「20年前と変わらない店を見て、考えたこと」
今回は、いつものマーケティング記事とは少しテイストを変えて、
最近あった気づきについてお話しします。
というのも、これまで当たり前だと思っていた考え方に、
少し疑問を持つ出来事があったからです。
マーケティングではよく、
「ターゲットを絞るべき」「コンセプトは尖らせるべき」
と言われます。
実際、私自身もそうお伝えしてきました。
そして、多くの方にとっても正解として受け取られている考え方でしょう。
ただ、
「長期的に見ると、こだわってきた内容や視点が逆効果になり得る」
としたらどうでしょうか。
「頑張っているのに、なぜか短期的な効果でいつも終わってしまう…」
知らず知らずの間に、そんな状態を自分で作っているかもしれません。
考えるきっかけを与えてくれたのは、久しぶりに訪れた街での出来事でした。
目次
久しぶりの高田馬場で感じた、ちょっとした違和感
なぜか、20年経っても変わらず続いている店がある
トレンドを生み出すのは、本当に正解なのか
尖らせるほど、日常から遠ざかる?
20年続く店からの気づき
「尖る」だけが正解ではない
「また選ばれる存在」について考える
久しぶりの高田馬場で感じた、ちょっとした違和感
先日、学生時代を過ごした高田馬場を訪れる機会がありました。
久しぶりに足を運んだので、
当時よく歩いていた場所を回ってみることにしました。
高田馬場といえば、ラーメンの激戦区です。
独自のコンセプトを打ち出すラーメン店やお店が多く、
まさに「尖ったお店」が集まるエリアでもあります。
実際に歩いてみると、ある事実に気づきました。
当時あったお店を見つけるのが難しいほど、入れ替わっていました。
なぜか、20年経っても変わらず続いている店がある
一方で、以前から変わらず営業している定食屋やラーメン屋もありました。
そこにはある共通点がありました。
どのお店もいわゆる「尖ったコンセプト」はない。
マーケティングの観点でいえば、少し意外に感じるようなお店です。
たとえば、醤油・味噌・塩、なんでもあるラーメン屋。
本来なら「ターゲットがぼやける」と言われがちな形です。
それにも関わらず、お店は20年経っても変わらず続いています。
一体、どういうことなのでしょうか。
トレンドを生み出すのは、本当に正解なのか
トレンドを生み出すのが、必ずしも正しいとは限らないかもしれない
ふと、考えました。
事業を始めると、多くの人は
「短期間で売上を上げたい」と考えます。
SNSでバズらせて、一気に広げる。
できるだけ多くの人に知ってもらおうとする。
これは自然な発想です。
ただ、その一方でこんなことも感じました。
流行を作ってしまうと、
飽きられるのも早くなるのではないか。
ピークを過ぎると、「もういいかな」と思われやすくなります。
あんなにも賑わっていたお店が、気づけば見かけなくなった。
そんなことも珍しくありません。
つまり、流行を追いすぎると
「短命になるリスク」があるのです。
尖らせるほど、日常から遠ざかる?
もう一つ考えたのが、
「尖らせること」と「日常性」の関係です。
極端な例ですが、こんなラーメンを想像してみてください。
たとえば、豚骨ラーメンの上に大きなとんかつが乗っているような、
インパクトの強い一杯。
たしかに話題にはなりますし、一度は食べてみたいと思う人も多いはずです。
ただ、「毎日食べたいか」と言われるとどう答えますか。
おそらく、食べたいと思う人はかなり少ないと思います。
つまり、尖った商品は「一度試してみたい」と思われやすい反面、
日常的に選ばれ続ける存在にはなりにくい場合があります。
一方で、メニューが豊富な定食屋はどうでしょうか。仕事帰りに「今日はここにしよう」と気軽に立ち寄れ、その日の気分で食事を選べます。こうして日常の中に自然と入り込み、少しずつお客さんが増えていく。街を歩いてみて、新たな視点に出会えました。
20年続く店からの気づき
派手にバズったわけではない。
一気に行列ができたわけでもない。
それでも、毎日のように通う人がいて、
気づけば20年続いている。
この積み重ねの方が、
長期的に見れば大きな価値になるのではないかと感じました。
「尖る」だけが正解ではない
もちろん、ターゲットを絞ることや
コンセプトを明確にすることは大切です。
ただ、それだけが正解ではない。
短期的に伸ばすことばかりを考えると、
かえって長く続かない可能性もある。
むしろ、
「日常に入り込めているか?」
「繰り返し選ばれる存在になれるか?」
そういった視点の方が、
長期的には重要なのかもしれません。
「また選ばれる存在」について考える
気づけばずっと続いているお店。
あなたの身の回りにも、きっとあるはずです。
なぜそういったお店が長く続いているのか。
今回の出来事を通して、あらためて考えさせられました。
「一度試してみたい」ではなく、「また選ばれる存在」になっているのか。
そんな視点での振り返りが、
次へのヒントになるのかもしれません。