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平和を希求し、皆で社会課題を解決する。広島から世界を変えるきっかけを。【運営メンバー紹介/田原栄俊】

2021年10月に発足した「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」。これまでは難しかった産学連携の課題を洗い出し、解決の仕組みを構築している“次世代型DXオープンイノベーションプラットフォーム”です。​会員企業数は70社以上、会員数は200名を突破しました。

目指しているのは、広島地域を中心とした新たなビジネスモデルや付加価値を創出し、地域経済をさらに活性化させること。では、コンソーシアム事務局で働くスタッフは日々どんなことに取り組んでいるのでしょうか。なかなか想像しにくい彼らの仕事内容や抱いている想いに触れてもらいたいと考え、運営メンバーにインタビューを行いました。

今回紹介するのは、広島大学の副学長(産学連携担当)である田原副学長。広島大学 細胞分子生物学研究室の教授として、老化やがんの研究を推進し、世界オンリーワン技術のテロメアGテール長の開発に成功。広島大学 創薬・バイオマーカー拠点の拠点長として創薬とバイオマーカーの開発を先導してきました。「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」では副会長を務めています。コンソーシアム設立の背景にはどのような想いがあるのか、今後の展望や一緒に働きたい人について語ってもらいました。

広島大学 副学長(産学連携担当)
田原 栄俊(たはら ひでとし)

広島市出身。1989年に東京薬科大学薬学部製薬学科卒業。広島大学で博士(薬学)を取得。2006年から広島大学 大学院医歯薬総合研究科 細胞分子生物学研究室 教授として、老化及びがんの研究を推進。世界オンリーワン技術のテロメアGテール長の開発に成功し、細胞老化に関わるマイクロRNAを同定して、抗がん剤としての核酸医薬の応用を進めている。2012年に大学発ベンチャーである株式会社ミルテルを起業、2021年に創薬ベンチャーである株式会社PURMX Therapeuticsを設立するなど、創薬プロジェクトも推進。2021年から広島大学 副学長(産学連携担当)に就任し、「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」の副会長として、様々な産学連携プロジェクトを立案している。


人と人がつながり、助け合うことで、新しいことが生まれる。

──ひろしま好きじゃけんコンソーシアム発足の背景を教えてください。

広島大学の副学長として産学連携を担当しており、広島大学での産学連携をこれまで以上に活性化させることをミッションとしています。大学研究室と共同研究を行えるような企業を誘致したり、他大学の研究室との連携を加速させたり、海外の企業や大学とのつながりを深くするなど、新たなつながりをつくることがコンソーシアム発足の背景でした。

つながりの輪を拡げていくことで、さまざまな課題を解決していきたいです。たとえば研究者であれば、自身の研究分野で解決できなかったことが、他の研究者や企業と連携することで解決でき、研究成果として商品・サービス開発へと動き出していくかもしれない。そんな可能性を秘めているのです。私自身もこれまで研究者として長年過ごし、いろいろな人に協力していただくことで大学発ベンチャーや創薬ベンチャーを立ち上げることができました。この“人と人のつながり”は、新しいことを生み出すには必要なものです。私たちが推進したい産学連携でも、人とのつながりを拡げていかなくては勝ち目はないと考えました。

──コンソーシアム設立に向けて、どのように内容を決めていったのですか?

2021年10月22日にコンソーシアムは発足したのですが、発足までの構想期間はまさにコロナ禍の最中で、人と人がなるべく会わない世の中になっていました。限られた時間の中で、どのように自身の情報を発信して、どうやって情報を得ていくべきなのか。今の時代に合ったコミュニケーション方法を考える必要がありました。その点を解消したのが、SNSコミュニケーションツールの「Slack」。関東圏の企業やベンチャー・スタートアップ企業ではよく使われていますが、日本の大学組織で利用しているところはほぼ無いと思います。産学連携という観点でSlackを駆使することで、迅速にリアルタイムで情報を伝達し合うことができる。今までに会ったことがない人と出会えて、密な連携が実現できると考えました。

また、企業にコンソーシアムへ参画してもらうためには、魅力的なコンテンツが無ければいけません。その仕組みづくりとコンテンツ内容の企画にも多大な時間を費やしました。コンソーシアムの副会長を務めてくださっている株式会社Rejouiの菅さんや株式会社アスカネットの功野さんなど外部有識者の皆さまにお力をいただき、数々の議論を通して決めました。

──コンソーシアムを発足して、どんな反応がありましたか?

最初は「本当にうまくいくの?」という声も多く、参画することで「何ができるの?」と不思議に思う企業も多かったと思います。しかし実際に運営を始めてみれば、徐々に参画企業も増えていき、日に日に盛り上がっているのを感じます。現在では世界中のエコシステムを巻き込んで10ヶ国語対応にもなっていますし、今後さらに拡がっていくことで、広島大学発で何か起こるんじゃないかという期待感もあります。Slack上で交わされるコミュニケーションを見ていると、これからもっと面白い取り組みが始まるのは間違いありません。


今後はもっと参画企業が増えて、グローバルな支援も可能に。

──これからの展望について教えてください。

コンソーシアムへの参画企業を増やしていくことが、現状の目標です。さまざまな事業領域でいろいろな企業に参画してもらいたく、会員企業数は500社を目指しています。広島大学は総合大学のため、幅広い学問・学術分野の先生が在籍しており、各社それぞれの得意領域や専門的知見を活用することで、さまざまなイノベーションを起こしていきたい考えです。コンソーシアムは参画企業の会員費で成り立っているため、参画企業が増えることで、さらに大きな支援ができるようになります。会員企業を増やすことは、最重要事項です。

また、今後は広島大学だけでなく中四国エリアの他大学も巻き込み、今以上にコンソーシアムを盛り上げていきたい考えです。各大学の学生や研究者に、コンソーシアムを活用することの魅力を伝えていき、共に社会課題を解決するための参加を促していきます。

──会員企業が増えていくことで、コンソーシアムの意義も大きくなりそうですね。

広島大学の中だけでは産学連携は完結できないからこそ、500社の参画企業のネットワークが必要なんです。たとえば、大学内の学生や研究者が「社会課題を解決するために起業したい!」と声を挙げた際に、コンソーシアムにはベンチャーキャピタルやさまざまな企業が国内外から参画していますので、事業計画やビジョンを一緒に考えるなど、いろいろな観点で起業支援をすることができます。

起業を考える研究者や学生一人ひとりを支援していくことで、近い将来、地域や日本、グローバルの社会課題も解決できるかもしれない。難病を治す新薬が生まれたり、新しいエネルギーを創出するテクノロジーが生まれたり、SDGsに貢献できるイノベーションが生まれたり。そんな社会課題を解決するようなベンチャー企業を広島発で1社でも多く輩出することができれば、「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」が担った意義はとても大きいと言えるでしょう。広島や中四国地域だけでなく、世界中にコンソーシアムの存在が知られつつある今、その可能性は大いに秘められています。

──「広島発」というのも大きな意味があるでしょうか?

とても大きな意味があると考えます。広島大学が掲げる理念5原則の中でも「平和を希求する精神」という理念があり、大学の教育カリキュラムでも平和を希求する授業科目が設けられています。社会課題の解決は、間違いなく世界平和につながっていくものですし、コンソーシアムでも平和を希求することにつながる活動を重要視しています。特に広島は世界中の人に知られている県だからこそ、取り組む活動の意義も大いにあると思います。

これからの世界を変えていく1つのきっかけの場となるのが、「ひろしま好きじゃけんコンソーシアム」です。企業が参画することで、気づいたら「世界を舞台に活躍していた」ということも可能性として起こりうるでしょう。参画は大きな価値があると断言できます。


“何でも楽しんで挑戦できる人”が、社会課題を解決する。

──どんな人と一緒にコンソーシアムで働きたいですか?

「社会課題を解決したい」という意欲のある人と一緒に働きたいです。これまでの経歴や経験・スキルは関係ありません。これまでに経験を積んできた得意分野を、コンソーシアムで十分に発揮して活躍していただけたらと思います。

コンソーシアムでは、所属メンバーそれぞれが互いの得意分野を活かしながら助け合う風土があります。担当する業務や対面する課題で、たとえその人が解決できなくても、社内の他のできる人が解決すれば良い。互いに助け合いながら、業務を楽しめる方が向いています。

私自身の働くモットーでもありますが、「何でも楽しんでやる」ということを掲げています。普段の業務を皆で協力し合って楽しく行うことで、結果、社会課題の解決に結びついている、というのが理想です。いま活躍するメンバー全員がそうですが、毎日忙しいはずなのに楽しんで働いているように見えます。一度職場を見学してもらえたら、その雰囲気はすぐに感じ取ってもらえるはずです。

──最後に、コンソーシアムで働く魅力をアピールしてください。

これまでの経歴や経験・スキルは関係ありません。社会人経験が長い方も歓迎です。コンソーシアムに参加することで、国内外を問わず、さまざまな企業、学生、研究者と出会うことができ、新たな知見や経験を得られるでしょう。それは、ここでしか得られない貴重なものになるに違いありません。また頑張れば、海外のさまざまなイベントに参加できますし、あなたの希望によっては海外赴任のチャンスもあります。今後コンソーシアムの発展に伴って、新しい職種やポジションも新設されていく予定です。あなた自身のやりたいことを積極的に提案していただき、グローバルに活躍していただけたら嬉しいです。


『ひろしま好きじゃけんコンソーシアム』では、一緒に盛り上げてくれる会員企業を募集しています!!

産学官金が連携した、中四国地域最大規模の"次世代型DXオープンイノベーションプラットフォーム”で、貴社が抱える課題の解決や、新たな事業を創出してみませんか。

詳細は、こちらをご覧ください!

▼お問合せ先
広島大学 ひろしま好きじゃけんコンソーシアム事務局
HP:https://www.sukijyaken.jp/contact
Mail:sukijyaken@ml.hiroshima-u.ac.jp
TEL:070-1542-7123

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