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オリエンを疑え!

そのままやれば簡単だしラクだけど・・・


「リクルート向け動画を新しくしたいんですけど、
中身は前回踏襲で、辞めた社員を入れ替えるだけでいいです」

オリエン内容はこんな感じでした。

その前回の動画は私たちで作っていないで、まずはどんなものか確認してみました。
2分半ほどの尺を使って淡々と仕事を説明している内容。
確かに、どんなことを仕事でするのかは伝わる。でも、本当にこれでいいのだろうか。

違和感を感じたときは目的に返る


クライアントへ「ではこの動画で、何を目的として達成したいですか?」と聞きました。
「応募者が増えて欲しいです。なかなか人が集まらないので」
「なんで人が集まらないと思いますか?」
「やっぱり若い人には、キツイ仕事ってイメージがあるからだと思います」

仕事内容を淡々と説明するだけで、キツイ仕事という
イメージが払拭されるのだろうか?おそらく払拭されないであろう。
そうなると、カッコいい映像をいいカメラ使っていい演出をして作りましょうと
なるのかもしれないが、それもなんか違う気が。
ただイメージアップを狙ったスタイリッシュな映像に仕上げても、
入社後のギャップですぐにやめてしまうのではないか。

オリエン通りただ登場人物だけを差し替えても目的は達成できない。
かといってイメージだけ取り繕うのは本質的ではない。

本質的な課題を解決することが本来のゴール


この二つの課題を解決するには、
「仕事で何をやっているか」ではなく「なぜこの仕事をやっているか」を描くことだと
考えました。

キツイ仕事かもしれない。でも、一人ひとり夢があり、それを叶えるために、
がんばることができる仕事。

これが伝えられれば、志願者も増え定着率も上がるのではないか。
「オリエン内容とは違いますが、こういった企画で作った方が動画の目的を達成できるのでは
ないでしょうか」と提案しました。完成のイメージがわくように、Vコンも添えて。

クライアントだってオリエン通りを望んでいない


後日クライアントからは「ご提案の内容でいきたいです」と返答をもらいました。
そして無事完成して納品。その後も、この映像を見て応募したという志願者からのコメントもあり、
クライアント社内と志願者両方から満足いただいているとのこと。

ただ、もちろん闇雲にオリエンの内容を疑うのがいい、ということではありません。
「これで本当に目的を達成できるのか?」かを客観的な視点を持って考えてみる。
そして、こういう考え方もあるのではと提案する。思いつきのアイデアではなく、なぜそう考えたのか、
ロジカルに説明することも必須です。(そして無理強いはしない。これも大事)

とある巨匠監督いわく、映画は7割が脚本で決まるとのこと。
私たちの仕事も同じです。企画が7割。
企画の時点で心を動かさないものは、その後いくら頑張ってもいいものには絶対ならない。

だから、私たちは日々「本当にこれでいいのかな?」をつぶやきつづけます。

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