私は大学時代、部員60名の硬式野球部の学生監督をしていました。監督だから指示をするだけで良いなどということはなく、限られた制約の中で全員ができる限りのパフォーマンスを発揮できるようにするための管理こそ、私が大切に考えていた監督の仕事でした。グラウンドや道具の手配、人の移動指示など、ありとあらゆるリソースに無駄が発生しないように考えていました。能動的に動く組織作りを目指して分析を繰り返し、感情を爆発させるというよりは、理詰めで反論できない状況を作る、そんな監督を目指して努力していたつもりです。
ハイパードライブと出会った頃、私は複数社から内定をもらっていて、決め手となることを探しながら就活を続けていました。企業規模の大小やキャリアの道筋が明確に存在していることよりも、新しくて誰も成し遂げたことのないことに挑戦したいと思っていました。
エンジニアとしてプロジェクトマネージャーなどの役職につきたいとは思っていましたが、具体的にどのようなエンジニアになりたいかという明確な人物像があったわけではないので、若いうちから幅広い業務に携われることや、複数の職種の人と関わる仕事などができるハイパードライブに対する志望度は高い方でした。
会社訪問でK先輩と面談した際に、私の転機は訪れました。K先輩がハイパードライブでの仕事を「楽しい地獄」と表現したのです。私はこの言葉がきっかけで腹がくくれたと言っても過言ではありません。学生時代の監督経験は辛いことも多く、ある意味では地獄だらけだったけど、楽しいと思わせてくれる出来事が幾度もあったから続けることができました。その自分の生きてきた道が重なった気がしました。
会社訪問の学生に良いところばかり見せたり言ってくる企業は多いと思いますが、裏表がないと信じることができる先輩の姿勢と、本音で思ってなければ言わないであろう発言は、社風や事業に対する想いを感じさせてくれるもので、それは、私が就職先に求める理想の姿でもありました。私はこの日「お世辞ではなく一番入りたい会社になりました」と人事担当者に伝えるに至りました。
入社してみると先輩の言葉通り「楽しい地獄」が待っていました。
まず同期が自分よりも何でもできる人たちでした。やってきたことが全然違う同期だからこそライバルであり同志であるこの人たちが、たまらなく怖くて心強い存在でした。それぞれの存在は頼りにしていますが、負けたくはない、そう思っていますし、比較して落ち込む反面、そこまでいけばいい、そうやればいい、という見本がいるのですから、そのレベルの同期がいてくれるのはありがたいことだとも思っています。中学生くらいの頃から、足りない部分を補いながら努力し続けてきた自負がありますので、最終的には自分ができるようになりたいことは、できるようになると自分を信じています笑。
現在の私はエンジニアと同時に社内情報システムと呼ばれる領域を担当しています。コミュニケーションツールの管理、PCなどIT機器の管理、故障などのヘルプデスクに至るまで、社内のITに関する困りごとを全部担当しています。この担当をしていると、社内の全ての人と関わることになります。どこの部署でどのような人物が、どんな仕事をしているのか、社内で何が起きているか、多くのことを知ることができるのと同時に、部署をまたいで多くの人と関わって仕事をすることができるので、とても貴重な体験だとも思っています。
エンジニアを目指しているのですからプログラミングしている時はもちろん楽しいのですが、実はこのPCの管理が上手くいったり困りごとが解決したときにも、達成感ややりがいを感じています。監督時代に無理なく無駄なくリソースを使いこなすことを心がけてきたことが、今になってもとても活きています!
将来は、先輩たちのような知識も技術も備わったマネジメントができる管理職を目指したいと思っています。
そのために必要な経験ではあるものの、仕事をしていて「やべぇ。。。」といった事が起きることも正直あります。はじめてのことは勉強すれば良いのですが、多少なりとも理解できているつもりの業務で指摘が入る時などは、地獄の始まりを予感させられたりします。しかしながら、その地獄をどれだけ楽しむことができるのかということも、楽しいと思えることをどれだけ増やせるかも、全ては自分次第だということもわかっているつもりです。私はこれからも、自分の目指す未来のために挑み続けたいと思います。
そんな地獄に飛び込んでみたい人、待ってます!