「料理だけじゃない、“地域”と関わる仕事」——【フォレスト・ドア】廃校レストランふむふむ 西崎陽祐さんインタビュー
お客様の笑顔と地元の食材に向き合う日々。フォレスト・ドア内にある廃校レストラン「ふむふむ」で働く料理人・西崎陽祐さんは、かつて大阪の居酒屋で店長を務めていました。多忙な都会の飲食業界から一転、家族との時間、そして地域への貢献を軸にした新しい働き方に踏み出した彼に、お話を伺いました。
ー まずは、これまでのご経歴について教えてください。
学生時代から飲食店でアルバイトをしていました。料理をするのが好きだったので、自然とその道に進んで。27歳のときに三田市の飲食店の正社員になり、その後は店長も任せてもらいました。忙しかったですが、飲食業ならではの達成感やお客様とのやりとりにやりがいを感じていましたね。
ー 居酒屋の店長という立場から転職を考えるようになったきっかけは何だったんですか?
やっぱり家族の存在が大きかったです。結婚して子どもが生まれて、休みも少なくて、家族との時間が本当に取れなくなってしまったんです。毎日深夜まで働いて、それでもお店を回さなきゃいけない。次第に「このままでいいのかな」と思うようになりました。
ー フォレスト・ドアを知ったきっかけは?
同級生が、フォレスト・ドアと同じグループ会社の「栄建」で働いていたんです。彼から「今、グループ内で料理人を探してるみたいだよ」って声をかけてもらって。紹介してもらって、社長と直接面談しました。
その時に「週休2日を希望してる」と伝えたら、それも快くOKしてくださって。それだけじゃなくて、人柄も良くて、地域も自然豊かでのどか。さらに「地域活性化に貢献できる」という点にも大きな魅力を感じました。
ー 「社会貢献に関われる」というのは、具体的にどんな部分に惹かれたのでしょうか?
「食」を通じて地域とつながれる。たとえば地元のお米や野菜を使った料理を提供したり、地域イベントに協力したり。料理をすることで地域に貢献できるというのが、自分にとってすごく新鮮で、やりがいにつながっています。
ー 実際に入社してみて、どんなことに驚きましたか?
ありがたいことに、思っていた以上にたくさんのお客様が来てくださっていることですね。紅葉の季節はもちろん忙しいですが、それ以外の季節の土日も目が回るほど(笑)。「こんな山奥なのに、こんなに人が来るの!?」ってびっくりしました。うれしい悲鳴ですね。
ー 現在の具体的なお仕事内容について教えてください。
メインは調理業務で、仕込みから一通りやっています。宿泊施設も併設されているので、そちらに泊まられるお客様のお食事のご用意もします。
また、ホールスタッフがいない日はホールにも立ちます。正直、1人で回すのはなかなか大変ですが、その分、やりきったときの充実感は大きいですね。
ー どんな方に仲間として加わってほしいと思いますか?
特にホールをしっかり任せられる方がいたら、本当に助かります。飲食業の経験がある方であれば、即戦力として活躍していただけると思います。もちろん未経験でも大歓迎です!
ー 地方で働くことの魅力って何だと思いますか?
ふと疲れた時に、外を見ると山が広がっていて、空気もきれいで、自然の音しか聞こえない。都会では味わえない“静けさ”があります。桜並木や紅葉、雪景色など、四季の変化を体感しながら働けるのは、何よりの癒しですね。
そして、人がとにかく優しいんです。地域の方との交流もあって、人との関わりが温かい。それも地方の魅力だと思います。
ー 今後「ふむふむ」をどんな場所にしていきたいですか?
もっと流行ってほしい、という気持ちはもちろんあります。それに加えてもっと「地域に開かれた店」にしていきたいです。たとえば、地元の方が平日にふらっと顔を出してくれるような、そんな“日常に溶け込んだレストラン”になったら理想ですね。
ー 最後に、転職や移住を迷っている方へメッセージをお願いします。
丹波市って、食材が本当に美味しいんです。野菜も肉も米も水も、すべてに恵まれていて、自然豊かでポテンシャルの塊だと思っています。
もちろん便利ではないところもありますが、その“不便”も含めて楽しめるようになるのが面白さだと思います。迷っているなら、一歩踏み出してみてください。きっと新しい景色が見えると思いますよ。
“料理人”として、“地域の一員”として。西崎さんの働き方は、単なる転職ではなく、生き方そのものを変える挑戦でした。自然の中で、人との距離が近い仕事をしてみたい。そんなあなたに、丹波のレストラン「ふむふむ」はきっとぴったりの場所です。