次世代の都市開発を牽引する株式会社アーバンエックステクノロジーズ。ストーリー第一弾は起業から1年経過し、自身の振り返りを代表の前田に語ってもらいました。
◼︎設立から約1年、当時描いていた会社のビジョン通りに運営できていますか?
前田 紘弥(以下前田):この1年、概ね想定通りに運営ができています。
◼︎自信となったトピックスはありますか?
前田:とても優秀な人に入社してもらえました。設立前から彼らにはずっと声がけしていたので、とても嬉しく思っています。安心して仕事を任せられる優秀なメンバーに支えられていることが経営者としての自信に繋がっています。
◼︎事業が上手くいっている理由はどのような点でしょうか?
大きなポイントは二つあります。
都市のデジタル化に不可欠なAI、ビックデータ処理、画像認識等の技術に精通しているメンバーがいること、都市そのものに対する社会基盤的な知見を持つメンバーがいることが一つ目です。
また、都市の課題解決を行うには自治体含め多くのステークホルダーとの調整が必要になりますが、当社のメンバーはそのようなある意味泥臭いことも課題解決のためであれば厭わず実行していけることです。これが二つ目ですね。
◼︎この事業を考えたのはいつごろでしょうか?
2~3年前にはビジネスとして成立するのではと考えていました。研究自体は5年ほど前から行っていました。論文を書いて終わり、ではなく、実際に社会実装するところまで実施したいと思っていました。社会実装できると、研究レベルでは収集が不可能なレベルで膨大なリアルデータを集めることができます。集めたデータで新しい研究の可能性が拓けてきます。
私自身、修士を終えた後民間企業に一度就職をしたんです。1年半ほどコンサルとして働いた後、やっぱり研究の成果を社会に役立てていきたいと考え、今のビジネスを立ち上げることにしました。
◼︎今のメンバーがUrbanXに入社を決断されたのはどんな理由だと思いますか?
当社のミッション、ビジョンに共感してもらえた点が大きいと思っています。都市のデジタル化に関して、熱量をもって取り組んでいる会社は他にはあまりないと思いますので、OnlyOneの価値に共感してもらったと思っています。
◼︎メンバーの皆さんに共通している価値観とはどのようなものでしょうか?
新しい技術や未来の世界を作ることだけでなく、人そのものや人が集まって形成される街に興味関心があり、「みんなのために」都市のデジタル化に挑む価値観を持っています。都市には、デジタルデータに変換したときに抜け落ちてしまう要素があります。そういった要素を想像できる優しさのようなものが都市の課題解決には不可欠だと考えています。
◼︎前田さんの性格は?
楽観的で、合理的だと思います。どうなってもなんとかなると本心から思っており、楽観的です。前職を辞めて会社を立ち上げることを非合理な行動と言われたこともありますが、長い目で見れば合理的な決断だと思っています。
◼︎前田さんが影響を受けた人はどなたでしょうか?
一緒にビジネスに取り組んでいる関本先生ですね。学生時代は関本先生の研究室に所属していました。
その他大きな影響を受けたのは、サン=テグジュペリ執筆の書籍「人間の土地」です。なんのために生きるのか、とか、自分の仕事を通じて世界を見るとか、迷ったときに勇気をくれる書籍です。
◼︎影響を受けた関本先生とはどんな存在ですか?
生き方を背中で語るタイプですね。学生の時、世の中に価値提供をする術で悩んでいました。関本先生の研究に対する姿勢や社会課題の解決を目指す熱量に感銘を受け、このように取り組んでいくのも一つの道なんだな、と自身の方向性の参考になりました。
◼︎憧れの存在は?
ビジネスで言えばNIKEの創業者フィル・ナイトです。「SHOE DOG」を読んで感銘をうけました。私もスポーツのように一瞬に命をかけて生きていきたい!
◼︎社内で想いを語ったりシェアしている人は誰でしょう?
メンバー全員です。良くも悪くも、大きくないチーム(6名)ですので、アイデアや想いを全員で議論できています。
◼︎起業をしてみて一番大変だったことは何でしょう?
大変だったことですか…そうですね。
何をやるにしても初めての経験なので、一見すると瑣末なことでも非常に苦労しました。受発注に伴う事務手続きや採用、社内の仕組みづくり、、、前職ではビジネスの仕組みが出来上がっていたので、あまり意識したことがありませんでした。
◼︎どんな会社にしたいですか?
低廉迅速な都市のデジタルツイン構築による課題解決。当社の使命、存在意義を果たすための最高のチームを作っていきたいと思っています。先端技術も取り入れつつ、世界を驚かすような方法で、世界に貢献していく、そんなことを本心から思える仲間を集めていきます。
◼︎5兆円ともいわれるインフラ市場の規模か、よりよい生活の提供というエモーショナルの部分か、どちらが事業のきっかけになりましたか?
エモーショナルからですね。
たまたま市場規模は大きいですが、私含め東大土木出身のメンバーも多く、都市での生活をよくしたいという思いや都市を守ることに対する責任感がメンバーを突き動かしています。
◼︎ゆくゆくは海外展開も考えていますか?
都市やインフラは世界中にありますから、自然に海外も視野に入ります。海外での商品提供も考えていますし、いくつかの国では実証も行っています。
◼︎壮大な事業を行うにあたって、今足りないものとは何でしょう?
土木施工の業界に対する知見や、ネットワークが不足しています。土木分野の上流、すなわち国土交通省や大学関係者とのネットワークはあるのですが、一方で、現場の設計施工に関するネットワークが不足しています。都市の課題を解決していくことを目指す場合、現場の課題を解決していくことも重要ですから、今後そういった知見を蓄えていく必要があります。
◼︎UrbanXにJOINする魅力とは何でしょう?
仕組みづくりができる面白さでしょうか。例えば、道路点検AIを開発したとしても、それをどのようにユーザーの業務フローにはめていくかをクリアに示せないと全く使っていただけません。また、都市に関する膨大なデータを保有しており、今後もパートナー企業との連携を通じてさらにデータが増えていきます。膨大なデータを扱うこと、価値を見出すこと、そういったことに関心のあるエンジニアには最高の環境です。テクニカルに深みを目指す部分と実際のオペレーションにどう組み込むか知恵を絞る部分のバランスを重視しています。
◼︎逆にネガティブな面はありますか?
受け身で仕事に取り組む人には向かないかなと思います。社内の仕組みも日々整備しているところですので、そういう状況を面白いと思える人が向いています。自律し自らが仕事を獲得していく姿勢が必要です。1から手取り足取りを求められると、まだそこまで手が回らない状況です。
◼︎UrbanXで伸びるスキルとは何でしょうか?
事業家としての能力は伸びると思います。プロジェクトを始めてからクローズさせる一連の流れを経験できます。あと行政を領域とした仕事を得意分野にできるでしょうね。もしかしたら一生食いっぱぐれないスキルかもしれません(笑)。
◼︎色々プロジェクト参画の依頼もあると思いますが、お断りせざるを得なかったものはありますか?
たくさんあります。当社のミッション、ビジョンに合致しない場合は、お断りすることにしています。例えば、単なる機械学習系の受託などは短期的な収益を考えると受注したいところですが、長期的に当社のビジョン実現の足枷になると考えており、お断りするケースが多いです。
◼︎差し支えない範囲で今注力している事業について教えてください
大きく二つあります。一つ目は道路点検AIを起点にバリューチェーンを深ぼるものです。道路を設計施工して、点検して、修繕、新設するという一連の流れの中でユーザーに価値を提供できるアセットマネジメントプロダクトを開発しています。二つ目は、画像認識技術の高度化です。現在は道路の損傷や異常に注目していますが、他の構造物への横展開も行っています。
◼︎UrbanXの商品を通じて世の中がどんな幸せになってもらいたいですか?
都市は多くのステークホルダーが関わるからこそ、一部に歪みが生じてしまうものだと思います。そういった歪みを当社のソリューションで解消し、街に住むみなさんが幸せになるといいなと思います。
一同:本日はありがとうございました!