事業家創造株式会社がマーケティング / EC / 新規事業立ち上げなどのコンサルティングをメイン事業とするまでには、さまざまな会社の変遷がありました。
創業当初から変わらないのは「多くの事業家を世に輩出する組織となる」という、人材育成への強い想いです。
創業者の松村は、これまでの経験を通じて、企業における「人」の重要性に気づき、事業家創造会社を立ち上げました。連続起業家でもあり、上場企業の取締役も経験した松村に、自身が「事業家」となったいきさつから事業家創造の現在地まで、詳しく話を聞きました。
幼い頃から描く「起業」への道を切り拓いてきたこれまでのキャリア
──まずは、松村さんが起業するまでのキャリアについてお聞きします。学生時代から起業を目指していたのですか?
両親がともにフリーランスだったこともあり、子供の頃から起業という選択肢は身近にありました。私も将来は手に職をつけたり、何かを生み出したりして生きていけるようになりたい。自然とそう考えていましたね。
中高時代には、さっそく自分なりの小さなビジネスを始めることに。洋服をリメイクして、周りの友人にお小遣い程度に販売していたんです。遊ぶときに自作のスカートを履いていたら、友人が「私にも作って!」と言ってくれて。この経験が「好きなことを仕事にする」道が定まった大きなきっかけになったと思います。
大学では、ITへの興味から情報系の学部に進み、学内の情報交換サイトやアルバイト求人サイトなど、ちょっとしたサービスも複数立ち上げました。
──学生時代からいろいろと行動を起こされていたんですね。松村さんは卒業後、フューチャーアーキテクト株式会社に入社します。会社に所属することを選んだ理由は?
就職せずに起業するか悩みましたが、両親が会社員ではなかったため、そもそも自分は会社という組織体がどういうものなのかを、まったく知らないなと気づいて。だったらまずは就職してみて、組織や事業の成り立ちを理解してから起業するのがいいだろうと考えたんです。
そのタイミングで出会ったのが、ITコンサルティングファームのフューチャーアーキテクトでした。「経営とITをデザインする」というビジョンが、起業を視野に入れていた私の志向とぴったり重なると感じて入社を決めました。
在籍した3年半で、さまざまなプロジェクトの計画から提案、開始までの工程を一通り経験しました。ビジネスがどのように始まり、回っているのか、大いに学ばせていただいたと思います。
業務外の時間では、Webサイト構築やプロダクト開発に関する勉強も続けました。多くの人を雇用して会社を経営するイメージはまだ持てていませんでしたが、最低限自分ひとりの生計は立てられるだろうと考え、独立を決意したのが2011年5月のことです。
──その後、起業してからはどうでしたか?
自分が心から好きなサービスを作ろうと考え、最初に洋服の宅配サービスを立ち上げました。しかし、事業はなかなか思うようにいかなくて。仕入れの初期費用が発生する一方で、売上につながらず継続が難しくなり、3年でクローズを決断しました。
次に立ち上げたのが、在庫を抱えないビジネスモデルのクリーニング事業です。会社として資金調達も済ませていたので、ゆくゆくはIPOかM&Aを見据えた上での起業でした。サービス開始から1年後に、大手アパレルの株式会社ストライプインターナショナルのグループ会社になり、同社の取締役も務めました。
──そこで、大企業の経営も経験されたのですね。
起業後は月商100万円の売り上げを立てるのも精一杯でしたが、1000億規模の会社で経営に携わったことで、見える世界が大きく変わりました。自分の視座も高められたと思います。また、学生時代から親しみを持っていたアパレル領域のど真ん中を経験できたことも大きかったですね。
ただ、ずっとこの道を歩んでいくのかと考えたとき、どうしても違和感が拭えなくて。私って本当は何をしたかったんだっけ?と立ち止まり、出た答えは「やっぱり、自分で事業を興したい」でした。それで再度、イチから自分の会社を作ろうと決意したんです。
「人を育てる」事業への着想から、社長交代という大胆な意思決定まで
──そうして松村さんが立ち上げたのが、事業家創造の前身となるプラチナキャリア株式会社でした。どのような思いで立ち上げたのですか?
会社経営において最も重要なのは「人」だと実感したことが、創業の根幹にあります。これまでの経験から一貫して感じていたのは「自社にマッチする人材となかなか出会えない」という課題でした。
ストライプインターナショナル時代には、本社EC部門の統括として、6人から30名超の組織拡大を経験しています。当時は、人事部と連携して採用活動に力を入れ、ほぼ毎日のように面接をしていました。ですが、ストライプインターナショナルのような大企業でさえマッチする人材と出会うのは難しく、規模や業種にかかわらずどの企業も抱える共通の課題だと認識したんです。
そこで「人を育てる」ビジネスに大きな意義があるのではと考え、2018年7月にプラチナキャリア株式会社を設立しました。
──創業後は、事業内容に変遷があったそうですね。
最初はキャリア講座プログラムを立ち上げましたが、集客が思うようにいかず…。これまでの経験上、人のキャリア相談に乗ることが多かったため、次は人材紹介事業を開始。私ひとりで月に100人ほど面談を行いながら転職先を紹介し、こちらは順調に事業が拡大していきました。
ところが軌道に乗った矢先、コロナ禍でクライアントの採用活動が一斉にストップしてしまい、再び難しい局面を迎えます。事業の見直しを迫られ、本当に何をやりたいのかじっくり考えることにしたんです。
もともと人材育成がしたくて立ち上げた会社でしたが、講座ビジネスはうまくいかず、ひとりで事業を練る限界も感じていました。悩んだ末に生まれたアイデアが「誰かに社長を任せること」。自分だけでは思いつかないような、面白い事業が生まれるのではと考えたのです。
──思い切った決断でしたね。現・代表取締役社長の大河内さんとの出会いのきっかけが気になります。
大河内のインタビューでも語られていますが、もともとは2019年頃にSNSを通じて知り合っていました。彼はすでに複数社でEC/D2Cマーケティング支援領域を中心に活躍していて。メッセージのやり取りで職場が近いと分かり、お茶でもしようと会うことになったんです。
当時の第一印象は「ちょっとチャラチャラした今どきの若者だな…」という感じでした(笑)。でも何か一緒にできたらと考え、取引先向けにインスタグラム運用の勉強会を開いてもらったところ、それが非常に好評で。勉強会を通じて、彼の仕事への姿勢や人との向き合い方を知り、とても信頼できる方だと感じました。そこから一気に距離が縮まっていったんです。
──打診の経緯はどのような感じでしたか?
社長ポジションについては、以前より求人を出していろいろな方とお話したのですが、なかなかピンとくる出会いがなくて。そんなとき、当時スタートアップに勤めていた彼とまた会う機会があったんです。
彼から「今の会社は事業が回る仕組みを構築できたので、次は戦略設計を実行できる優秀な人材を育てる立場にチャレンジしたい」と聞いたときは、思わず運命を感じましたね。迷わずに「事業家創造株式会社ではまさにそんな事業を考えていて、社長を募集しています!」とストレートにお誘いしました(笑)。
顧客支援を通じてビジネスの現場に身を置き、事業家を生み出す組織へ
──改めて、事業家創造が現在手がけている事業についてお聞かせください。
事業家創造は、EC/D2Cの立ち上げおよびマーケティング支援、コンサルティングをメイン事業としています。大河内が個人事業として続けていた領域を、会社として展開することにしたのです。
現在の形に至るまでには、お互いに目指す人材育成を、どのような形で実現していくか何度も議論を重ねました。
支援事業では、1日でも早く売上を伸ばしたいお客様に伴走し、ビジネスの現場に身を置くことになります。そのため、弊社でコンサルタントを経験すれば、日々の業務を通じて起業や事業創出に必要な能力を磨くこともできるはず。
こうした考えから、私たちは、形式的な育成プログラムを提供するのではなく、実践的な業務経験を通して事業家を育てる組織を目指すことに決めました。
──大河内さんと松村さんの役割分担はどのようになっていますか?
大河内は代表取締役社長として最終意思決定者を務め、コンサル事業全般の執行や、1人目社員である藤本の事業面での育成を担っています。そして私は、経営全般のフォローを行っています。
もちろん会社の方針決めについては相談しながら進めていますが、意思決定のスピードを重視して、お互いに任せ合う場面も増えてきました。
私から見た大河内は、事業や売り上げを伸ばす能力が非常に長けている人。私はサービスを作るのは得意ですが、営業には苦手意識があるので、そんな彼をとても尊敬しています。一方で、会社経営については私が教える場面もあり、うまく役割分担できているのではないでしょうか。
まったくタイプが違う2人だからこそ、想像もできない未来が描けるようで面白いなと感じています。
──会社の雰囲気はいかがですか?
ビジネスにおいても普段の関係性においても、事業家創造では、人と人とのつながりを大切にしています。
そのため支援事業でも、クライアント先で働く人たちを想像しながら、一人ひとりのお力になれるように全力で向き合っています。ビジネス上の意思決定を行う際にも義理や人情、仁義に重きを置いているので、そういう意味ではかなりウェットな雰囲気かもしれません。
ただし、全員が仕事にはめちゃくちゃガツガツしています(笑)。この2つを両立しているのが、私たちならではの社風だと思います。
自分の姿を見て希望を持ち、起業にチャレンジする人を増やしたい
──松村さんは、現在もコーチング事業を行う個人会社を経営していたりと、連続的に起業されてきました。松村さんが、今も起業家であり続ける理由とは?
普通の人間でも、自分で事業を立ち上げて一生懸命やっていれば、キャリアの可能性は必ず広がるんだと伝えたいんです。
起業は、才能と環境に恵まれた人だけができるものだと思われがちです。でも私自身は、人より抜きん出た能力を持っているわけでもなく、日本の一般的な家庭で育った人間。こんな自分が背中を見せることで「私もチャレンジしてみようかな」と、誰かの希望になれたらと思っています。
起業は、つらいことの連続です。大変だったなと思う経験が、それこそ9割5分くらいを占めています。でも、その困難や苦労をたった一瞬で凌駕する魔法の言葉があって。それが、お客様からの「ありがとう」なんですよね。そうした瞬間を味わうために、この起業人生を続けていると言っても過言ではありません。
──数々の経験を経て、成功できた理由はどこにあると思われますか?
やっぱり、努力の量ではないでしょうか。今の時代ではあまり褒められた話ではないと思いますが、一度やると決めたら時間やリソースをとことん注ぎ込みます。
会社員時代も、朝6時に家を出て終電まで働いて、土日はサービス立ち上げのための勉強をしていました。真似をしてほしいとは決して思いませんが、そうやってがむしゃらに目の前のことに向き合った経験が、今の自分を形成しているのは間違いありません。
──ご自身の経験をふまえて、起業家を目指す方へのアドバイスはありますか?
起業コンテストやアクセラレータープログラムに、まずはトライしてみることをおすすめします。そこで周りからフィードバックをもらい、スタートアップとは何か、起業するとはどういうことかを学んでいくとよいのではないでしょうか。
今はネットで調べれば、多くの情報にたどり着けます。けれど、ひとりでなんでも知ろうとするよりも、実際にスタートアップの道を歩んでいる先輩から一次情報を得て、最初から「本物」に触れる経験をしてほしいですね。
──最後に、どのような人材と一緒に働きたいとお考えですか?
何を大切にして働くのかは、人によって異なると思います。だからこそ、私たち事業家創造が大切にしているカルチャーや働き方、仕事に対するマインドに共感いただける方に入社していただきたいですね。
事業家創造のメンバーに加わると、クライアントと一緒に成長を目指し、ビジネスの現場に深く入り込めるので、事業の醍醐味を味わえると思います。
正直、まったくキラキラふわふわとした世界ではありません。事業運営には、地道な作業や泥臭い努力、そして人間関係の構築が不可欠です。
弊社に来ていただけたら、経験豊富な大河内と私がゼロから教えますし、ゼロから自分で実行していただく機会を提供します。社員の藤本も、早くもクライアントの事業目標達成に向けて活躍してくれています。
リアルで手触りのある経験を積み、事業家としてチャレンジしたいと考える方をお待ちしています!