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量子技術など、先端テクノロジーの社会実装を加速させる「13文字」。

大手総合商社や外資系コンサルティングファームを経て、2022年3月にシグマアイにジョインした髙砂さん。事業開発を担当しながら、シグマアイのブランディングや社内の体制作りも推進しています。入社してすぐに、シグマアイのスタンスや強みを言語化する「コアメッセージ」プロジェクトを立ち上げました。大学発スタートアップのシグマアイは、どうあるべきなのか?全社を巻きこんで、言葉に落としていくプロセスを詳細に語ってくれました。

【プロフィール】
髙砂 優(たかすな・ゆう)

2004年に大学を卒業して、大手総合商社に入社。事業・企業投資やファイナンス関連の業務を担当。その後欧州にてMBAを取得し、大手外資系コンサルティングファームや研究開発系スタートアップなどでの勤務を経て、2022年3月にシグマアイにジョイン。主に事業開発を担当し、クライアントとの協業案件の開拓・デリバリーや社内の体制作りを進めている。

量子アニーリングなど、シグマアイの技術力を社会に還元する。その道筋をつくる仕事

−まずは、シグマアイへの入社の経緯を教えてください。

今年の3月に、事業開発職としてジョインしました。前職も同じく、研究開発系のスタートアップに在籍していて、バッテリー関連の事業開発を進めていました。経緯があって、担当プロジェクトが実質的にクローズになり、世の中に新しい価値を提供できる会社を探していたところ、シグマアイと出会ったのです。取締役の田口さんと面談をさせていただいた際に、社会課題への意識が非常に高い会社であることを知り、これだ!と思いました。「技術ありき」ではなく、「社会課題ありき」のカルチャーの中でこそ、自身が培ってきたスキルや経験に加え、想いが活きると思ったからです。量子アニーリングをはじめとするシグマアイの技術を社会に還元する。その道筋をつくろうと入社を決めました。

−入社後は、どのような仕事を担当していますか?

シグマアイは、社会の様々な課題を、課題発掘力、事業構想・実行力、技術力で解決する会社です。クライアントの課題を協働で解決するためにプロジェクトを組成しリードしたり、物流や製造業向けのサービスパッケージを展開したりと、多方面での事業活動を進めています。それらの立ち上げやグロースを担うのが、事業開発職の私の役割です。さらに、シグマアイの成長のために、社内の仕組みを整えることもあります。メンバー一人ひとりが、成長に向けた研鑽のために、社内のアセットを有効に活用できる仕組みづくりをするのも仕事ですね。

自分たちは何者なのかを、言語化するプロジェクト

−入社して5ヶ月が経ちましたが、最も注力した仕事は何ですか?

多くのプロジェクトを担当していますが、あえて一つ挙げるとすれば、シグマアイの「コアメッセージ」を策定した仕事です。多様な事業を展開していることもあり、「シグマアイは何をやっている会社なのか分かりづらい」という声をいただいていました。私自身もブランディングに課題感を持っていたので、自分たちが何者なのか、自分たちの独自性は何なのかを言語化して、社外に向けて発信するプロジェクトを立ち上げたのです。同時に社外だけではなく、社内にも浸透させることによって、シグマアイのあらゆる活動がコアメッセージを体現している状態にしたい、という思いもありました。

コアメッセージ・プロジェクトは、私が入社して約2週間でスタートさせました。社外の視点を持っているうちに進めた方が、より客観的でフラットなメッセージが仕上げられると考えたからです。ただ、周りの人とはあまり面識がない中で、「シグマアイはどのような強みがある会社なのか」をディスカッションするのは、最初は少し戸惑いましたね(笑)。

「技術を追求するだけではなく、技術で社会を変えることに時間を使いたい」

−プロジェクトは、具体的にはどのように進めたのでしょうか?

まずは、メンバー全員と1on1を行いました。一人ひとりが大切にしているものは何か、シグマアイに対してどのような想いを持っているのか、どのようなキャリアを歩んでいきたいのか、丁寧に耳を傾けました。私自身が入社して間もない時期でしたので、先入観やバイアスなく、話を聞けたのは非常に良かったです。

そこで気づいたのは、全員が自由な発想を大切にしていて、未来への可能性を信じていたこと。そして、社会課題への強い関心を持っていることです。特にエンジニアやリサーチャーからは、「技術を技術のままで終わらせたくない」「技術を追求するだけではなく、技術で社会を変えることに時間を使いたい」という声を聞きました。このような想いを実現するためのコアメッセージにしなければ、と強く感じましたね。

新しい「解」を発見する前には、新しい「問い」が必ずある

−メンバーの声を聞いて、どのようにコアメッセージを練り上げたのでしょうか?

次に私自身で素案をつくり、ビジネスサイドのメンバーと議論を行いました。お客様に対してシグマアイを説明するときに必ず触れるので、納得感のあるものをつくろうと。ディスカッションの熱量は非常に高かったですね。様々な意見が飛び交う中で、共通したエッセンスを抽出して、言葉を練り上げていきました。

そして、創業者の大関さんと観山さんにぶつけました。2人とも卓越した研究者であり、シグマアイという会社に対して、強い想いを持っています。彼らが語ってくれたのは、大きく2つのメッセージでした。

1つ目は、シグマアイは優れた「問い」を立てる力を持っていること。研究者として、世の中にない新しい「解」を発見する前には、必ず新しい「問い」がある。ビジネスの世界でも同じで、斬新な「問い」をクライアントに対して投げかけることで、唯一無二の仕事が生まれる。そのような「問い」があってこそ、量子技術のポテンシャルを発揮できるのだと。「問いを生む大切さを、コアメッセージでも表現したい」と熱く語ってくれました。

私自身も、シグマアイに入社して、メンバーの仮説検証を行うエネルギー量が半端ではない、と感じていました。「問い」をベースに泥臭く議論できるカルチャーも醸成されていて、まさにこの力が独自性につながると、改めて気づいたのです。

クライアントの主張に異を唱える「当事者意識」

−2つ目のフィードバックのポイントを教えてください。

そうですね。2つ目の重要なポイントは、クライアントの課題解決に「当事者」として徹底的に向き合うこと。クライアントの経営陣と、現場で働く人たち。双方の目線を併せ持って協働するのがシグマアイの特色ではないか、と意見をもらいました。

場合によっては、クライアントの主張に異を唱えて、「それって、本当にやるべきことなのでしょうか?」「量子技術を使わない解決策を検討しましょう」ともの申す。それこそがシグマアイの「当事者意識」だと、2人の創業者は熱を帯びて話してくれました。より大きな視野を持ちながら、相手に対して媚びない姿勢に、襟を正された思いでした。コンサルティングファームでの勤務経験もある私にとっては、痛い所を突かれるな、、とも感じましたが(笑)。

「あなたとしかできないことを」からはじまる、技術の社会実装

−社内での議論を経て、コアメッセージは、最終的にどのように確定しましたか?

正直に言って、悩みましたね。自宅で子どもと遊んでいる時にも、ずっと頭から離れませんでした。ただ、現場レベルでの検討を重ねて抽出された要素と、創業者2名が大事にしていることは、ほぼ共通していたので、これは進めていく上で大きな助けになりました。一方で私は、みんなが良いということが本当に良いのか?という客観性を持ち続けることも役割だと考えていて、他の会社と何が違うの?本当に独自性のある自分を表現できているの?と執拗に問いかけるようにしました。具体と抽象を何度も行き来する熟考を重ねた結果、「あなたとしかできないことを」というコアメッセージにたどり着きました。クライアントと、その唯一無二のパートナーであるシグマアイ、両者を掛け合わせることでしか生まれない問いを立てて、協働して解を実現するスタンスを表現したものです。「シグマアイならでは」が伝わるものになったと自負しています。

加えて、社外だけでなく、社内にも深く浸透させていくことを意識しました。プロジェクトメンバー同士で「俺たちにしかできないことって何だろう」と議論したり、「この問いは、あなたとしかできないことにつながるの?」と確認しあう。そのようなシーンをイメージしました。すでに社内での告知は完了しましたが、コアメッセージを徐々に活用してくれているようです。先日の取締役会で、代表取締役の観山さんが、シグマアイは「あなたとしかできないことを」にコミットしていきます、と出席者に対し力強く語ってくれたことは、大きな励みになっています。一つひとつの仕事の中で、「あなたとしかできないことを」意識してくれれば、もっともっと「シグマアイらしさ」を世に放てるはず。その先にある「技術の社会実装」も加速していくと考えています。

そして、「わたしにしかできないこと」が重なる未来へ

−コアメッセージとシグマアイの今後の展開を、どのように考えていますか?

大切なのは、どのような「問い」を立てるか。顕在している問題の解決だけでなく、その先にどのような世界を描けるのか、もっと踏み込めば、自分がどのような世界を描きたいのか、ここに仮説と意志を持つこと。シグマアイでは「〇〇さんはこの案件を通して最終的に何をしたいの?そしてそれがお客様にとってどんな嬉しさがあるの?」という質問が必ず飛びます。ここで立ち返る基本として、「あなたとしかできないこと」が位置づけられると考えています。そしてその実現のために必要な手段を、量子技術に限定せずにゼロベースで考え、ともに当事者意識を持ちながら実装していく。これらの熱を帯びた協働の積み重ねが、技術の社会実装につながると信じていますし、事業開発職である私自身のミッションであると強く認識しています。

コアメッセージそのものについては、まだ出来上がったばかりでやっとスタートに立った段階という認識です。ここから長く苦しく楽しい(?)血肉化に向けたフェーズが始まります。対外的には、シグマアイといえば「あなたとしかできないことを」だねと結びついている、対内的には、メンバーが常に「あなたとしかできないことを」を念頭に思考し動いている、そうした状態をつくり上げていきたいと考えています。

−最後に、髙砂さん個人として、どのような社会をつくっていきたいのか、教えてください。

私の名刺の裏には、「独自性を解放する」と書いてあります。個人として実現したい世界観を言語化したものです。一人ひとりが大切にしている価値観をベースに、自由におおらかに生きていける世界をつくりたい。人は生まれながらの個性を持っています。学校や大きな組織のような何らかの支配的な価値観がある場所では、生きづらい人間がいる。これまではそういった環境で抑圧されていた人間が、自らの人生の主導権を持てるようにする。特殊な能力がない人でもそうなれるようにする。これに挑んでいきたいと考えています。

シグマアイといえば量子技術、と多くの方が思われていると思います。もちろん量子技術の社会実装においては屈指のスタートアップであるという自負はあります。でもシグマアイを味わい尽くすにはそれだけではもったいない。打てば響くが、打たねば何も起こらない。何をするかはメンバー次第です。上述した、私の実現したい世界観も社内で語ったところ、やるなら徹底的にやれ!これが忙しいので、他のことは一切やれません、ということを正当化できるくらいまでやれ!と言われました(笑)。ああ、この受け止め!私がシグマアイにいるのは必然なんだ、と確信しました。この場所こそが私の挑戦を加速させる絶好の舞台なのだと。「あなたとしかできないことを」という難しい問いに答えていくことも、これくらい大胆な土台があれば、きっと出来ると考えています。

私たちが「あなたとしかできないことを」積み重ねることで、人間の独自性を活かせる社会をつくりだす。そして、一人ひとりが「わたしにしかできないことを」実現して、活き活きと生きていく未来が重なっていく。この13文字の言葉をその起点にしていきたいですね。

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