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入社3年目で形にする、子どもたちへの自然体験プログラム

ホールアース自然学校では、自然体験プログラムを提供することが事業の軸となる。そこから派生して、企業や行政との仕事も生まれていくが、入社してしばらくは「体験を通して、自然の魅力を伝える」という力をひたすら磨いていく。修学旅行で富士山麓にやってきた学生に向けて、夏のキャンププログラムに参加する子どもたちに向けて、個人旅行で富士山麓にやってきた大人に向けてー対象者や内容に応じて、伝え方も変えていく。

入社して3年目になる目杉(めすぎ)は、子どもキャンプの企画運営を任されている。活動への思いや、組織に対する考えを聞いてみた。


ー入社3年目の今、担当している業務を教えてください。

目杉「主には、“子どもキャンプ”といって、宿泊型の子ども向け自然体験プログラムを担当しています。あとは受託事業でSDGsに関わる取り組みや、他の自然学校と共同でやっているGO OUTというフェス内での子ども向けプログラムの運営も担当しています。」

ー基本的には、体験プログラムを実施することが多いよね。

目杉「実施は多いんですけど、最近思うのが、よく準備が8割とか言いますけど、やっぱり準備している時間が長いですね。事務仕事も多いですけど、準備にはフィールドの下見も含まれているので、イコール自然に親しむ時間でもあります。」

ーもともと子ども向けのキャンプがしたくてホールアースに来たと思うけど、ホールアースの子どもキャンプを知らない人に説明するとしたら、どういう風に表現する?

目杉「そうですね、前職でも子ども向けの自然体験を提供していたんですけど、前職は教育色が強かったんですよね。学校教育のような生活指導とかも結構きっちりやっていたんですけど、ホールアースでは最低限のルールやマナーはあるにしろ、指導というより本格的な自然体験の提供を重視しています。生活指導のようなことは学校や家でもやっているから、それよりは、ここでは思いっきり自然の中で遊んで楽しんでほしいというスタンスが大きな特徴だと思います。あとは、ホールアースでは、大人向けのプログラムも提供しているので、コンテンツの幅が広いですね。昔、大人向けでやっていたシャワークライミングも、フィールドの難易度を下げて、子どもでも実施できるようにしました。大人向けでやっていることを、『子ども向けでどう変換してできるか?』みたいなことを試行錯誤しながらやってます。」


ーさっき、前職での話が出たけど、前職とホールアースとのスタイルの違いに戸惑いや難しさはなかった?

目杉「最低限のホールアースらしさが守られていれば、あとはキャンプを担当するスタッフそれぞれのやりかたでできたらいいのではないかと思っています。他の先輩スタッフが担当すれば、雰囲気も変わりますね。本格的な自然体験の提供や、参加者をグループ編成しないやり方や、家畜動物との関わりなど、ホールアースらしいスタイルや価値観を守りつつ、自分の提供したいプログラムをねらいに合わせて形にしていきます。もちろん時々フィードバックがあってその都度修正しながらという感じですけど、基本的に色々と自由にやらせてもらっています。スタッフも皆バックグラウンドが違ったり、自然との関わり方も様々なので、色んな視点で意見をもらえて自分の成長にもつながっています。それを子どもたちに還元していきたいですね。」


ー毎月のように子どもキャンプを実施しているし、さっき準備が大変という話もあったけど、それでも子どもキャンプを実施したいというモチベーションはなんだろう?

目杉「自分でも上手く言えないですけど、やっぱり子どもたちの笑顔とか、夢中で何かに取り組んでいる姿を見るとやってよかったなと思います。」

ーすごくシンプルなモチベーションだね。

目杉「そうですね、あとはやっぱり子どものときに夢中になってやったことって、大人になってもその人の原体験として残っているんですよね。その中で経験した失敗や成功が、大人になっても活かされる。よく親御さんから『キャンプから帰ってくるとお手伝いしてくれるようになった』という声も聞くんですけど、それよりも長期的な目で見たときに、大人になっても活かせる経験をしてもらえたら意義深いなと思います。」


―ホールアースに入って、自分自身の変化は何か感じる?

目杉「入社したての頃は最初は全体が見えないから、自分がどう動けばいいかわからなくて固まっちゃってたなと。今では、頭で考えるよりも先に体を動かせるようになった気がします。自然も、参加する子どもたちも、季節もその時によって違いますし、不確実なものに対して、どんな風に対応できるかが子どもたちの経験に関わってきますよね。プログラムを通して、自分自身いろんな経験を積ませてもらっているなと感じます。」

ー逆に、ホールアースで大変なことってどんなこと?

目杉「自分でやるとなったら、企画から準備、実施、事後処理まで結構自分一人でやらないといけないので慣れるまでは大変ですけど、その分経験にはなりますね。」

ーそうだね、スタッフそれぞれが自分の事業を持っていて、そこに注力しているし、責任もあるから、「みんなでやろう」というよりは、個々に進んでいる感じはあるよね。

目杉「パッと集まってやるときはやって、そうじゃない時はパッと散ってそれぞれで動くみたいなイメージ。だけど、それぞれの最終的なゴールは皆同じ方向な気がします。同じ理念やミッションに対して、それぞれが違うアプローチで動いていて、それを皆理解し合って信頼し合っているからできるんじゃないかと思います。でも本当にダメになったら皆助けてくれます。事業を任せてもらうことで成長の幅も増える気がしますね。自分も他の先輩の事業を傍から見ていて、すごく刺激をもらいます。皆それぞれ自分の思いを形にして事業をしてますけど、『登山』とか『狩猟』とか、他のスタッフがやっていることと自分の興味と重なるところもあるので、自分の知識も深められて面白いなと思います。」


ー最後に、今後の目標や課題を教えてください。

目杉「そうですね、やっぱりキャンプの事業は大きくしていきたいので、マンパワーはほしいです。学生にボランティアしてもらうこともあるんですけど、そういう人たちをもっと増やしたいですね。組織内でもキャンプをやりたい人がもっと増えればなと思います。そうやって、実施の本数を増やして受け入れの数を増やしたり、コンテンツも充実させていきたいなと思います。」


キャンプ事業は、ホールアースが創業した頃から続く、ホールアースらしい事業とも言える。テレビもゲームもない自然の中で、面白いことを見つける力、作っていく力、そして自分の思い通りにいかないことに対して試行錯誤する力は、子どもたちの生きる力につながる。理念を大切にしながらも、今までの形にとらわれずに発展させていきたい。みなさんもぜひ、自分の「好き!」を活かして、一緒に自然体験を提供する側になりませんか?

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