大阪府豊中市出身。短大卒業後、ワーキングホリデーや販売、旅行業などさまざまな仕事を経験してきた阪口明美さん。現在は丹波市で、“フォレスト・ドア”の一員として働いています。都市から山間部へ。働き方も暮らしも大きく変えた彼女に、その決断の背景や今の暮らしについてうかがいました。
ー これまでのご経歴について教えてください。
短大を卒業してから、ワーキングホリデーで海外へ行ったり、服飾雑貨の販売、旅行会社勤務、半年間ベトナムでの滞在など、いろんな仕事を経験して大阪に戻ってきました。ただ、それから満員電車に揺られ、人の多い環境で働く日々にだんだん疲れてしまって。
癒しを求めて山に行くようになったんです。自然の中に身を置くうちに、「山にも課題があるのでは?」と思って調べてみたら、山が荒れている現実を知って。
そこで、日本森林ボランティア協会の森林大学に半年間、働きながら通い、山の基礎的な知識を学びました。講師の方から丹波のパンフレットをいただいたことがきっかけで、「ここで暮らして山と関わる生活をしたい」と思い、丹波に移住。地域おこし協力隊として“木の駅プロジェクト”に関わりました。
ー フォレスト・ドアに入社したきっかけは?
協力隊としての3年間の任期を終える頃、木の駅プロジェクトを法人化することも考えましたが、「既にある会社の中に入って、チームで何かを進めていくのもいいな」と思うようになって。そんなときに出会ったのがFOREST GROUPでした。
最初は「木栄(もくえい)」というグループ内の事業所でアルバイトとして入り、その後フォレスト・ドアへ移行しました。
ー 入社して驚いたことやギャップはありましたか?
正直、最初はかなり静かな環境でした(笑)。平日はMonoile Wood Toy Museumも閉まっていて、冬には雪に囲まれて、来客もほとんどなく、一日中パソコンに向かってデータ整理をしていたことも。
でもその後、足立社長がヴィラを作ったり、いろんな新しい動きが始まって。目の前で会社がどんどん変化していくのを見てきたのは、すごく面白かったです。
ー 現在のフォレスト・ドアでのお仕事について教えてください。
今は週4日勤務の社員として働いています。木の駅プロジェクトの活動を理解してもらっていて、私の働き方を尊重してもらっているのがとてもありがたいです。
仕事内容としては、お客様対応、事務作業、ボイラーの薪割り、ショップの担当として取引先とのやり取りなど、ほんとうに幅広いですね。手を動かすことも、人と話すことも、どちらもバランスよく関われています。
ー 地方で働くことの魅力ってなんだと思いますか?
車通勤ができること!もう、満員電車に乗らなくていいというだけでストレスがぐっと減りました。あと、四季が本当に豊かなんです。春にはツバメが来たり、雪深い冬があったり、四季を感じながら働けるのは、都会では味わえない魅力ですね。
ー フォレスト・ドアやグループ全体の魅力は?
山に関わる仕事といっても、その関わり方は多様で、自分に合ったやり方を選べるのが大きな魅力です。足立社長がスピーディーに物事を進める方なので、常にいい意味での“変化”があるんですよね。そんな動きのある会社だからこそ、自分の役割もどんどん広げられる気がしています。
ー 今後チャレンジしたいことはありますか?
将来的には、山のガイドのようなこともやってみたいと思っています。定年後かもしれませんが、山と関わる幅広い活動をこの場所で続けていきたいです。
ー 最後に、転職や移住に踏み出せずにいる方へメッセージをお願いします。
もちろん、合う・合わないはあると思います。でも、自分の直感を信じて、一度飛び込んでみてほしい。怖がらずに一歩踏み出すことで、新しい自分に出会えるかもしれません。
「自然とともに働きたい」「都市での暮らしに疲れた」そんな想いを持っている方にとって、阪口さんの言葉はきっと背中を押してくれるはずです。あなたも丹波の森で、新しい働き方を見つけてみませんか?