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未経験者が独学でドットデザイナーになるまでと、現在の話

こんにちは。cocone v note編集部の飯田です。
今回はGAMEデザイン室にて、ドットデザイナーとして活躍している岩太郎さんにインタビューを行いました。

「ドットデザイナーになりたい!」という思いで入社して約2年。ドット絵にハマったきっかけや、cocone vのドットデザイナーとして経験したこと、これから挑戦したいことについてお聞きしています。

岩太郎さん経歴
関東出身で、大学では主に情報やプロダクトデザインを専攻。
未経験からドットデザイナーとして働くために2022年6月cocone vへ入社。現在はGAMEデザイン室に所属し、『チョコットランド』のドットデザイナーとして活躍中。マイブームはハーブティー。

「自分の思い描いたドットは自らの手でつくる」ドットデザイナーへの道のり

―岩太郎さんがドット絵を始めたきっかけを教えてください。

岩太郎)元々ドットがメインのレトロゲームが好きで、アクションゲームを遊びながら自分で考えたオリジナルの能力や、あったらいいなと思う敵キャラ、ステージを絵に描き起こして、それをドットで再現したりするのが趣味でした。

就職活動中もドットデザイナーとして働ける会社を中心に探していましたが、ドットデザイナーの求人自体がかなり少なかったこともあり、大学卒業後は別の道に進みました。

社会人になってから、ある時知り合いにドット絵の作品を見てもらったことがあるのですが、その時の評判が思ったよりも良かったんです。
そこで再びドットデザイナーとして仕事がしたいと思うようになり、転職活動を始め、cocone vに入社することになりました。

チョコットランドの最大の特徴である、ドットで表現される魅力的な世界観やモンスターが自分の好みともマッチしていたことや、会社や働いているメンバーの雰囲気が非常に良さそうで、ドット制作に集中でき、学べる環境があると思ったため、入社を決めました。

転職活動中もドットデザイナーの求人が少なく、なかなかご縁に結びつかなかったため、半ば諦めかけていましたが、cocone vと出会ってずっと目指していたドットデザイナーになれたことは本当に嬉しかったです。

―タイミングが重なっての入社だったんですね。私たちも数少ないドットデザイナーと出会えたことに歓喜したのを覚えています…!
岩太郎さんは関東からの入社だったかと思うのですが、見知らぬ土地への転職は不安に思われなかったですか?

岩太郎)別の土地へ行くことには抵抗感はありませんでしたが、福岡の土地勘や、知り合いも全くいない状態だったので、実際に住むとなると多少の不安はあったのは事実です。
ですが、面談の中で福岡での暮らしについても教えてもらい、不安をほぼ解消した状態で転職することができました。

福岡へ来てもうすぐ2年が経ちますが、交通の便が良いことに加えて、福岡の街並みが発展・充実しているのでどこに行っても退屈することがなく、想像していたよりも住みやすい場所だなと感じます。
週末には街歩きをしてお店の開拓をしています。

決められた範囲でどこまでこだわり抜けるか。ドットデザイナー駆け出し時代にぶつかった壁

―入社して最初はどんな業務を担当されたのですか?

岩太郎)研修期間中は、髪、顔、武器などの基本的な装備一式と、モンスターの案をいくつか出して、その中で実際制作できそうなものをピックアップして制作しました。

また、簡単なアイコンやコーデガチャの装備の色変え、一部アイテム制作も研修中より担当しました。
コーデガチャの一部アイテムで、頭装備と背装備の弓を担当しましたが、当時は弓の発光表現に苦戦しました。
今思えば部分的にしか携わらなかったため、そこまで難しいものではなかったかと思うのですが、慣れない中での業務だったこともあり苦労もしましたし、お客様の目に触れるもの、かつ課金商材でもあったため、正直私がやっていいものなのかプレッシャーに感じた作品です。

研修期間中に携わった、「サイバーストリート」シリーズ。

研修期間を終えた現在も引き続き、アイコンやモンスター、オブジェなど、ドットデザインに関するものは幅広く担当しています。最近ですと、エイプリルフールイベントでストーリーの起点となるオブジェを担当しました!

―独学からドットデザイナーとして着実にステップアップしていったのですね...!
チームではどんなサポートがあったのでしょうか?

岩太郎)私の場合、実務未経験だったこともあり、研修中はチームリーダーと先輩の2人でついてくださり、特にしっかり見ていただいた印象があります。

cocone vでのドット制作では「EDGE2」というツールを用いて制作します。
私は入社して初めて触れたのですが、触っているうちに理解できるものが多いですし、何より社内で用いるマニュアルが充実しているので、安心して制作に挑戦することができました。

ー入社してから、苦労したことはありましたか?

岩太郎)ドットのアニメーション制作が一番苦労しました。
趣味でもドットのアニメーションも少し作っていたのですが、独学で作っていた時の癖が残り、チョコットランドのアニメーション制作に苦戦した思い出があります。

最初にぶつかったアニメーションの壁は、私が入社して初めて携わった「とぅいんくるえんじぇる」シリーズのアイテムでした。

「とぅいんくるえんじぇる」シリーズ

岩太郎)過去の制作物で似たような動きをするアイテムがあればその動きを参考にしてみたり、実際に身近にあるもので動きを作ってみて、アニメーションに落とし込んだりと様々な工夫を重ねました。
ちなみにこの帽子のひらひら部分は、ティッシュをひらひらと動かして、アニメーション制作の参考にしたんですよ。作りながら先輩からもいくつかフィードバックを頂き、ようやく完成させた作品になります。

アニメーション制作においては、ここはしっかり作り込む、というよりは、アニメーションに合わせて自然に見えるように、多少ゆがませるとちょうど良い表現ができるんです。
また、アニメーションはコマが決まっているため、その縛りの中でどう自然に表現するのかも考えないといけません。限られた中でしっかり作り込まないといけないので、お客様が見て違和感がないよう、細部まで気を使いました。

このような試行錯誤の繰り返し、かつ、細かい作業となるので、正直目や腰が疲れることもあります(笑)。
ただ疲れよりも、楽しい、ドットが好きな気持ちが勝るので、この作品もそうですし、完成品をみたときの達成感に変えられないものはないです。

―岩太郎さんがドットデザイナーとして大切にしていることは何ですか?

岩太郎)作品の魅力を聞かれたときに、ここを見てほしいと言えるような推しポイントを持つようにしていることです。これは制作中のモチベーション維持の意味もありますが、自分が自信をもって、これは良いものだとお客様にお出しできるようにするためでもあります。
そのため、自分の携わる制作物に対して、必ずどこか魅力を感じられるように制作することを心掛けています。

上記で言及した「とぅいんくるえんじぇる」シリーズでいくと、常時キラキラと光っている背中の羽が推しポイントです。移動中などでは後方に向かってキラキラと流れていくような表現になっているので、見栄えも良いところが気に入っています。
また、休憩中は基本的に普通に座っているだけのポーズが多いのですが、この「とぅいんくるえんじぇる」シリーズの服装備を着用した場合は、休憩中に祈るポーズになるんです。ここもコンセプトへのこだわりという意味での推しポイントになります。

休憩中のポーズと基本の立ち姿。細部までかわいいが詰まっています!
胸元の星が光っているので、服のその部分だけ若干色が違うところもにも注目です!

長い歴史から学ぶことができ、成長のできる環境

―cocone vでドットデザイナーとして働いていて良かった点はありますか?

岩太郎)cocone vのドットデザイナーとして働く魅力は、やはり長年続いているチョコットランドのドットグラフィックの歴史やノウハウを直接見て学ぶことができる点です。
チョコットランドは17年分の膨大なドットの資料があり、まるで画集をみているようなので、ドット絵好きからしたらたまらない環境だと思います。私もその資料でアニメーションの細部の動きまで見てインプットできたので、過去の制作物から得られるノウハウが多いところが魅力だと思います。

チョコットランド 17年のドットの変化の過程。
アウトラインの有無、影の描写、服と顔の書き込みなどがより進化しています。

このような環境ですので、独学の時よりもドットの表現の幅はもちろん広がりましたし、チョコットランドのような一つのゲームタイトルで、ドットデザイナーとして挑戦できている点にもとても感謝しています。特にアニメーションは趣味の範囲でやることはほとんどないので、ドット絵を動かしてみたい!という方には学べることが多く、経験にプラスになると思います。

また、斜め上からみたクォータービューと呼ばれる、立体的なデザインが特徴的なチョコットランドのドットデザインに携われる点も魅力です。装備によっては、前後でアクセサリーの見え方が異なってくるので、頭の中でカメラを移動させ、立体的な形状を意識しながらの制作を心掛けられるようになりました。

チームの雰囲気も良いところだと感じる点の一つです。みんなで良いものをつくろう!という気持ちが強く、全体的に明るく団結力があると思います。
現在は私を含むほとんどのメンバーが在宅ですが、業務の割り振りもスムーズですし、困ったときや情報の共有にはすぐ返答が返ってくるので非常に助かります。
制作物の進捗に対しても必ず肯定的な反応をくれるので、次も頑張るぞ!とモチベーションも上がります。

また、担当職種の分け隔てなく、アイデアがあればどんどん出せる環境にあります。チームにはドットデザイナー以外のデザイナーも所属しており、クリエイティブ、チャレンジ精神に溢れる方が多いので、日々良い刺激をもらいながらお仕事しています。

ドット絵の可能性の限界に挑戦したい

―最後に、今後岩太郎さんが挑戦してみたいことを教えてください。

岩太郎)今後はローディング画面のような、数十秒ほどのループアニメに挑戦してみたいのと、ドットの表現の幅をより広げて、モンスターや装備などにおいてドット表現の新たな可能性を感じることのできるデザインに挑戦してみたいと思っています。

最近はゲームグラフィックの進化が続いているので、ドット絵のゲームは昔に比べて珍しくなりましたが、ドット絵そのものが確立したアートの分野となっているため、ドットという表現が廃れることはないですし、今もレトロブームで昔のものがリバイバルする傾向があるので、需要はあると思っています。

だからこそ、ドット絵でできることはまだまだあると思っているので、今までにないようなデザインや、ドットで表現することが難しそうなものでも、どこまでできるか挑戦してみたいです。

cocone v株式会社について
・コーポレートサイト
https://coconev.co.jp/

チョコットランドについて
・公式HP
https://chocottoland.hange.jp/

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