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日本中、世界中に「お好み焼き文化」を普及させたい。【会員企業紹介/オタフクソース株式会社】

中四国地域最大規模の“次世代型DXオープンイノベーションプラットフォーム”である『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム』。デジタルコミュニケーションツール「Slack」を通して産学官金が連携し、簡単・迅速にお互いの課題を解決できるエコシステムです。2021年10月の発足から1周年を迎え、​会員企業数は70社以上、会員数は200名を突破。これまでは難しかったようなイノベーションの創出と地域経済の活性化が日々進められています。

今回は『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム』のゴールド会員であるオタフクソース株式会社にインタビューを行いました。商品開発にかける思いや、コンソーシアムに参画して得たメリット、将来のビジョンなどについてお聞きしています。

オタフクソース株式会社

「小さな幸せを、地球の幸せに。」をスローガンに、お好みソースを中心とした液体調味料の開発・製造・販売を手がけています。1922年に広島市横川町で創業し、2022年で100周年を迎えました。「お客様のニーズや課題を解決する製品づくり」を徹底し、長い時間をかけて、お好み焼きを中心とした鉄板粉もの文化の普及に力を注いでいます。

<会社概要>
HP:https://www.otafuku.co.jp/
本社:広島県広島市西区商工センター7丁目4-27
設立:1922年11月 資本金:1億円

岡本 侯子(おかもと きみこ)
静岡県出身。オタフクホールディングス株式会社 執行役員IT推進部部長。1993年にオタフクソース株式会社へ入社し、経営企画部で経営企画とIT企画を担当。2022年10月に現職へ就任。グループ全体のシステム運用に加えデジタル化に尽力している。

栗田 翼(くりた つばさ)
広島県出身。2013年にオタフクソース株式会社へ入社。IT企画、人事、経営企画を経験し、2022年10月よりマーケティング部 共創課に異動。2018年〜2020年には社内公募制度で県立広島大学の大学院に通学し、経営修士を取得した。現在は100周年プロジェクトメンバーとしても活躍中。

小針 一風(こばり いっぷう)
京都府出身。2013年にオタフクソース株式会社へ入社。1年目で営業配属となり、四国支店にて業務用商品の提案を担当。その後東京支店に異動し、惣菜メニュー開発などを通して都内の惣菜市場の拡大に尽力した。2022年10月よりマーケティング部共創課に異動。新規事業の検討などを手がける。


自社商品を通して、人々に「団らんのひととき」を提供する。

ーー改めて、オタフクソース株式会社の事業内容や活動内容を教えてください。

栗田さん:

私たちは、主にお好み焼きや焼きそばのソースといった液体調味料の開発・製造・販売を行っている会社です。家庭用商品から業務用商品まで約2,000アイテムを取り扱っています。

特に力を入れているのが、お好み焼きを中心とした鉄板粉もの文化の普及です。広島や大阪などの関西圏ではすでに馴染みがありますが、関東圏ではまだまだ伸び代が大きいのが粉もの市場の特徴だと考えています。そこで、都内でお好み焼き教室を開いたり、「フードロス問題を解決する術」として冷蔵庫に残りがちな食材で作るお好み焼きレシピを提案したり…といった活動を行っています。もちろん広島市内でも、お好み焼きの歴史やソースの製造工程を学べる施設「Wood Egg お好み焼館」や鉄板を使ってお好み焼きを焼く体験ができる「OKOSTA(オコスタ)」、野菜と健康にこだわったコンセプトショップ「Vege Love It!(ベジラビット)」などを運営し、文化の発信に努めています。

この普及活動の対象は、国内だけではありません。世界中の食卓でお好み焼きを楽しんでいただきたく、現在はアメリカ・中国・マレーシアにも工場を設置しています。2017年には、世界人口の約4分の1がイスラム教を信仰しているムスリムであることを踏まえてマレーシアで"イスラム法に則って生産されたもの”であるという「ハラール認証」を取得しました。嬉しいことに、海外スーパーマーケットにお好み焼きや専用のトッピング食材が並ぶことも増えてきているんですよ。

ーーオタフクソースといえば「お好みソース」が定番ですが、どんな商品開発をしていますか?

小針さん:

当社が手がける商品は、どれも「団らん」がキーワード。鉄板や食卓を囲むシーンを想定しながら商品の企画・開発を行っているんです。生活様式や価値観が大きく変わる中でも、食の周りに人が集うことの幸せは、変わらないものですよね。そんな幸せをもっと多く生み出したい、というのが当社の思いです。さらに近年は、より簡単においしく味付けできる商品づくりにも注力しています。

たとえば、2023年3月に発売された「おまかせ野菜漬の素シリーズ」は、家族みんなが食べたくなる味わいをコンセプトにした調味酢です。醤油&ごま油、コク旨みそ、甘旨ヤンニョムの3種類がございます。さらに、デーツ(なつめやしの実)を食べやすいダイス状にカットした「カットデーツ」も発売されました。定番商品である「焼そばソース」「だしと醤油のたこ焼ソース」は、リニューアルしてさらに美味しくなりました。

ーー栗田さん、小針さんが所属している「共創課」とは、どんな部署なのですか?

栗田さん:

これまで調味料を中心にお客様のお困りごとを解決してきた当社ですが、これからの時代は新たな領域や事業にもチャレンジしていきたいと考えています。これを推進するために、2022年に立ち上がったのが共創課です。自由で柔軟な発想をもって新事業の種を見つけ、ビジネス展開まで行っていくボトムアップ型の組織となっています。実際にお客様にヒアリングをさせて頂きながら、お客様の持つ課題に対して私たちは何が出来るのかを考えています。


あらゆる課題解決に、産官学連携のコンソーシアムを活用したい。

ーーオタフクソース株式会社では、広島大学と共同研究も行っているとお聞きしました。

岡本さん:

広島大学とは、生産計画の最適解のシミュレーションモデル構築を共同研究として取り組んでいます。当社の本社工場では1日約40アイテムを充填しているのですが、その製造プロセスは様々です。特に製造や充填設備のキャパシティなどの制約条件が複数存在しており、“どの生産ラインをどのような順序で製造・充填するのか”といった日別順序計画を、その制約条件を踏まえて立案する必要があります。これまでは、現場経験のあるスタッフが時間をかけて計画してきたのですが、ITの側面からもっと効率化できないかと考え、そのモデルの検討を広島大学に依頼させて頂きました。

他にも、ソースの原料として大量に利用するデーツの副産物(ろ過をした後に残った不溶物)を有効活用できないか?と、残渣から有効成分を取り出す手法を探る基礎研究も研究室で行っています。少しずつ成果が見えはじめているので、この研究データをどう商品開発に活かせるか、これから現場での運用を考えていく予定です。

実は当社が「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」に参画したのも、共同研究で繋がりを持った広島大学の方からお誘いをいただいたことがきっかけでした。

ーー「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」では、どんなことに取り組んでいますか?

栗田さん:

現在、大学生とのインターンシップの企画を進めています。具体的には「どのような社会課題があり、どう取り組めるか」を大学生と一緒に考えていけたら…と構想を練っているところです。まだ企画段階ですが、実現したら課題解決に向けた取り組みだけでなく、大学生ならではの発想や価値観を学べる機会になると考えています。

ーー「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」に参画してみての感想を教えてください。

栗田さん:

ものづくりを行うメーカーとして、さまざまな知見、価値観、考え方を得ることはとても大切です。社内で意見を交わすだけではなく、社外とのつながりを持ち、交流をしたいと考えていました。コンソーシアムには多くの企業や学生と繋がれるネットワークがあるのが魅力的で、実際にSlackも毎日のように動いていて、検索するよりも良い情報がたくさん得られている実感があります。

岡本さん:

やはり、産官学を通してのネットワークを持てる事はとても有益だなと感じています。私が担当しているIT推進は、単にシステム化を行うのではなく、グループの生産性向上や創造力を高めるための仕組づくりや提案もミッションとしています。その着想を得るため、異業種の方々との交流を通して、「こんな取り組みを行っているのか」「この課題を対処するためにこのアプローチをしているのか」といったアイデアや閃きを得る事が往々にしてあります。それを気軽に実現できる窓口があること、さらに学術的な知見や裏付けが必要な際には大学のネットワークを活用できること、といった点が、産官学連携のコンソーシアムの一番の特色であり魅力だと思います。


創業100周年を迎えて、これまでの歩みに感謝し、これからの笑顔に繋げていく。

ーー2022年の創業100周年を機に、さまざまなプロジェクトを行ったそうですね。

岡本さん:

当社がこれまで100年続けられたのは、多くの皆様に支えられたおかげです。皆様に感謝をお伝えすること、そして世界中の皆様に新たな価値を届け続けることで笑顔を生み出していくことを目的に「100周年プロジェクト」を立ち上げました。プロジェクトメンバーは若手社員を中心に集め、コンセプト決めから企画実施までを行ってもらいました。

例えば、当社の元工場跡地で現在は公園になっている場所にお好み焼きの具材や材料を模した遊具を寄贈したり、シンガーソングライターの斉藤和義さんに100周年記念の楽曲を作っていただいたり…など、現在進行中の企画も含めて、10以上のプロジェクトが実施されています。

栗田さん:

遊具の寄贈にあたっては、社内で「どんな色味がいいか」「イメージカラーをどこに配置するか」などのアンケートを取りました。100周年プロジェクトは20年4月からスタートし、今年で4年目を迎えます。まだいくつかの企画は進行していますが、いい思い出がたくさんできました。

ーー広島地域に対して、今後どのように貢献していきたいですか?

小針さん:

共創課として、新規事業を展開することが当社や広島を盛り上げることに繋がると考えています。

栗田さん:

「広島の食文化を日本や世界に広める」という当社がもともと行っている活動を続けることが、やはり一番の貢献になるんだろうなと思っています。今後は新しいビジネスを生み出していくことで、雇用や産業の創出に繋げていけたらいいですね。それが共創課のミッションでもあるので、今任されている仕事を精一杯やり抜いていきたいです!


『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム』では、一緒に盛り上げてくれる会員企業を募集しています!!

産学官金が連携した、中四国地域最大規模の"次世代型DXオープンイノベーションプラットフォーム”で、貴社が抱える課題の解決や、新たな事業を創出してみませんか。

詳細は、こちらをご覧ください!

▼お問合せ先
広島大学 ひろしま好きじゃけんコンソーシアム事務局
HP:https://www.sukijyaken.jp/contact
Mail:sukijyaken@ml.hiroshima-u.ac.jp
TEL:070-1542-7123

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