「森を活かす方法は、木を売ることだけじゃない」——【木栄】田仲大哉さんインタビュー
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“木材を売る営業”として日々現場を走りながら、実は彼の頭の中にはもう一つのビジョンがある。それは、日本の森林資源を未来へつなぐ「J-クレジット」事業。——この道を選んだ理由はそこにある。社会人10年目、異業種から林業の現場に飛び込んだ田仲大哉さんが語る、これからの「木の仕事」とは。
ー これまでのキャリアについて教えてください。
大阪府堺市の出身で、社会人としては今年で10年目になります。
最初に入社したのは精肉店で、4年間、現場での販売・接客・仕入れ・管理など、肉に関する仕事を幅広く担当していました。その後、医療系SaaS企業に転職し、顧客管理や契約のサブスク営業などを3年間経験しました。SaaSの世界では、IPOを目指して会社が急成長するタイミングにいて、刺激も多かったですね。
ー 木栄への入社のきっかけは?
転職活動をする中でFOREST GROUPに出会いました。森林の循環に携わる会社だと知って、さらに、「J-クレジット」という存在を知りました。森林のCO₂吸収量を「見える化」して価値に変える仕組みです。環境問題や持続可能な林業において非常に重要な制度でこの立ち上げに携われるというところに魅力を感じたのがきっかけです。
また、前職で九州の方にいて、関西に戻りたいタイミングでもありました。
ー 現在はどのようなお仕事をされていますか?
今はまだJ-クレジットの事業に携わってはいません。
そのため現在は、営業部として木材販売の営業に取り組んでいます。既存の得意先への対応はもちろん、新たな取引先の開拓や、観光業・異業種との連携といった新しい方向性の提案も行っています。
今は現場の木材営業で経験を積みながら、そのタイミングが来るのを見据えて準備している段階です。
でも、最終的にはこの分野で新しい事業をつくっていくことが、自分の中での目標になっています。
ー 入社して感じたこと、驚いたことはありますか?
驚いたのは、とにかく自由度が高いこと。
「この商品をこのように売ってください」といった明確なマニュアルがなく、自分で考えて動くスタイルです。だからこそ、営業の面白さと責任の両方を感じられる場所だと思っています。
ー 今後の目標を教えてください。
直近では、木材営業として成果を出すこと。そして“木を売る”というより“木のある価値を提案す営業になりたいです。
中長期的には、やっぱりJ-クレジットの事業をカタチにすること。
木や森に対する社会の関心が高まっている今こそ、そこにしっかり向き合っていける会社でありたいし、自分もその一員になりたいと思っています。
ー 最後に、転職や移住を迷っている方へメッセージをお願いします。
すぐにやりたいことが形になるとは限りません。でも、動き出さないと始まりません。“自分の裁量で働きたい人”や、“ゼロから挑戦したい人”には、ここはぴったりの環境です。
「木を売る」という日々の中に、環境ビジネスの未来を重ねる田仲さんの姿勢からは、“仕事”が“社会づくり”につながっていく手応えが伝わってきます。やりたいことがある。でも、まだ形になっていない——そんなあなたに勇気をくれるインタビューです。