■ ものづくりに魅了された少年時代
小さい頃から、何かを「つくる」ということが好きだった。ブロック遊びや工作、美術や図画工作の授業はいつもワクワクして取り組んでいたし、手を動かして何かを形にする時間は、何より楽しいものだった。
そんな性格もあってか、成長するにつれて「職人」という仕事に自然と惹かれるようになっていった。特に興味を持ったのが左官職人。壁や床を塗り、住まいを仕上げる技術に魅力を感じ、職人の道へと進むことを決めた。
何が難しいって、道具があってもきれいに仕上がらないんです(笑)それが悔しくて悔しくて・・・・・そこからは誰よりも綺麗に、早く仕上げようと無我夢中で仕事をしました。お金も稼ぎたいって想いも強かったからか、週に6~7日に夜勤に残業、人一倍濃い修業時代を送れたと思います。
大変でしたが、いい思い出です。
■ 左官職人としてのキャリア──新築工事の世界へ
職人としてのキャリアは、主に新築工事の現場でスタートした。大規模なプロジェクトに関わり、建物の土間や下地を手がける仕事に誇りを持っていた。
しかし、その一方で次第にある違和感を抱くようになった。
新築の現場では、完成後に施主の喜ぶ姿を見ることはほとんどない。建築プロジェクトは大規模で、職人としての関わりはあくまで“部分的”なものだった。自分の手がけた仕事がどんな形で喜ばれるのかを実感する機会がなかったのだ。
それでも当時の先輩は「楽しく仕事をしよう!そうすれば住んだ人も楽しく暮らせるから!」
「ふざけるってことじゃなぞ(笑)」なんて教えてくれたのが今でも根底にあります。
そんな中、転機となったのが内装リフォームの仕事でした。
■ 「お客様の喜ぶ顔」が見えるリフォーム業界へ
リフォームの現場では、新築とは違って施主と直接やりとりをする機会が多い。工事の前後で住まいがどう変わるのか、お客様がどう感じているのかがダイレクトに伝わってくる。
リフォームを終えたお客様が、完成後の仕上がりを見て「こんなに綺麗になるなんて!」「想像以上に良くなった!」と感動する姿を目の当たりにしたとき、「これだ!」と感じた。
それだけでなく「若いのにいい仕事するね」なんて言われたものだから嬉しくて仕方なかったのが、10年以上たった今でも覚えています。
「自分の仕事で誰かを直接喜ばせることができる」
新築工事では得られなかったこの感覚が、リフォーム業界へとシフトする大きな理由になった。
■ 23歳で独り立ち
最年少で「一級左官技能士」の国家資格を取得し、現場しか知らない職人が独立をする。
当時の親方からは仕事をもらえない!
個人事業主なので、仕事が無ければお金ももらえないわけですからとにかく営業しました。
当時や職人のマッチングアプリなんてないので、いろんな会社に電話やメールなど、飛び込んでみたり、知合いの職人さんの紹介や応援にいって仕事を繋いでいました。
「行動力」だけで「営業」と最低限の「経理や会計」を身に着けていきました。
紹介してくれた大工さんが、お金をもって消えてしまった・・・・そんな経験もしながら、リフォームの仕事を増やしていき、左官だけでなく、それにかかわる一連の技術を磨いていきました。
それが、建築一式の工事や設計に興味がでたきっかけとなり。
■ 職人から営業、施工管理、設計へ──現場から見えた業界の問題点
職人としての技術を磨くことからシフトチェンジし、会社員として転職を決意!
リフォーム業界に飛び込み、職人としてだけでなく営業、施工管理、設計、監理、品質管理など、幅広い業務を経験するようになった。
現場を知る営業だからこそできる提案がある。施工管理の視点で見ると、職人の苦労や工事の段取りがより明確に見える。設計や監理を学ぶことで、より精度の高いリフォームを実現できる。
しかし、同時に業界の「問題点」も見えてきた。
特に深刻だったのが、職人の「単価叩き」と品質管理の甘さだった。
■ 「職人が輝ける会社をつくりたい」──単価叩きの現実を変える決意
左官職人時代、発注側の無茶なコストカットや過度な価格競争に苦しんだ経験がある。リフォーム業界に入ってからも、それは決して珍しいことではなかった。
「良い仕事をしたい」と思っても、予算が厳しくて妥協せざるを得ない現実。
「本当はもっと時間をかけたい」と思っても、無理な納期で急かされること。
「このままでは、若い世代が職人になりたがらなくなる」
そう思ったとき、「自分が先頭に立ってこの状況を変えよう」と決意した。
職人が正当に評価され、誇りを持って働ける会社をつくる。
「ものづくりの楽しさ」や「やりがい」を次の世代に伝えられるような環境をつくる。
それが、株式会社ReMoreを立ち上げる原動力になった。
■ 「信頼されるパートナーでありたい」──クレーム産業をかえたい!
「リフォームはクレーム産業」
不安を煽って高額請求をする悪徳業者、口だけ営業マン、経験が浅いが独立した職人
そりゃあクレーム産業にもなるよ・・・
リフォーム業界に入り一番感じたのは、知識のない営業や施工管理、他人任せで行き当たりばったりの現場・・・
お客様にいい仕事を提供するには、営業を始め、設計と管理と職人が一体となることが大切です。
左官職人の修行時代に言われていた「楽しく仕事をする」これを広めることが、日本のリフォーム業界を変えられると感じた。
起業を考える中で、大手企業のリノベーション事業に携わる機会を得た。野村不動産のリノベーション事業の立ち上げに参加し、事業の黒字化に貢献。
この経験を通じて、単なる「リフォーム」ではなく、「価値を創る」リノベーションの可能性を学んだ。
「ただ古いものを新しくする」のではなく、「暮らしをより良くする」ための提案をする。
「顧客の要望を満たす」のではなく、「その人が本当に求める暮らし」を一緒に考える。
この考え方が、後のReMoreのビジネスモデルに大きな影響を与えた。
そして、決意を固めたタイミングでコロナ禍が訪れる。
世の中が混乱し、建築・リフォーム業界も大きな影響を受けた時期。多くの企業が縮小や撤退を考える中、あえてこの時期に独立を決断した。
「逆境の中だからこそ、挑戦する価値がある」
そして2020年、株式会社ReMoreを設立。
最初は小さな案件からのスタートだったが、「お客様第一」「職人を大切にする」という姿勢が評価され、次第に仕事が増えていった。
ReMoreは単なるリフォーム会社ではない。
「職人が誇りを持てる会社」
「お客様が本当に満足できるリフォーム」
「業界の常識を変え、新しいスタンダードを創る」
これらを実現するために、仲間と共に成長し続けている。
「モノづくりが好きな人」
「お客様を喜ばせる仕事がしたい人」
「業界の未来を一緒に変えていきたい人」
そんな仲間を、ReMoreは本気で求めている。
ここから一緒に、新しい未来を創っていこう。