森 遼平さん
大学院で心理学を専攻し、実験データの分析を通じてデータサイエンスの面白さに目覚めた森さん。現在は大手通信会社のマーケティングデータ分析に携わっています。就職活動でD5Cを選んだ理由から、現在の業務内容、成長を感じた瞬間、そして今後の目標までを聞きました。
就活のポイントは早期の対話と人の魅力
ー大学・大学院ではどのようなことを学ばれていましたか?
大学院では心理学を専攻していました。「実験心理学」を専攻し、被験者の方に協力いただき心理実験を行い、その結果データを統計的に分析していました。当時から独学でPythonも少し触っていて、「データを扱って仮説を検証していくプロセス」がすごく面白いと感じていたので、自然と「データ分析を仕事にしたい」という気持ちが強くなっていきました。
ー就職活動ではどのような軸で企業を見ていましたか?
まず「データサイエンスに関わる仕事であること」。そのうえで、コンサルティングのようにお客様の課題に向き合いながら、人の役に立てる仕事がしたいと考えていました。D5Cに決めた理由は2つあります。1つ目は、就活早期のタイミングから対話の場をつくってくれたことです。座談会や面談の機会が他社よりも早く用意されていて、D5Cのことを深く理解する時間を持てたのは大きかったです。もう1つは「人の魅力」。自分がうまく言語化しきれていない部分までくみ取ったうえで、鋭い問いを返してくれるその姿に「クライアントと向き合うコンサルタント像」のようなものを感じて、「こういう大人と一緒に働きたい」と思えたことが、最終的な決め手でした。
マーケティングデータを分析し、施策の効果を見極める
ー現在のお仕事の内容を教えてください。
大手通信会社が行うメール配信などの顧客向け施策について、「その後どれくらい来店が増えたのか」「契約にどのくらいつながったのか」といったKPIのパイプラインを構築・運用し、必要に応じて追加の分析を行う仕事です。「ある施策を打った結果、お客様の行動がどう変わったのか」をデータから読み解き、意思決定の材料となる数字を提供する役割を担っています。
ー1年目からそのお仕事はなかなか難しいこともあったのでは?
そうですね、一番難しかったことは「要件をきちんと定義してから、実装に落とし込むこと」です。当初は限られた10店舗分の分析をしていたところ、「分析対象を全国の店舗に対象を広げたい」という依頼をいただいたケースがありました。一口に「店舗」といっても、郊外にある路面店のような店舗もあれば、家電量販店の一角にあるカウンターのような店舗など、いろいろな形態があります。ここを曖昧なまま「全国の店舗」で処理してしまうと、集計結果が本来の意図とズレてしまいます。実際に一度、要件の詰めが甘く、作り直しになってしまったこともありました。そこから、「お客様が何を『店舗』と定義しているのか」「対象に含めないパターンは何か」といった前提を、自分からしっかり確認する重要性を痛感しました。
要件定義とミーティング準備で磨かれる、「伝える力」と主体性
ー要件定義以外で、今特に意識して取り組んでいることはありますか?
ミーティングに臨む際の「準備」と「伝え方」は、意識的に変えるようになりました。11月に今の担当に異動してすぐのミーティングで、クライアントの方から「この分析、いつ頃出せそう?」と聞かれたとき、ほとんど準備ができておらず、うまく答えられなかったんです。「自分が責任を持って回答する立場なんだ」ということを強く実感しました。それ以来、ミーティング前にはどのタスクにどんな課題があるのか、進捗確認から先方に確認したい論点は何かを整理し、ポイントを絞って伝えられるようにしています。
ー「伝え方」について、具体的に工夫していることがあれば教えてください。
口頭だけで説明しても伝わりにくい場面ではExcelで簡単な表や図を作り、視覚的に見せるようにしました。例えば、想定していたデータ構造と実際のデータが違っていて、そのままでは分析できない場面があったとき、元の想定、実際のデータの状態、どんな対応が可能かを小さなサンプルデータで再現して説明したところ、クライアントやマネージャーにもスムーズに納得していただけました。「自分が理解していることを説明する」のではなく、「相手にどう見えたらわかりやすいか」を意識するようになったのは、大きな変化だと感じています。
働く場としてのD5Cと、今後の目標
ー働く環境として、D5Cをどのように感じていますか?
まず何より「人が良い会社」だと感じています。ここでいう「良い人」とは、単に優しいという意味ではなく、仕事に対してプロフェッショナルであり、プライベートも含めて人生を楽しんでいて後輩にもフラットにフィードバックをくれるといった意味での「素敵な大人」が多い、という感覚に近いです。話してみると面白い話をたくさんしてくださいますし、こちらが悩んでいるときには、否定するのではなく「こうしたらもっとよくなるよ」と前向きなアドバイスをくれます。会社としても、まだまだ成長していくフェーズにあるので、社内勉強会のワーキンググループ、書籍購入補助や資格補助、研修期間の拡充など、「人を育てる仕組み」を強化している印象があります。
実際、私は事業部内の勉強会運営グループに所属していて、「資料作成・プレゼンテーション」をテーマにした勉強会のモデレーターを任せてもらいました。1年目からこうした場の企画・運営に関わらせてもらえるのは、D5Cならではの良さだと思います。
ー今後の目標を教えてください。
短期的な目標は、今担当している案件で「より良い価値」を出せるようになることです。マネージャーの方にフォローしていただいている部分もまだ多いので、要件定義から実装、報告までを一通り自分で回し、「森さんに任せてよかった」と言っていただける状態を目指しています。長期的には、クライアントワークだけでなく、「事業部内の勉強会や制度づくり」メンバーのスキル底上げにつながる取り組みなどを通じて「組織全体の地盤を強くすること」にも関わっていきたいです。
自分の働きかけによって、事業部や会社全体が少しずつ良くなっていく——そんな影響を与えられる人材になれたらと思っています。
ー就職活動中の学生にメッセージをお願いします。
就活をしていると、どうしても「正解の一社を選ばなければならない」と考えてしまいがちですが、あまり気負いすぎないでほしいなと思います。まずは「自分がどういう状態なら幸せか」を考えてみてください。
それは、収入を一番重視したいのか、働き方のホワイトさを重視したいのか、仕事そのものの面白さを優先したいのか人によって答えは違うはずです。「やりたいことが分からない」という場合は「どういう人生が自分にとって心地よいか」を手がかりにしてみると良いと思います。もちろん、いくら考えても選んだ先がどうなるかは誰にも分かりません。だからこそ、「就活=人生の全て」だと思い詰めすぎず、「自分が少しでも幸せに近づけそうだ」と思える選択肢を選んでいってもらえたら嬉しいです。