はじめに
はじめまして。Prox Industries株式会社でCAIOを勤めております、小杉雄斗と申します。
現在、東京大学の学際情報学府の博士課程に在籍しています。
Prox Industriesは2024年6月に創業された、東京大学松尾研究室発のAIスタートアップです。
「アカデミアの知を活かし、日本の製造業をNo.1へ」をミッションとして掲げ、AIやロボティクスの最先端の技術を製造業に導入し、業界全体へ波及的な価値を生み出していくことを目指しています。
この記事では、私がなぜAIスタートアップを、そしてProx Industriesという道を選んだのかを、これまでの人生を振り返りながらお伝えできればと思います。
自分の価値を模索し続けた学生時代
私は幼少期からいわゆる器用貧乏で飽き性な人間でした。スポーツでも学業でも、新しいことに挑戦するたび、コツを掴むまでは比較的得意ではあるものの、何かのトップに登り詰めるほどの努力は出来ず、すぐに飽きて新しいことを始めてしまうような性格でした。
小学生から熱中してやっていたサッカーも水泳も野球も高校生になる頃には全て辞めてしまいました。その後も高校を中退してまで受験勉強に打ち込んだものの、大学入学後もその熱量が続くことはありませんでした。社会という存在がより身近になっていく中で、特別な強みがあるわけでもなく、かといって刺激のない仕事を続けられる自信もなく、将来を思い悩んでいました。そんなタイミングで出会ったのが、AIそしてスタートアップという存在でした。
AIとの出会い
私がAIについて興味を持ったのは2018年です。ディープラーニングの登場に端を発した第三次AIブームの真っ只中で、AlphaGo/Transformer/BERT/GPTなど基礎研究でも様々なブレイクスルーが起きており、同時にAI技術の社会実装が一気に加速していったタイミングでもあります。
こういった時流の中で私自身もAIという技術を見聞きするようになり、興味を持っていきました。特に画像分類の技術を初めに見たとき「こんな魔法のような技術があるのか」と感心するとともに、「この技術は社会を大きく変え得る技術であり、これを身につければ必ず自分の武器になるだろう」 と確信をしました。
↑HAIT Lab(日本最大級の学生主体の機械学習エンジニアコミュニティ)1期目の様子
スタートアップとの出会い
AIの技術を一通り学んだのち、自分の技術を社会で通用させるには実践していくしかないだろうと考え、2018年の秋頃にとあるスタートアップでAIエンジニアとして働き始めました。
当時そのスタートアップは15人程度の規模でした。それゆえに、経験の少ない自分に様々な仕事に挑戦する機会を与えてくれた当時の上司に今でも大変感謝をしているとともに、困難な環境にあえて飛び込んでいくことによって、「環境が人を成長させる」ということを実感したタイミングでもありました。
その後、会社の規模が大きくなるにつれ、自分よりも技術力や経験が優れている人も多く入ってくるようになり、自分自身が武器としていたAIのエンジニアリング力にまた自信を失い始めていました。そんなタイミングで、初めて開発側のチームのマネジメントを任されました。当然最初は出来ないことだらけでしたが、徐々にマネジメントの仕事に慣れてくると「自分自身が何かに尖れていなくても、多様な武器を持つメンバーと共にチームで価値提供が出来る」ことの重要性を理解していき、自分自身のジェネラルなスキルを最も活かすことができることに気がつきました。
また、スタートアップでの経験を通して経営というものを間近で体感することができ、自分自身が経営をすることの興味へと繋がっていきました。
↑初めてのスタートアップの頃
Prox Industriesとの出会い
技術チームとして価値提供をしていくことに一定の自信を覚えたタイミングで、修士2年のタイミングで自分自身でもAIスタートアップを創業しました。しかし、これまで技術的なことは一通りやってきたものの営業的なことを全くやってきておらず、プロジェクトを受注し会社を軌道に乗せる事が出来ず、企業の0→1を作っていくことの難しさを痛感しました。
創業した1社目を辞めたのち、自分自身の今後悩んでいるなかで、たまたまとあるコミュニティでProx代表の亀井から連絡をもらいました。短期間のうちに何度も食事に行きました。亀井から受け取ったメッセージは大きく3つで、
日本の基幹産業である製造業を、AI技術で再燃させていきたいということ
自分(亀井さん)の仲間には、経歴/経験ともに強いビジネスチームがいること
故に、あとは強い技術組織を作って欲しい
という内容であったと考えています。
まさに当時の自分というピースがはまるべき場所であると自身も亀井からも感じたタイミングであり、また、亀井は自分という存在の価値を引き上げてくれるだろうと感じ、Prox Industriesにジョインすることを決めました。
今振り返ってみても、この判断は間違いではなかったと感じでいます。
↑松尾研発スタートアップ認定式の時(中央:CEO亀井、右:CRO野田)
いまやっている挑戦
Prox Industriesでは、日本の製造業をAI/デジタル技術から支えるべく、様々な挑戦をしています。
特に、AI受託開発事業を営む企業では珍しく、支援の再現性を高めることが難しいとされる研究開発部署の支援に注力をしています。
これは、Prox Industriesがより大きな社会的価値を生み出していくには、「これまで日本を牽引してきたエンタープライズの企業様が、今後生み出していく大きな価値」の実装を下支えしていくことがより波及的な効果をもたらすのではないかと考えているためです。
これは、1人のエンジニアで解ける課題ではなく、またProx Industriesだけ/エンタープライズの企業様だけで解ける課題でもありません。
そのため、現在Prox Industriesでは、多様な個性を持ち、チャレンジングでやりがいのある挑戦をしていきたいと考える仲間を募集しています。
現在、就職活動や転職活動の中で、ご自身のキャリアについて悩みを持っている方も多いかと思います。私個人としてはキャリア形成において重要な観点は、
- 「自身の出来ることを増やし、市場価値を高めていくこと」
- 「自分だけの武器で戦おうとせず、組織の中で互いの強みを補完し合いながら戦っていくこと」
の2点が重要だと考えています。
Prox Industriesでは、経営陣も含めた全てのメンバーが「出来ないことにも挑戦する」ことを重要視しています。時には上手くいかないこともありますが、困難な環境にあえて飛び込み試行錯誤を通してそれを乗り越えていく経験をすることが、最も自信の成長に繋がっていくと考えています。
また、個人プレーではなくチームの総合力で戦っていくことを重要視しています。様々ユニークな強みを持ったメンバーと力を合わせ、自分自身の強みを活かしつつ他のメンバーの強みを借りながらチャレンジングな問題を解いていく経験は、Prox Industriesならではのところであると感じています。
このように、新たな経験を通して自身の出来ることを増やしていきつつ、幅広い技術的専門性を持ったメンバーとともに社会的意義の大きい課題解決にチャレンジしていきたいと考えている方を、ぜひお待ちしています。
採用ページ:https://www.notion.so/prox-industries/Prox-Industries-1b31c9954e0b803ab7a1c16498022c8b