って、PR会社に絞って転職活動をしました。
−quodに入社した経緯は?
たまたまWantedlyで見つけたんですけど、最初エージェントを利用して転職活動していたので、Wantedlyは見ていなかったんです。と言うのも、私、結構カッチリした世界の中で社会人生活を送ってきたので、Wantedlyのカジュアルさがちょっと怖くて(笑)。でも色々な会社の情報を見ているうちに、考え方がやわらかくなったんですよね。一からPR修行を積んで、きちんとPRの仕事ができるようにならなきゃいけないと思っていたんですけど、もっと自分の個性とか、やりたいことに振ってもいいのかもって。PRだけじゃなくて、他にもできることを増やした方が、よりやりがいを感じられるんじゃないかなと思えたんです。quodの募集を見つけた時、すでに選考が進んでいる別の会社があったんですけど、代表の中川さんのプロフィールを見たらなんとその会社の出身と書かれていて、あ、この人から全部盗めばいいじゃん!って(笑)。
−その偶然も、ちょっと運命的に感じますね。
そうですね。結局、Wantedlyではquodにしか応募しませんでした。面接では中川さんと話したんですけど、実際に会ってみてやっぱりquodの考え方っていいなと思えたし、お互いのマッチ度がすごく高かったと思います。その時、quodで働く未来しか見えなかったので、「どうせ内定をいただけるんだったら早めにしてください」って強気で言いました(笑)。
福岡エリアディレクターの中川と、マネージャーの福重
目先の利益だけで仕事をしない
−入社後、戸惑うことなどはありましたか?
私が入社した2022年はまだまだコロナ禍真っ只中で、入社の瞬間からほぼ遠隔。quodは正社員、業務委託、プロジェクト単位のパートナーなど、働き方もみんなさまざまなので、この人誰なんだろう…?みたいなことは正直よくありました。私は人見知りで自分から話しかけるのは苦手なんですが、その時は積極的にコミュニケーションを取りに行きましたね。これまでは会社が敷いてくれたレールの上を歩くことが当たり前だったので、不安もありつつ、でもきっとこれが私に合っているんだろうなって半分言い聞かせながら、気付けば2年近く経っていました。
−quodのPRの魅力は?
目先の利益だけで仕事をしないところ。例えばプレスリリースを5回打ちたいとクライアントから言われたとしますよね。でもそんなにたくさん出しても意味がない場合には、入ってくるお金は減るとしても、「5回ではなく3回にしましょう」とこちらから提案します。逆にクライアントにとって今は利益になるかもしれないけど、将来負の遺産になる可能性があることに対しては、「やめた方がいいです」とちゃんと言える組織です。よく代表の飯塚さんと中川さんが“誠実”という言葉を使うんですけど、その企業や地域の未来のためにならないことはやらないという姿勢がquodの強みだと思います。
−印象に残っているプロジェクトは?
地方空港のPR案件です。なかなか現地に行くことができない中、業務も多岐にわたっていたので、遠隔でできる最大限の働きをしようと、とにかくがむしゃらに動きました。その思いが伝わって、先方にも信頼していただけたので嬉しかったですね。また、これまでエンドユーザーのリアルな反応を見られる機会ってあんまりなかったんですけど、実際に空港を利用されている方々の楽しそうな顔を見ることができて、その分やりがいも実感できました。このプロジェクトを経験したことで、最終的に受け取った人がどんな感情になるかをより意識するようになったと思います。
東京と地方、両方で働くのがいいバランス
−6月に東京から福岡に移住されたそうですが、福岡チーム立ち上げのためですか?
いえ、東京以外のどこかに移住したいと思っていただけなので、特に福岡にしろと言われたわけでもなく、会社にも何も相談せずに決めちゃいました。そこから、私が住むんだったら現地でメンバーの採用もできるし、もっと会社としてチーム体制を整えていけるねという話になり、お互いの考えがフィットして、糸島に事務所を構えることになりました。
糸島オフィスから見える糸島のシンボル可也山
−移住しようと思ったきっかけは?
東北で生まれて、16歳で上京して、ずっと東京が一番だと思って生きてきたんですけど、quodに入って地方の仕事をするようになって、ちゃんと地方の可能性が信じられるようになったんですよね。あと、私の夫は移住前に食品系の商社に勤めていて、土日に農業の学校に通っていたんですけど、quodで楽しそうに働く私を見ているうちに、彼の挑戦欲にも火が点いて、仕事を辞めて農業に挑戦したいと言い出したんです。それで二人で東京を離れて、私たちらしい生き方をしてみようということになりました。
−糸島を選んだ理由は?
基本的に農業ができればどこでもよかったので、岡山とか宮崎もいいねとか話していたんですけど、やっぱり私は東京も好きなんですよ。田舎出身だから東京への対抗心もあるし、地方に骨を埋めて地方のことだけをやるつもりはなくて。ビジネス欲とローカル欲を満たすためには、東京と地方の両方で仕事をすることが自分にとってベストなバランスだったので、アクセス面なども含めて福岡の糸島に決めました。私は岩手の山奥育ちで、夫は香川の海沿いのまちで育ったので、山と海が一緒に味わえる点もポイントでした。
−移住してみていかがですか?
思っていた以上にしっくりきました。生活リズムも変わって、のびのびと暮らしています。今でも月の2割くらいは東京にいるんですけど、このバランスが自分には合っていたんだなと思います。夫は今農業の修行中で、ゆくゆくは自分で農園を開いて、そのブランディングを私ができたらいいなとか、色々構想を練るのが楽しいです。こんなに生活や考え方が180度変わるなんて、quodに入る前は想像もしていなかったですね。
一人ひとりの個性がquodをカラフルにする
−福岡チームの今後の展望を教えてください。
福岡は商圏が広く、一方で糸島のような自然豊かな地域にも都心からすぐにアクセスできる振り幅が魅力です。都市部のニーズはしっかり開拓しつつ、地方ならではの価値も高めていきたいと思っています。直近のトピックスだと、今年からquodは一級建築士事務所としても始動し、第一作目となる「quod HOUSE」が糸島に完成しました。糸島の自然に融合した素敵な設計で、その土地の文化を尊重しながら新しい価値を付加したいというquodの理念を体現しています。今後はここからさまざまな発信をして、地域内外の人を巻き込んだ活動を行うことで、糸島をみんなのサードプレイス的な場所にしていきたいなと考えています。
quodが設計を手掛けた「quod HOUSE」
−福岡チームでは新メンバーを募集中ですが、どんな人と一緒に働きたいですか?
人が好きな人。福岡の人はみんなこのまちが好きだし、人が好きだし、外から来た人を受け入れる土壌も整っていますよね。福岡のパワーの源って“人”だと思うんです。だからこそ、そうした人とのつながりの中で、新しいことを一緒に作っていけたらいいなと思っています。またquodは他にも拠点があって、私も東京をはじめ富山や神戸などさまざまなプロジェクトに携わっているので、そこも手伝ってほしいです。福岡にいながら全国の仕事ができることを魅力に思える人なら、きっと楽しく働けると思います。当面は私と二人三脚で頑張っていただくことになると思うので、頼りになるバディをお待ちしています(笑)。
−では最後に、応募を検討されている方にメッセージをお願いします。
quodは個の集まりで、quod色に全染まりしている人って一人もいないんです。自分が輝ける働き方をそれぞれが選び取っているというか。なので、会社に合わせなきゃとか思わずに、自分自身の個性をquodで活かすというイメージで、一度お話しできれば嬉しいです。quodにもその人の個性がエッセンスとして加わって、よりカラフルな会社になっていくといいなと思っています。