2025年9月。私たち「地域文化資本ラボ」は、NPO法人として新たな一歩を踏み出しました。
これまでquod、そして(株)土と風として地域の価値を掘り起こすプロジェクトを数多く手がけてきましたが、活動が広がっていくほどに、ある想いが強くなっていきました。
「地域が持つ“文化資本”を、もっと開かれた形で社会に役立てたい」
地域を元気にするプロジェクトは多い一方で、長い時間をかけて築かれた文化や営みが、観光や開発の波に飲み込まれてしまうケースも少なくありません。
私たちは、地域の人の記憶や歴史、暮らしのリズムを大切にしながら、“その土地ならではの価値”を未来へつなぎたいと思うようになりました。
NPOという形を選んだ理由
地域文化資本ラボの活動を続けていく中で、全国の地域から相談や講演依頼をいただく機会が増えていきました。
もはや特定の地域だけのプロジェクトではなく、公共性の高いテーマとして社会に開いていく必要があると感じたのです。
そんな中で私たちが出した答えが、「NPO法人として活動する」という決断でした。
民間企業としてのスピードも、行政の強い調整力も持っていないけれど、
だからこそ “地域と同じ目線で寄り添い、丁寧に未来を考えられる存在” でありたい。
NPOという形は、その意思表示でもあります。
原点は、2007年に立ち上げた「plusus」 というNPO
実はこの地域文化資本ラボのルーツは、17年前にさかのぼります。
学生だった共同代表の二人が、地域のコミュニティを再生するために立ち上げたNPO「plusus」。
空き店舗をシェアスペースに変える、地域の学び場をつくる──。
まだ経験もノウハウもない中、それでも地域の未来に本気で向き合ってきた時間でした。
このplususでの経験は、のちのquod、土と風、そして地域文化資本ラボの思想そのものになっています。
今回のNPO化では、この原点を正式に受け継ぐために、plususの法人名を「地域文化資本ラボ」へと変更しました。
過去の挑戦を、未来へとつないでいくために。
拠点は、文化の“息づかい”が残るまち・品川宿
新しい拠点に選んだのは、旧東海道「品川宿」。
歴史と文化が強く息づくまちであり、長年ともに地域づくりに取り組んできた「宿場JAPAN」が活動するエリアでもあります。
観光とまちづくりが切り離されがちな今、
“地域が積み重ねてきた価値を守りながら、持続可能な未来を描く”
という難題に向き合ってきた場所でもあります。
品川宿での経験は、私たちにとって欠かせない財産となりました。
ここを拠点に、
オンラインゼミ、地域視察ツアー、研究活動、地域連携…
さまざまなプロジェクトを展開していく予定です。
2025年、そしてその先へ——私たちが目指すもの
2025年10月からは、地域文化資本ラボが長く構想してきた 「地域文化資本ラボ オンラインゼミ 」が本格的に始動しました。
全国の地域関係者・学生・企業の方々と一緒に、
「地域文化資本とは何か?」
「文化と観光の健全な関係性とは?」
「未来に残したい価値とは?」
といったテーマを学び合い、議論し、行動する場です。
「地域文化資本ラボ オンラインゼミ」については次のストーリー記事でご紹介させていただきます。
地域文化資本ラボの活動は、専門家だけで完結するものではありません。
地域の人、企業、行政、大学、学生、クリエイター。
多様な視点が集まることで、地域の未来はより豊かになります。
もしこの記事を読んで、
- 地域づくりや文化資本に興味がある
- まちの価値を守りながら未来をつくりたい
- 社会的インパクトのあるプロジェクトに関わりたい
- 宿場町やローカルに惹かれる
- 一緒に新しいコミュニティをつくってみたい
そんな想いが少しでもあれば、ぜひ一度カジュアルにお話ししませんか。