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「僕、VTuber業界がめちゃくちゃ好きなんですよ」
そう語るのはSPADE株式会社で代表取締役を務める大橋祐介さんだ。
熱狂的なファンとしての視点から業界を見つめ、いつしかその愛は
「自身の手でこの業界をもっと面白く、より良いものにしたい」
という強い決意へと変わりました。
本記事では大橋さんがどのようにしてSPADE株式会社を立ち上げ、困難を乗り越え、
唯一無二のサービスを生み出してきたのか、その熱き創業ストーリーを紐解いていきます!
創業の原体験―認知・獲得マーケティングの裏側で見た業界の「不条理」とは?
SPADE創業前、大橋さんは広告代理店でアフィリエイト広告を運用し、その前はインフルエンサーマーケティング会社でプラットフォームの立ち上げに携わっていました。
その経験で目の当たりにしたのが、業界に蔓延する「不条理」な状況でした 。
「インフルエンサーはもっと評価されるべきなのに、その対価が合っていないと感じていました。その大きな原因の一つが、高すぎる代理店マージンです。その結果、クライアントにとってはCPA(顧客獲得単価)が見合わない施策になりがちで、一方でVTuberへの支払いも少なくなる。これでは、本当に影響力のある人たちは集まってくれません。
加えて、これまでの認知施策では効果を計測できないので、『結果は推測してもらうしかない』とクライアントに伝えるしかない。それでも認知は必要なので“やるしかない。この不透明で、もどかしい構造がずっとあったんです」
特にVTuber業界には面白い人がたくさんいるのに、「案件はゲームしかない」と思われているのも、こうした構造が原因の一つだと感じていました。
この「不条理」を解決し、「VTuberが適切な評価をされない状況を打破したい!」という強い思いこそが、大橋さんの創業の原体験となりました。だからこそVMateでは、誰もが納得できる『信頼性』と『透明性』をサービスの根幹に据えたい、という強い思いがあるんです。
VTuber業界に特化したプラットフォーム「VMate」が生まれた理由—アナログな会社が多いなら、自分たちがデジタルに
「VTuberのマッチングプラットフォームは他社でもすでにサービスがあるのは知っていました。しかし実態は担当者の感覚に属人化していて、データに基づいた公平なサービスを提供できていないのではないか、と疑問に感じていました」
この問題意識から、大橋さんはデータの力で不条理を解決するマッチングプラットフォーム「VMate」の開発を決意したと語ります。
VMateの最大の強みは、インフルエンサーマッチングプラットフォームでは珍しい「コメント分析機能」を備えている点です。
「コメント分析機能」とは配信に対するコメントの評価や内容を分析し、視聴者の反応を細かく把握できるもの。これにより、これまで「なんとなく」でしか語れなかったプロモーションの効果がデータで可視化され、VTuberの影響力を正しく評価できる世界を実現しました。
「この機能がもたらす価値は、VTuber本人だけじゃないんです。まずVTuberにとっては、これまで感覚に頼りがちだった自身のチャンネル運用を、データという武器で戦略的に行えるようになります。
そして、彼らを支える事務所にとっても、非常に大きな意味を持ちます。高価な分析ツールは導入が難しく、どうしてもマネージャー個人の経験則に頼らざるを得ないのが実情でした。タレントが増えれば、その分マネージャーも必要になり、一人前になるまで時間もかかる。
この機能を活用すれば、その育成期間を短縮し、事務所全体のマネジメントレベルを底上げできるんです。
もちろん、クライアントである企業にとっては、認知施策の効果をデータで限界まで可視化できるだけでなく、例えばコメントのポジティブな単語をLP(ランディングページ)制作に活かしたり、そもそも『この企画はどれくらい興味を持たれるか』といったテストマーケティングにも活用できます。
VTuber、事務所、企業。この三者すべての課題を解決できると確信しています」
さらに、「金額申告機能」を実装。
「これまでは、クライアントがミニマムな予算で依頼を出すため、それに見合った駆け出しのインフルエンサーしか応募が来ない、という偏りが生まれていました。一方で、もう少し報酬が高ければ応募したかった、というインフルエンサー側の機会損失も大きかったんです」
そこでVMateでは、企業が案件の全体予算を管理し、インフルエンサーは自身の実績と依頼工数を元に希望報酬を提示できる仕様に変更。これにより、企業は予算内で様々なレンジのインフルエンサーから選べるようになり、インフルエンサーは自身の価値を正しく評価される機会を得ました。
「企業には選択肢の幅を、インフルエンサーには対価と報酬の適切なバランスを。この機能で、両者の理想的なマッチングを目指しました」
ゼロからの挑戦—新しいサービスだからこそ生まれる課題と困難
VMateは世にない機能をゼロから作るため、参考となる前例がありませんでした。
特に苦労したのは、開発と営業の間にある考え方や目線のギャップを埋めることだったと言います 。
「営業は『こういう状態が理想だ』と顧客の感情的な価値を語る。でも開発は、それをシステムとして動かすための具体的な定義を求める。このギャップを埋めるのが本当に大変でした」
どうやって乗り越えたのか尋ねると、答えはシンプルでした。
「とことん話し合う、それだけです。ユーザー視点、開発視点、あらゆる可能性をテーブルに出し、全員が納得するまで議論を重ねました。それでもロジックだけでは埋まらない溝がある。そんな時は、『なぜこの機能がVTuberのために必要なのか』『これがユーザーにどんな未来をもたらすのか』という僕たちの原点であり、想いを、理解してもらえるまで伝え続けました」
この困難を乗り越えたからこそ、SPADEは属人化せず、サービスが一定のレベルで保たれる独自の分析型プラットフォームを生み出すことができたのです。
SPADEが目指す「市場全体の成長」と未来の仲間へーVTuberに関わる全ての人の「選択の幅」を広げたい
VMateは今のマッチングプラットフォームで終わりません 。
今後は「VTuber × 〇〇」のプラットフォームを広げていくのはもちろん、プロモーションの効果をさらに深く追いかけるための独自の『計測環境』の開発も進めています。
私たちの最終的な目標は、単なるマッチングに留まらず、VTuberが活動する上でのあらゆる課題—例えば収益化の多様化、ファンコミュニティ運営、権利管理まで—を網羅的にサポートできる、唯一無二のインフラとなることです。「プラットフォームといえばSPADE」という存在になることを目指しています。
会社のミッションである「The Choice is Yours.-「やりたい」を選べる世界を作る」には、VTuberと企業、クリエイターとファン、そして私たち自身が想いのままに「やりたい」を選び、つながり、共に創っていこうというメッセージがあります。
好きが力になる世界をSPADEは目指していきます!
「現場に満足していない」あなたへ
大橋さんは、未来の仲間に向け「異なる意見や困難な状況に対して耳を傾けられる柔軟性」と「現場に満足せず成長する意欲がある人」を求めています。
SPADEで働く魅力は、成長市場を間近で見られること、そしてスタートアップとして裁量権を持ってサービスや事業を作っていけるフェーズにあることです。
「環境が変わらないと感情も変わらない。あなたの未来の選択の幅を広げるために、まずは行動することが大切だと思います。現場に対して満足していない状況の方は一度お話ししましょう」と呼びかけました。
あなたの「好き」という情熱で業界の「不条理」を打破し、市場を次のステージへ押し上げる力に変えてみませんか?