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桃孤棘矢

桃の節句

毎年3月3日は桃の節句ですね。
青工逢山の桃の節句作品は「吊るし飾り」をオマージュとしました。
ありとあらゆる縁起の良いモチーフを飾りとし、それらを紐で上から吊るす節句飾りのことです。
それでは、吊るし飾りについてこれから詳しくご紹介するとともに、青工逢山の作品にも触れていきます。


吊るし飾りとは

冒頭で少しご紹介した「吊るし飾り」とは、様々な縁起物の布細工を紐で吊るし、それを桃の節句に飾ります。
もともとは、高価なひな人形を用意することができない庶民が、代わりにハギレで人形などをたくさん作り、紐に括り付けて吊るし、桃の節句をお祝いしたのが始まりと云われています。
玩具、花、楽器、野菜、動物、魚、巾着、その他ありとあらゆる縁起物が吊るされるのです。
江戸時代に全国各地へ広まり、現代では、ひな人形と共に吊るし飾りも飾って華やかにお祝いする家庭が増えました。


日本三大つるし飾り

全国各地で見られる吊るし飾りですが、特に有名な以下の地域を日本三大吊るし飾りと呼びます。
・山形県酒田市「傘福」
・静岡県東伊豆町「雛のつるし飾り」
・福岡県柳川市「さげもん」

吊るす飾りやその個数、複数の紐を上で束ねる傘の部分など、それぞれ特徴が異なります。
しかしながら、手作りの飾り一つ一つに込められた想いはどれも等しく、子供の健やかな成長と幸せを願って作られています。
衣食住に恵まれ、美と健康、長寿を願い、子孫繁栄、商売繁盛、厄除け・招福などなど…
思いつく限りの願いが盛り込まれた吊るし飾りは、見ていて飽きない愛らしさと華々しさがあります。
縁起物として思いつく、毎年11月頃に各地の神社で売られる「縁起熊手」には、商売繁盛を願って招き猫、だるま、鯛、小判、福の神、打ち出の小槌などが飾り付けられます。
吊るし飾りは縁起熊手の縁起物の数をはるかに超えた飾りがぶら下げられるのです。
ちなみに福岡県柳川市「さげもん」は51個だとか。


桃孤棘矢


さて、吊るし雛をオマージュとした青工逢山の今回の作品をまずはご覧ください。
ラフィアと呼ばれる植物繊維をぎゅっと凝縮し、たくさんの吊り紐を表現しました。
その上に桃の枝を一振り。
更に、紅く染めた枝をもう一振り。
吊るし飾りと比べればあまりにも簡素な姿です。
これは、新しいものを生み出し続けるAINEXTには、ほぼまっさらな吊り紐に、存分にAINEXTらしい願いと新感覚の飾り付けをして頂きたいという青工逢山の想いを込めて制作しました。

作品名「桃孤棘矢(とうこきょくし)」の「桃弧」は桃の木でできた弓。
「棘矢」は茨の木でできた矢。
どちらも魔除けの際に使う道具ということから、災いを跳ね除け、福を呼び込むという意味になります。
本作品は、AINEXTと作品をご覧になる皆様に向けて、思いつく限りの願いを込めました。

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