「自分で考えて動ける営業の魅力。木と向き合いながら、田舎で見つけた自分のペース」——【木栄】今西さんのはたらき方
アパレル業界、飲食業界。そして“木”を伝える営業職へ。都会育ちでありながら、自然豊かな丹波市での生活を選び、地域と木に根ざす働き方に挑む今西竜太さん。自身の言葉で語る、キャリアと暮らしのリアルとは。
ー まずは、これまでのご経歴を教えてください。
京都市で生まれ育ち、専門学校ではファッションを学びました。卒業後はブランドの立ち上げなどにも関わっていたんですが、ちょうどその頃にコロナ禍になってしまい、思うように活動ができなくなって…。
それから飲食店で働き始め、ホール・キッチン・カウンター業務に加え、企画にも関わらせてもらいました。お客様と直接関わる現場は楽しかったですし、接客や空間づくりの面白さを知れた貴重な経験でした。
ー 転職を決意したきっかけは?
飲食の現場では「自分で考えて動く」という姿勢を大切にしていましたが、最終的な決定や全体の方向性はどうしても上層部に委ねられてしまっていて。「もっと自分で責任を持って、全体を動かせるような立場で働きたい」と思うようになったんです。
そんなとき、奥さんの実家がある丹波市に遊びに行く機会が増えて、自然の豊かさに惹かれていきました。都市の暮らしに慣れていた自分が、田舎に住みたいと思うなんて想像もしてなかったんですけど(笑)、気づけば「ここで働きたいな」と思っていました。
ー 木栄に入社した理由を教えてください。
ハローワークで木栄の営業職を見つけて、「木に関わる仕事で営業ができるなんて、自分のやりたいことにぴったりだ」と思ったのがきっかけです。
実際に入ってみると、木って本当に面白い。最初に驚いたのは「木って生きてるんやな」って感じたことです。乾燥の過程で反ったり、割れたり、変化し続けるんです。それに惚れました。
ー 現在のお仕事内容について教えてください。
営業職として、かなり幅広い業務に関わらせてもらっています。朝は出社して、得意先からのメールをチェックし、見積もりを作成したり、受発注業務を進めたり。その後は営業車に乗って、取引先や現場に向かう日もあります。
ただ商品を売るだけじゃなく、「どうしたら木が魅力的に届くか」を考える。だから、いい意味でマニュアルがない。自分でタイムスケジュールを組み、自分のスタイルで動けるのがこの仕事の魅力です。
ー 働くうえで大切にしている価値観は何ですか?
“決めつけないこと”ですね。木にも人にも、毎回違う個性があって、同じやり方が通じないことがある。だからこそ、その都度考える、工夫する。そうやって営業という仕事を「自分の仕事」として育てていきたいと思っています。
ー 木栄やフォレストグループの魅力はどこにありますか?
会社全体として、林業から製材、建築、販売まで一貫して関わっているので、自分が扱っている“木”の背景がちゃんと見えるんです。
「どこで伐られて、どう運ばれて、どう使われるのか」まで分かる。これはすごくやりがいがありますし、お客様にも“ストーリー”として伝えられる強みになります。
ー 地方で働くことの面白さはありますか?
めちゃくちゃありますね。自然が近くて、食べ物が美味しくて、人が温かい。知らない人にも「おはようございます」とあいさつされる生活って、最初は戸惑ったけど、今ではすごく心地いいです。
将来的には、営業として走りながらも、DIYで机を作ったり、畑を耕したり、そんな“理想の田舎暮らし”も叶えていきたいと思っています。
ー 今後、どんなキャリアを目指していきたいですか?
「自分で責任を持って判断できる立場」になっていきたいです。いずれは営業チームの中心になって、「木のある暮らしを提案する」役割を担っていきたい。都市部だけじゃなく、地方にも価値があることを仕事を通じて伝えていけたらいいですね。
ー 最後に、転職や移住に迷っている方に一言お願いします。
木の仕事って、夢があります。一見ただの木材かもしれないけど、それが家になったり、家具になったり、誰かの暮らしに溶け込んでいく。そのプロセスを“売る”という形で支えられるのは、営業という立場だからこそだと思います。
最初は感覚でいい。「面白そう」「自然の近くで暮らしたい」その気持ちがあれば、あとは行動するだけ。地方にはちゃんと“仕事になる自然”があって、“暮らせる仕事”があります。僕みたいに、都会育ちでもきっと楽しめますよ。
「木の営業」——それは、単なる売買ではなく、森から暮らしへの“物語のバトン”を渡す仕事。今西さんの言葉からは、自然と人と仕事がつながる手応えと責任が伝わってきました。“暮らしを変える働き方”を探しているあなたへ、届けたい一歩の物語です。