CROSS INTERVIEW #4 × がおちゃん (東京まじっくぽーしょんプロデューサー) 「一緒に働く女性たちを大事にしたビジネスストーリー」INTERVIEW
エンターテインメントでコミュニティを生み出し、新たな事業を創造する株式会社AmaductioN。今回の対談は、代表取締役 稲留慶司 氏と『東京まじっくぽーしょん』プロデューサーのがおちゃん。こだわりが詰まったブランドを武器に事業を拡大しつづけるプロデュース術やAmaductioNとの協働について話を聞いた。
--まずはがおちゃんの自己紹介をお願いできますか?
がおちゃん 『東京まじっくぽーしょん』 でプロデューサー兼キャストを務めている、がおちゃんです。
--プロデューサーとしての仕事を深掘りさせていただきたいのですが、具体的にどんなことをされていますか?
がおちゃん 店舗の立ち上げから、プロデューサーとしてジョインしました。ブランド設計や店舗デザインにはじまり、メニュー開発、衣装デザイン、キャストの採用・育成まで、ほぼすべてをプロデュースしています。デザイナーさんなどに外注することも少なく、構想だけでなく実際のアウトプットまで自分で形にしています。
稲留 慶司(以下、稲留) 本来、プロデューサーは抽象度の高い仕事が中心で、デザインや制作は別の担当者が担うことも多いんです。でもがおちゃんは、企画設計だけでなく、具体的な表現まで一気通貫で落とし込める。実務能力が非常に高くて、本当にレアな人材だと思います。
--たしかに珍しいパターンですね。立ち上げからジョインされているとのことですが、コンセプトから稲留さんと協働してつくっていったのでしょうか?
がおちゃん そうですね。最初は出店候補のテナントの内装を見るところから関わらせてもらい、空間の特徴を見ながら、どんなお店・どんなブランドにしていくかをチームに共有していきました。候補のテナントはかなり広かったので、壁一面にお酒が並ぶような演出を考えたり、シックな雰囲気に“可愛さ”を掛け合わせたりしながら、「魔法の空間」をテーマにコンセプトを固めていきました。
稲留 進め方としては、基本的に“何を実現したいか”はがおちゃんに考えてもらっていました。僕は事業側の視点から、出店エリアの特性や想定顧客のペルソナ設計など、主にマーケティング面のサポートをしていました。プロデュースそのものに深く入るというより、僕の持っている視点を伝えて、それをがおちゃんが解釈し、具体に落としていく。だからこそ、すごくスピーディで建設的に進んだと思います。
--コンセプトメイクからオープンまではどれくらいの期間だったのでしょうか?
稲留 これはかなりレアケースでした。一般的には、先にコンセプトやプロデューサーが決まってから出店計画を立てていくのですが、『東京まじっくぽーしょん』の場合は先に条件の良い物件が見つかったんです。そこから「この場所で何ができるか」を考えていったので、出店を決めてからオープンまでは、おそらく2ヶ月くらいだったと思います。
--2ヶ月でコンセプトから店舗デザイン、メニュー、衣装、キャストさん採用まで全部準備されたんですか?
がおちゃん そうですね。プロデューサーをやる前に、撮影会の運営などもやっていて、これまでのコネクションなどもあったのでスピーディに進めることができました。
(東京まじっくぽーしょん プロデューサー兼キャスト がおちゃん) --別の団体運営をされているというお話も出ましたが、これまでのがおちゃんのキャリアについても教えてください。学生時代から振り返ってもらえますか?
がおちゃん 小さい頃から文化系のことが好きで、吹奏楽をやったり、絵画教室に通ったりしていました。親もデザイン系の仕事をしていたので、家にはMacがあって、小さい頃から自然と触れていました。そんな環境もあって、高校卒業後は映像系の専門学校に進学し、デザイン全般、撮影、編集まで2年間しっかり学びました。
--コンカフェのキャストなども学生時代に経験されたのでしょうか?
がおちゃん そうですね。専門学校の時に秋葉原のめいどりーみんや原宿にあったKAWAII MONSTER CAFE HARAJUKUでアルバイトをしていて、その経験が今の自分に大きな影響を与えています。卒業後はもともとアニメが好きだったこともあって、株式会社MAPPAに就職しました。就職してすぐにゾンビランドサガというアイドルアニメの委員会窓口を担当させていただいたり、制作進行やライツを経験したことも今の仕事に活きていると思います。
--小さい時からデザインに触れる機会があって、専門学校でもデザインを学んでいたんですね。めいどりーみんやKAWAII MONSTER CAFEでアルバイトしたきっかけはなんでしょうか?
がおちゃん 就職が決まってから社会勉強したいなと思ってアルバイトに応募しました。秋葉原のカルチャーを学びたかったということもありますし、年上の方とコミュニケーションをとったことがなかったので、就職前に知らないことを学んでおきたいというのが動機でした。
--キャスト自体への憧れはあまりなかったのでしょうか?
がおちゃん そうですね。キャストそのものへの憧れはそこまで強くなかったです。それよりも、「どうやって“かわいい”を伝えるんだろう」とか、「人に世界観を届けるにはどうしたらいいんだろう」といった、プロデュース的な側面への興味のほうが強かったですね。
--アニメは小さい頃から好きでした? 影響を受けた作品はありますか?
がおちゃん 中学生の時はアニメに夢中でした。特に「坂道のアポロン」に影響を受けて吹奏楽をやったり、MAPPAに興味をもつきっかけになりました。いわゆる“萌え系”だけではなく、少しおしゃれで感度の高い作品を多く手がけている印象があって、そこにも惹かれていました。
--MAPPAさんでは5年間、勤務されたということですが、どんな仕事をされましたか?
がおちゃん 制作部に所属していた期間が長いですが、一時期はライツ業務も担当していました。入社して1年ほどで、自分がやりたかった領域に携わることができて、制作会社のキャリアとしてはかなり早いタイミングでチャレンジできたと思います。
--その後、撮影会モデルなど、表に出る活動もしながら、モデルだけでなく撮影会の運営も手がけるようになられたとのことですが、きっかけはありましたか?
がおちゃん 最初は知り合いに誘われて趣味程度で始めました。アニメ制作は裏方ですけど、表にも出てみたいなと思ったのがきっかけです。モデルをやりはじめると、今度は運営も気になりだして。
--具体的にどんなことが気になったのでしょうか?
がおちゃん ちょうどSNSでポートレート撮影が流行っていた時期で、いろいろな方が撮影会を企画して、コミュニティが生まれていました。モデルとして参加する中で、「企画内容」「スタッフ体制」「見せ方」など、もっと良くできる余地がたくさん見えてきたんです。そこから、採用も含めたイベントの企画・運営全般に関わるようになりました。
--ちょうどその頃に稲留さんとの出会いがあったんですね。
がおちゃん MAPPAを退職して1年くらい経った時期に、共通の知人からご紹介いただきました。
--そこでプロデューサーとしてジョインすることが決まり、その2ヶ月後には実際に店舗オープンしたんですね。専門学校を卒業されたり、キャストも経験されているとは思いますが、プロデューサーは初めてのチャレンジだったと思います。不安とか悩みはなかったですか?
がおちゃん あまりなかったですね。私は、自分が具体的に想像できないことは実現しにくいと思っているのですが、プロデューサーとしてやるべきことは自分の中でかなり明確にイメージできていたんです。もちろん、立地的にコンカフェがあまりないエリアだったので未知数な部分はありましたが、「うまくいけば、ちゃんと定着する」と思えていました。
--オープンしてからはいかがでしたか?イメージどおりのこと、いい意味でも悪い意味で想像と違ったところはありましたか?
がおちゃん お店の営業方針などの面でキャストの意識を合わせ、育成することは難しいですね。特に、自分がキャストの時には意識せずやっていたことでも、他のキャストにどうやって伝えればいいのかは悩みました。過去にキャスト経験がない子も多く、一から教えていたので、その大変さはあったかもしれないです。でも逆にキャストの成長を楽しんでくれているお客さんも多かったですね。
--稲留さんに伺います。がおちゃんと仕事をされてみていかがでしたか?
稲留 お互いの役割分担が非常に明確だったので、ソフト面について僕から細かく言うことはほとんどありませんでした。店舗運営には統括マネージャーの榑林も入っていたので、実質的にはがおちゃんと榑林に任せていた感覚です。最初は事業としての目標設計には僕も入っていましたが、途中からはそこも二人でどんどん進めてくれて。実際、当初の計画を半年ほど前倒しで達成していました。僕から言ったことがあるとすれば、「将来的に複数店舗展開やフランチャイズまで目指せたら面白いよね」という話くらいです。
(株式会社AmaductioN 代表取締役 稲留 慶司) がおちゃん かなり任せていただいているので、とてもやりやすいですし、意思決定のスピードは早かったと思います。
--ありがとうございます。事業が順調に拡大できている理由をどう分析されていますか?プロデュースの中で心がけていることなどはありますか?
がおちゃん お客さん同士のつながりをつくれるアットホームな店舗運営を心がけています。お客さん同士の仲が良いと、キャストもやりやすいですし、自然と口コミが広がって集客につながり、安定した店舗運営ができるかなと思っています。
稲留 会社視点から見ると、一番大きいのはプロデュース面を全権委譲できていることですね。他の事業では、クリエイティブやビジネス面のディレクションに私が入ることもありますが、がおちゃんに関しては完全に権限委譲ができている。そのぶん、意思決定も実行も速い。そこが事業の伸びにつながっていると思います。
--今後、チャレンジしてみたいことはありますか?
がおちゃん 新しいブランドの店舗プロデュースは、ぜひやってみたいです。店舗以外でいうと、アイドルやアパレルのプロデュースにも興味があります。女性をプロデュースする仕事なら、幅広く挑戦してみたいですね。その中で一貫して大切にしたいのは、一緒に働く女性たちの働きやすさです。働く環境を整えることが、結果としてビジネスの強さにつながると思っているので、そこはどんな領域でも大事にしたいです。ファッション系ではハンドメイドのようなクリエイティブも好きなので、今後はコンセプトを活かしたアパレルや雑貨制作などもできたらいいなと思っています。
--すでに具体的に検討されていることもありますか?
稲留 がおちゃんのプロデュース力を活かした展開として、フランチャイズはとても面白いと思っています。店舗の世界観、メニュー、衣装などの細部へのこだわりが、キャストからの支持にもつながっている。そしてそこに、働きやすい環境づくりが掛け合わさることで、持続可能な店舗運営のモデルになっていくはずです。
--ありがとうございます。前回インタビューした森田さんも同様ですが、がおちゃんと一緒にビジネスをつくれる経験は、AmaductioNで働く魅力ですね。最後に、この記事を読んで少し心が動いた方々に一言お願いできますか。
がおちゃん AmaductioNはベンチャーなので、社長に直接アイデアや意見が届くのも魅力のひとつだと思います。クリエイティブなことをやりたい方や、事業をつくる側に回ってみたい方には、すごく向いている会社だと思います。
稲留 事業をつくるというのは、与えられた仕事をこなすこととはまったく違います。がおちゃんのようなプロデューサーと一緒に事業を育てる経験は、きっとキャリアにとって大きな財産になります。少しでも興味を持っていただけた方は、ぜひ一緒に新しいビジネスをつくっていきましょう。
過去のAmaductioN CROSS INTERVIEWはこちら
#1 × 鶴見至善(クリエイティブ・ディレクター/コピーライター)
#2 × 鶴見至善(クリエイティブ・ディレクター/コピーライター)
(インタビュー:STREAM / 撮影:板原豪士)